銀河英雄伝説 黎明編  byカノープス

作者について(ウィキペディアより)

田中 芳樹(たなか よしき、1952年10月22日 - )は日本の作家。熊本県本渡市(現・天草市)出身。学習院大学文学部・国文学科卒業、同大学大学院博士課程(国文学)修了。本名は田中美樹(たなかよしき)。日本SF作家クラブに所属している。
代表作は『銀河英雄伝説』『創竜伝』『アルスラーン戦記』の三長編。スペースオペラからファンタジー、現代を舞台とした小説、南北朝時代以降から南宋付近までの中国を舞台とした小説を発表している。
1978年に李家 豊(りのいえゆたか)名義で発表した『緑の草原に…』で雑誌「幻影城」の第三回幻影城新人賞小説部門受賞し、作家としてデビューした。
1982年に田中芳樹名義で『銀河英雄伝説』を発表し、一躍人気作家となる。同作品は1988年に星雲賞日本長編部門を受賞した。銀河英雄伝説はアニメ化、ゲーム化され、発表後20年以上経った現在でも根強い人気を保っている。
『創竜伝』や『アルスラーン戦記』などの長編のシリーズを発表する一方、『アップフェルラント物語』などの冒険小説やミステリ小説、『風よ、万里を翔けよ』などの中国物小説を単発で発表してもいる。
遅筆で有名な作家でもあり、「完全に完結させたシリーズはマヴァール年代記のみ」とも言われる。ファンの間ではアルスラーン戦記、創竜伝ともに更新ペースの大幅改善が希望されている。 自身は軍事専門家ではないが、スケールの大きい戦記物を描ける事でも有名である。
シリーズ作品
• 銀河英雄伝説(本編:1981年 - 1987年、外伝:1984年 -)
• アルスラーン戦記(第一部:1986年 - 1990年、第二部:1991年 -)
• 創竜伝(1987年 -)
• マヴァール年代記(1988年 - 1989年)
• 夏の魔術シリーズ
o 夏の魔術(1988年)
o 窓辺には夜の歌(1990年)
o 白い迷宮(1993年)
o 春の魔術(2002年)
• タイタニア(1988年 - )
• 灼熱の竜騎兵(レッドホット・ドラグーン、1989年 - )
• 自転地球儀世界(1990年 -) - 1~2巻執筆、3巻は一条理希との共著
• KLAN(1995年) - 1巻のみ執筆、2巻以降は原案者として参加
• 薬師寺涼子の怪奇事件簿
はたしていくつが完結するのやら…
銀河英雄伝説について
田中芳樹の長編スペースオペラ小説。現在までに全10巻外伝4巻が刊行されている。正編だけで累計1000万部を超える超ベストセラー。

人類が宇宙へ進出してから数世紀を経た未来。人類社会はルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによって創設された銀河帝国と、その圧政から脱したアーレ・ハイネセンらの設立した自由惑星同盟によって二分されていた。両国のあいだではすでに150年にわたって戦争が続いていたが、銀河帝国にひとりの天才児が生まれたことによって状況は一変する。豪奢な美貌と華麗な戦争の天才を併せ持ったその金髪の若者、ラインハルト・フォン・ローエングラムは500年続いてきた帝国を滅ぼしみずから権力を握ろうという不逞な野心の持ち主でもあった。同じ頃、同盟もひとりの用兵家を得ていた。ヤン・ウェンリーである。のちに「不敗の魔術師?」と呼ばれることになるかれはラインハルトに匹敵する才能を持ちながら腐敗した民主主義社会への失望を深めていた。物語はラインハルトとヤン?のふたりを中心に多彩な人物の活躍を描きぬいていく。アニメーション版は全100話を超え、長大な原作をほぼ完全に映像化している。
第1話「永遠の夜の中で」

第2話「アスターテ会戦」

第3話「第十三艦隊誕生」

第4話「帝国の残照」

第5話「カストロプ動乱」

第6話「薔薇の騎士」

第7話「イゼルローン攻略!」

第8話「冷徹なる義眼」
(中略)
第107話「深紅の星路」

第108話「美姫は血を欲す」

第109話「黄金獅子旗に光なし」

最終話「夢、見果てたり」

登場人物

<自由惑星同盟>

エドウィン・フィッシャー:

