メリットのページ
担当は東北地区の名越@東北学院中高です。
メリットとして『真のゆとり教育の実現』という方向性を考えています。
単純に言えば、「学ぶ内容=量(ボリューム)が(それほど)変らなければ、学校に通う日数が多いほど、時間をかけた学習ができるので、ゆとりが生じる」というものです。
ただ、量に関しては、増やした方が良いのではないかと考えています。
- 週五日制の導入に合わせるように、当時の学習指導要領は内容の3割カットを実施
- 大学入試(センター試験)は5教科7科目が実施される。一部(医学部など)は8科目必要
- 大学にすると、専門的な研究のためには、もっと基礎学力を充実させてから入学して欲しいと考えている
(→大学で補習をするくらい!)
→これは、現在の社会が複雑になり、それに対応した形で現在の社会で生きていくには、もっと根本的な学びを大切にする必要が生じているから
→これは、現在の社会が複雑になり、それに対応した形で現在の社会で生きていくには、もっと根本的な学びを大切にする必要が生じているから
- 学校ではカリキュラムを消化するために、学校行事を減らす傾向
→“人間教育”としてはゆとり教育に反する傾向
- 「授業が分からない」という生徒は、学年を負う毎に増える傾向
それをフォローする体制が整わない。
(土曜日でフォロー、ということも実際無理)
(土曜日でフォロー、ということも実際無理)
=>まとめると、「社会(及び、社会の一歩手前にあたる大学)の側から、真に大切なことを“身につけて”(“形式的に学ぶだけ”では×)欲しいという要求があるのだから、週6日学校に来る体制を整えて学ぶ時間を増やそう」というものです。
なお、夏休み・冬休みなどの長期休暇の短縮は、学習効率(暑さ・寒さ)の観点からは好ましくないのではないか、と考えます。
よろしければ、コメント等頂けると幸いです。宜しくお願いたします。
名越幸生([email protected])
名越幸生([email protected])
肯定側立論第1案
肯定側立論、宜しくお願いいたします。
プランは2点
1. 学校教育法施行規則を改正し、学校の休業日を「日曜日及び土曜日」から「日曜日」とします。
2. 2007年4月より実施します。
プランは2点
1. 学校教育法施行規則を改正し、学校の休業日を「日曜日及び土曜日」から「日曜日」とします。
2. 2007年4月より実施します。
メリットは「真のゆとりきょういくの実現」です。
はじめに、現状を2点説明します。
A:2002年(平成14年)4月1日から実施された完全学校週5日制には、最初から問題点があったのです。
資料:2004年10月発行『月間高校教育』における教育ジャーナリスト、渡辺敦司氏の文章より2ヶ所引用します。1つめを引用開始
「完全5日制になれば当然、その分の授業時間削減と教育内容の削減が必要になる。しかしそれまで、5日制の是非論にばかり追われて、教育課程そのものの本質議論は置き去りにされたままだった。(中略)一方で、国際理解や情報科など、現代的な課題にも対応しなければならない。「総合的な学習の時間」や普通教科「情報」を新設すると同時に、各教科ともほぼ一律に学習内容の三割削減が図られたのは、そうした事情によるものだ。」引用中断
別な箇所を引用開始
「そうした中で、国立大学協会は、国立大学の一般選抜で原則として大学入試センター試験を五教科七科目課す方針を打ち出し、2000年11月の総会で正式決定する。
高校では授業時間削減の上に、この「後教科七科目入試」にも対応する新教育課程作りに追われた。」終わり
A:2002年(平成14年)4月1日から実施された完全学校週5日制には、最初から問題点があったのです。
資料:2004年10月発行『月間高校教育』における教育ジャーナリスト、渡辺敦司氏の文章より2ヶ所引用します。1つめを引用開始
