東方秋風虫奏
サークル:ししまいブラザーズ
Number | Track Name | Arranger | Original Works | Original Tune | Length |
01 | 民衆の阿片 | ししまい三号(DauGe) | 東方風神録 | 信仰は儚き人間の為に | [04:36] |
02 | 珊瑚と難破船と補陀落渡海 | ししまい三号(DauGe) | 東方風神録 | 妖怪の山 ~ Mysterious Mountain | [03:44] |
03 | 紫の雲は分水嶺 | ししまい三号(DauGe) | 東方妖々夢 | ネクロファンタジア | [03:48] |
04 | 亡国の少女に捧ぐセプテット | ししまい三号(DauGe) | 東方紅魔郷 | 亡き王女の為のセプテット | [03:28] |
05 | 魔法の小瓶 | ししまい三号(DauGe) | 大空魔術 | 天空のグリニッジ | [03:48] |
06 | 届けておくれ呪い人形 | ししまい三号(DauGe) | 東方風神録 | 厄神様の通り道 ~ Dark Road | [03:33] |
07 | ただこの歌が届くなら | ししまい三号(DauGe) | 東方永夜抄 | もう歌しか聞こえない | [03:06] |
08 | 卒塔婆数え歌 | ししまい三号(DauGe) | 東方風神録 | 御柱の墓場 ~ Grave of Being | [03:20] |
09 | 鼎 | ししまい三号(DauGe) | 東方風神録 | 神さびた古戦場 ~ Suwa Foughten Field | [05:01] |
10 | 孤高という恍惚 | ししまい三号(DauGe) | 東方風神録 | ネイティブフェイス | [04:34] |
詳細
レビュー
- 原曲香る系ツインピアノメインにストリングス、ギター、三味線など多種多様な音を合わせたアップテンポ気味アレンジ。ピアノの他にかなり多様な楽器を使って工夫を凝らしたようであるが、必ずしもそれがはまっているとは思えない。伝えたいこと、アレンジャーの意図が楽器に飲み込まれぼやけてしまっているように感じる。翻って各曲のピアノ部分ではやはり作っていて楽しそうな雰囲気が伝わってくるのであるから、やはりししまいブラザーズの真骨頂はツインピアノなのであろう。それがこの作品では十分に活かされなかったように思える。
1曲目信仰は儚き~ロックアレンジは、肝心のロックがやや細い。昨今ロック・メタル系アレンジが多いのであるから、それとの差別化を図るためにはもっと分厚くするか、3分20秒過ぎからの三味線との融合を押し出すか、などのアピールが要るだろう。特に三味線はエレギやピアノとの合わせでもっと多く出すべきだ。物足りない。
5曲目天空のグリニッジアレンジは、曲調はほの暗く原曲の雰囲気を出しているのではあるが、ややアレンジの進行、雰囲気が軽きに失し、かつ音の「外し」がうまくマッチしていない感がある。個人的に屈指の名曲として思い入れが強いものということで厳しくなってしまうが、もう少し真正面から「この曲がピアノになるとこうなる」という感じで挑戦して欲しかった。パーカッションやクラップなどは蛇足に思う。
7曲目もう歌しか聞こえないアレンジのピアノパートは不気味かつ優美な雰囲気をきっちり表現した秀逸なものだ。ピアノでオリジナルパートを奏でる時はとても楽しそうに聞こえる。
10曲目ネイティブフェイスアレンジはツインピアノ真骨頂、締め括りとしてきっちりはまる。シンプルなアレンジではあるが、3分ちょうどから始まる48秒間の進行は小気味よい。もっと発狂してもよかったと思ったりもする。
全体的に今回は焦点がぼやけていたが、ピアノパートではさすがにきっちり合わせてきていた。確かにアルバム通してピアノ一辺倒では飽きが来るだろうからいろいろと工夫を凝らすことは必要ではあろうが、今一度自分の基本的な立ち位置をどこに置くのか、確認してほしい、そんな思いが沸いた。次に出るであろう冬風には更なる期待をしたい。 -- 電波? (2008-01-04 19:35:11) - 春風と夏風の前2作に比べて、ピアノと同時に鳴る楽器の種類が多彩になっている気がした。
この変化によって激しいアレンジにはなったけれど、今作はこのサークルに対して
前・前々作から自分が抱いていた、綺麗で透き通るようなアレンジというイメージとは
異なるものに仕上がっており、個人的には少し残念。
特に2・9曲目で用いられている金管楽器には違和感があった。
各曲のピアノソロの部分やピアノが主役の10曲目などは
今までと変わりなく力の入ったアレンジだが、その上でさらに
他楽器の主張が強くなった感についてどう受け取るかは聞く人次第と思われる。
その意味で、買う前には一度試聴してみたほうが賢明かもしれない。 -- 名無しさん (2008-01-04 22:50:07) - 過去作、特にピアノパートが多かった夏風と比較すると他楽器の担当パートが増え、ピアノアレンジの枠から外れている印象が
あるが、元から既存の「ピアノアレンジ」と違う印象を持っていたせいか、自分には違和感はさほど無かった。
寧ろ情緒豊かな春風、爽快な夏風と来て、今回の秋風に感じる激しく妖しげな雰囲気を持たせることに成功してると思う。
また、頭から9曲目まで雰囲気に重きを徹した曲がしめるのに対し、ラストを締めくくる10曲目は、原作EX曲の明るさを上手くふまえた、
過去作をふまえた全曲の中でもトップクラスの出来では無いかと思う。全編にわたって繰り広げられるピアノパートは、
夏風の綺想曲アレンジよりも激しく、奏者の苦労と根気が感じられる。
雰囲気が変わったことに賛否も出るだろうが、個人的には良作。今後にも期待である。 -- min (2008-01-06 18:37:31)