 ヤン艦隊の副司令官。イゼルローン要塞に本拠地を移してからは、イゼルローン要塞駐留艦隊副司令官。最終階級は中将。
 艦隊運用の名人で、ヤンから艦隊運用に関して全てを任されていた。
 文字通りヤンの「片足」となって、ヤン艦隊の無数の勝利に貢献している。
 「生きた航路図」、「この人がいなければ、ヤン艦隊は迷子になる」と言われている。「回廊の戦い」にてビッテンフェルトの攻撃を受け戦死した際も、アッテンボローは「うちの生きた航路図が死んだ航路図になってしまった。これからうっかり森にピクニックにも行けんぞ」と言っている。
 ヤンの死に間接的だが関わっている。
 旗艦は「アガートラム」


カスパー・リンツ:

 薔薇の騎士連隊の第14代目の連隊長。最終階級は大佐。
 シェーンコップの有能な補佐役。シェーンコップは事あるごとに「リンツ!」と呼びつけて、後ろに従えていた。
 半個艦隊でのイゼルローン要塞攻略の時もシェーンコップの補佐として、ブルームハルトと共に要塞内部に潜入し、陥落させてしまった。
 バーミリオン星域会戦の終結直前に、ポプランと共にメルカッツ独立艦隊(「動くシャーウッドの森」)に参加している。
 「ブリュンヒルトの白兵戦」にも参戦して、最後まで生き残る。その後は、革命軍解体に従事する。
 子供の頃は、画家を目指しており、ヤン艦隊の多くの似顔絵を残している。(ムライ中将の似顔絵は、顔が描かれず「秩序」と書き込みされている)将来は、書き続けた絵の個展を開くのが夢。
 歌い手としても連隊一。


シドニー・シトレ:

 ヤンが士官学校に在籍していた頃の校長。
 イゼルローン攻略/アムリッツァ星域会戦時は、統合作戦本部長。元帥。
 軍上層部(ヤン艦隊以外)の、ヤンの数少ない理解者である。他には、ビュコック提督/グリーンヒル大将、後にチュン・ウー・チェン大将くらいである。
 前線の指揮官として有能であるのはもちろん、教育者、また組織や人事の管理者として堅実な手腕を示す。
 欠点のない秀才より、異色の個性を重んじ、ヤンを見出したともいえる人物である。(士官学校時代のヤンも良く知っているようで、仮病を使ってアスターテの戦没慰霊祭を欠席した時も、「昔から進歩のない男だな」と言っている)
 ヤンにはいつも無理難題を与える。新設されたばかりの半個艦隊の第13艦隊でのイゼルローン要塞攻略、アムリッツァ星域会戦のような事を起こさないようにアンドリュー・フォークを始めとするような存在を淘汰するようにと。
 アムリッツァ星域会戦の大敗により、本部長を辞任。軍を退役する。
 ジョアン・レベロとは、幼馴染み。


ダスティ・アッテンボロー:

 ヤンの士官学校時代の後輩。
 最終階級は中将。「バーラトの和約」後に退役。
 在学中、門限破りをして塀を乗り越えた時、たまたま当番だったヤンが見て見ぬふりをしてくれたことがきっかけで、親しい友人となる。
 戦略戦術シュミレーションで、ヤンが司令官/アッテンボローが参謀として4回コンビを組んで無敗を誇っている。
 また、「有害図書愛好会」という組織(メインメンバーはヤン、ラップ、アッテンボローだろう)が出来た時は、本の入手/隠匿/回し読みの方法/風紀委員との抗争に熱中していた。(ヤンは本を読むことに熱中していた)
 指揮官としては、剛柔を兼ねる手腕を発揮。行動力/組織力に優れ、特にゲリラ的戦術指揮と敗軍を統率/指揮をすることを得意としている。アムリッツァ星域会戦ではウランフ提督亡き後、第10艦隊を統率。
 ヤン艦隊でも分艦隊司令官として、フィッシャー中将と共に片腕としてヤンを補佐した。ヤン艦隊の逃げる演技はアッテンボローが大きく貢献している。(ムライ曰く「うちの艦隊は、逃げる演技ばかりうまくなって・・・」)
 また、自身でも「敗走させれば、右に出る者はおりません」と言い切っている。
 ヤンが同盟政府に拘禁された時は、シェーンコップ達と共にヤンを救出し、そのまま、メルカッツ独立艦隊に合流。
 「ヤン不正規軍(ヤン・イレギュラーズ)」では、「伊達と酔狂」をモットーに、皇帝ラインハルトと戦った。ポプランと共に、この頃のヤン艦隊の気質形成に関与している。(メルカッツ提督も多少影響を受けていたようだ)
 本来はジャーナリスト志望で(父親のパトリックにより、生まれる前から、妻の父親に「息子を軍人にする」と約束されていたので、やむなく士官学校に入学)、回想録「革命戦争の回想」を残したと言われる。(いつも、メモしていていた手帳が役立ったようですね)
 旗艦は「トリグラフ」、後に「マサソイト」