「完全5日制になれば当然、その分の授業時間削減と教育内容の削減が必要になる。しかしそれまで、5日制の是非論にばかり追われて、教育課程そのものの本質議論は置き去りにされたままだった。(中略)一方で、国際理解や情報科など、現代的な課題にも対応しなければならない。「総合的な学習の時間」や普通教科「情報」を新設すると同時に、各教科ともほぼ一律に学習内容の三割削減が図られたのは、そうした事情によるものだ。」引用中断
別な箇所を引用開始
「そうした中で、国立大学協会は、国立大学の一般選抜で原則として大学入試センター試験を五教科七科目課す方針を打ち出し、2000年11月の総会で正式決定する。
高校では授業時間削減の上に、この「後教科七科目入試」にも対応する新教育課程作りに追われた。」終わり
つまり、小・中・高校で勉強する内容や時間数は減ったのに、高校卒業後にある大学入試が厳しくなったのです。そのため、学校は忙しくなりました。
B:よって、児童・生徒の負担が増えています。
2004年にベネッセが発行した『モノグラフ・小学生ナウ 特別号』中の、石川芳子の文章より引用開始
「完全学校週5日制」「総合的な学習の時間」などの導入による教科の時間の減少。学力低下が叫ばれる中、子どもたちは、「勉強」についてどう考えているのかを05 、6 年生に調査している。(中略)「学校から遅く帰るようになって、疲れるようになっ
た」「授業の時間が増えて、大変になった」が5 割を超えている。」おわり
2004年にベネッセが発行した『モノグラフ・小学生ナウ 特別号』中の、石川芳子の文章より引用開始
「完全学校週5日制」「総合的な学習の時間」などの導入による教科の時間の減少。学力低下が叫ばれる中、子どもたちは、「勉強」についてどう考えているのかを05 、6 年生に調査している。(中略)「学校から遅く帰るようになって、疲れるようになっ
た」「授業の時間が増えて、大変になった」が5 割を超えている。」おわり
続いて、2003年にベネッセが発行した『モノグラフ・中学生の世界 vol.74』中の、森永徳一氏の文章より引用開始
「表3-2 は、「土曜日が休みになってから、学校生活がどう変わったと感じているか」をたずねたものである。(中略)「授業の進み方が速くなった」と感じている生徒は「とてもそう思う」と「わりとそう思う」を合わせて42.4%。(中略)学習の進度と共に、月曜日から金曜日までの限られた時間の中に、学習内容が詰め込まれている様子が推測できる。「行事の準備のための時間が少なくなった」も、45.5%の生徒が「とても+わりとそう思う」と答えている。部活動の時間の減少と共に、行事に使われる時間の減少が目に見えてくる。学習時間の確保が大変な様子も同時に推測できる。」おわり。
「表3-2 は、「土曜日が休みになってから、学校生活がどう変わったと感じているか」をたずねたものである。(中略)「授業の進み方が速くなった」と感じている生徒は「とてもそう思う」と「わりとそう思う」を合わせて42.4%。(中略)学習の進度と共に、月曜日から金曜日までの限られた時間の中に、学習内容が詰め込まれている様子が推測できる。「行事の準備のための時間が少なくなった」も、45.5%の生徒が「とても+わりとそう思う」と答えている。部活動の時間の減少と共に、行事に使われる時間の減少が目に見えてくる。学習時間の確保が大変な様子も同時に推測できる。」おわり。
このように、ゆとりをもたらそうとして導入された完全学校週5日制は、土日を休みにするために平日を忙しくしているのです。これでは逆効果で、問題です。
ここでプランを実施します。
発生過程:完全週5日制を止めて土曜日も登校すれば、学習内容の詰め込みが解消され、時間をかけてゆとりをもって勉強することが可能です。
なお、夏休みなどの長期休暇を短くしても、月曜から金曜までの忙しいスケジュールが繰り返されるだけですので、ゆとりの確保には土曜日に登校するプランが必要です。
発生過程:完全週5日制を止めて土曜日も登校すれば、学習内容の詰め込みが解消され、時間をかけてゆとりをもって勉強することが可能です。
