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『血塗れ』
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匿名ユーザー
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目覚めた時、普段と違うという事はわかっていた。
なにより、何故自分は血塗れなのか。こちらの方が気になった。
なにより、何故自分は血塗れなのか。こちらの方が気になった。
【吉澤ひとみ】
【04:44:44】
【雫ヶ原高校/視聴覚室】
【04:44:44】
【雫ヶ原高校/視聴覚室】
怪我はしていないらしく、全身を染める血液は、自分のものではないと知る。
では、誰のものなのか。
では、誰のものなのか。
「──生臭い」
鉄の臭い。血の臭い。普段の生活とは無縁のもの。
とにかく洗い流したい。
ひとみは廊下に出た。向かいにあるトイレに入り、電気を点ける。
鉄の臭い。血の臭い。普段の生活とは無縁のもの。
とにかく洗い流したい。
ひとみは廊下に出た。向かいにあるトイレに入り、電気を点ける。
「……」
言葉が出なかった。
一番奥の個室から、おびただしい量の血液が流れ、床を赤く染めていた。
扉は閉まっている。
言葉が出なかった。
一番奥の個室から、おびただしい量の血液が流れ、床を赤く染めていた。
扉は閉まっている。
中に、誰かが、いる。
手を洗うのも忘れ、ひとみはトイレから飛び出した。個室の中がどうなっているのか、知るのが怖かったのである。
視聴覚室に戻り、ドアを閉めて、床に座り込む。
暗闇に支配された部屋が、妙に心地よかった。
視聴覚室に戻り、ドアを閉めて、床に座り込む。
暗闇に支配された部屋が、妙に心地よかった。
落ち着いてから電気を点けると、黒板に文字が書かれている事に気がついた。
思わずその文を口にしてしまう。
思わずその文を口にしてしまう。
「──サイレンが」
唾を飲む。
「サイレンが、人を狂わせる──」
唾を飲む。
「サイレンが、人を狂わせる──」
ひとみは、この時間に何故自分が学校にいたのか、なんとなく分かった気がした。