なお、夏休みなどの長期休暇を短くしても、月曜から金曜までの忙しいスケジュールが繰り返されるだけですので、ゆとりの確保には土曜日に登校するプランが必要です。
重要性です。
複雑に発達した現代社会の中で生きていくには、ゆとりのある教育が必要です。子どもの成長に必要なのは、勉強だけではありません。様々な学校行事など、多くの経験を積むことが重要です。
ですから、勉強内容も、学校行事も削って、月曜日から金曜日までを窮屈にしている完全週5日制の廃止は、学ぶ人にとっても、教える側にとっても、社会にとっても、重要です。
複雑に発達した現代社会の中で生きていくには、ゆとりのある教育が必要です。子どもの成長に必要なのは、勉強だけではありません。様々な学校行事など、多くの経験を積むことが重要です。
ですから、勉強内容も、学校行事も削って、月曜日から金曜日までを窮屈にしている完全週5日制の廃止は、学ぶ人にとっても、教える側にとっても、社会にとっても、重要です。
時間の関係で削った資料
1997年発行『<問い>としての教育学』より、東北学院大学教養学部助教授、八幡恵氏の文章より引用開始
「社会・産業との関りに注目して学校を眺めると、そこにはまた別の側面、戦前・戦後を通じて変わらない側面が姿を現してくる。学校の近代化は出発のときから、国家・社会の近代化、産業化と強く結び付いていたのであり、森有礼や井上毅の学制改革によってその方向は確立した。戦後においても基本的方向に変化はなく、新教育終焉後の教育の再編過程において、その性格は更に強まったといえるのである。」おわり
「社会・産業との関りに注目して学校を眺めると、そこにはまた別の側面、戦前・戦後を通じて変わらない側面が姿を現してくる。学校の近代化は出発のときから、国家・社会の近代化、産業化と強く結び付いていたのであり、森有礼や井上毅の学制改革によってその方向は確立した。戦後においても基本的方向に変化はなく、新教育終焉後の教育の再編過程において、その性格は更に強まったといえるのである。」おわり
これを踏まえて、回りの社会を見て下さい。世間は国際化、情報化の流れの中、科学技術も発達し、より複雑で難しい社会になっています。そのため、子ども達が学んでおくべき内容も、昔と比べれば多くなり、難しくなっているのです。
肯定側立論第1案を聞いた本校部員の意見
- 行事が削れて、どのような悪いことが起こるのか?(それは行事によると思われる。学校における行事の意義が問われる)
- 週5日制で月~金がきつくなったことによって、何か悪いこと(例えば、非行が増えたり、生徒が自殺したり、など)があったのか?
- 土曜日を増やした場合、具体的に、どの程度楽になるのか?
私が思ったこと。
(1) 省略した証拠資料が、今回のディベートの背景となる。つまり、社会が複雑になれば、学校の教育内容に求められるレベルが高くなる(質や種類等)ことが前提として考えられる。
(2) この論題でディベートをすると、今までの教室ディベートで扱ってきたような「数」で勝ち負けを決める形にはなりにくいのではないか。ある人にとって良いことが、別な人にとっては必ずしも良いものとは限らない。試合に応じて「価値の比較」を行なう特訓になるかもしれない。
(1) 省略した証拠資料が、今回のディベートの背景となる。つまり、社会が複雑になれば、学校の教育内容に求められるレベルが高くなる(質や種類等)ことが前提として考えられる。
(2) この論題でディベートをすると、今までの教室ディベートで扱ってきたような「数」で勝ち負けを決める形にはなりにくいのではないか。ある人にとって良いことが、別な人にとっては必ずしも良いものとは限らない。試合に応じて「価値の比較」を行なう特訓になるかもしれない。
繰り返しますが、コメント等頂けると幸いです。宜しくお願いたします。
メールを戴けたらと思います。→ 名越幸生([email protected])
メールを戴けたらと思います。→ 名越幸生([email protected])