チュン・ウー・チェン:

 見識と処理能力にすぐれた戦略家。最終階級は大将。
 「神々の黄昏」作戦の時、脳溢血で倒れたオスマン中将に代わり、宇宙艦隊総参謀長に就任。
 就任直後の会議では、イゼルローン要塞の存在性/講和時の条件などヤンと同じ見解をしており、また、ヤン艦隊の重要性も指摘している。ヤン艦隊は純軍事的に貴重な戦力だと。その際は「命令」ではなく「訓令文」として、ヤンに行動の自由を与えている。その結果は、ヤンの「イゼルローン要塞を放棄する」である。(実際はビュコック提督の名で訓令文は発せられている)
 ヤンの考えを、最も理解している人物だと思う。
 「バーラトの和約」後は、ビュコック提督に代わり宇宙艦隊司令長官代理を務める。帝国の艦船廃棄の要求に抗して密かに戦力を整え、同盟を離脱したヤンに、ムライ/フィッシャー/パトリチェフのヤン艦隊の幕僚と、整えた戦艦/その「譲渡契約書」を引き渡して、同盟崩壊後の民主革命軍の誕生を助ける。(ヤンのやろうとしていた事が解っていたのだろう)
 ラインハルトの「大親征」に対し決戦を挑み、マル・アデッタ星域会戦にて、ビュコック提督と共に戦死。
 士官学校生からは「パン屋の二代目」と言われている。先の会議でも食べかけていた昼食のパンを会議中に食べているし、比喩にもパンを用いている。またクーデターの際にも、おんぼろの紙袋を小脇に抱えた私服姿で、首都を占拠していたクーデター部隊の監視の中を悠然と往来し、軟禁されていたビュコック提督と面会までやってのけている。


フョードル・パトリチェフ:

 ヤン艦隊の次席幕僚。最終階級は少将。
 ヤン艦隊では、叱咤激励役を任されていた。
 ヤンとの出会いは、惑星エコニア捕虜収容所で、参事官(ヤン)と参事官補(パトリチェフ)という関係であった。
 陽気で豪放、活力に満ち、柔軟な思考のできる人物。また、上官と任務に誠実。惑星エコニアでは、ヤンと一緒に捕虜になったり、その柔軟な思考力で、惑星エコニアで起こった事件の説明するにあたり、咄嗟にほらを吹いたりしていた。(ほらを吹いた相手はムライさん・・・)
 作戦会議では、「なるほど」と相槌をして、ヤンの作戦を支持していた。(頷くのがパトリチェフのお仕事でしたね)
 ラインハルトとの2度目の会見に向かうヤンに同行し、地球教徒の襲撃を受けた際は、最期までヤンを守っていた。


フレデリカ・グリーンヒル:

 ヤンの有能な副官。最終階級は少佐。
 ドワイト・グリーンヒル大将の一人娘。
 「バーラトの和約」後に退役し、ヤンと結婚して、フレデリカ・グリーンヒル・ヤン(こういう風に夫の名字を後ろにつけるのは、ドイツ風?)となる。(バーミリオン星域会戦の直前にヤンからプロポーズを受ける。さすがのフレデリカも舞い上がっていたようで「二人の年金を合わせたら・・・」と普段では聞かれないような返事をしている)
 14歳の時に、エル・ファシルにてヤンに出会ってから、一途に思い続け、努力の上に結ばれる。
 その努力の結果が、794年度士官学校を次席で卒業、グリーンヒル大将閣下直々の推薦でヤンの副官となり(グリーンヒルお父様も、フレデリカの想いが解っていたのかな)、ヤンと結婚するまでに至った。
 気が強く、芯の通った性格で、夫の危機にはためらわずに銃を手に取った。(フレデリカ自身「子供の頃は手が早いことで有名だった」と「軍隊に入ってからは、猫の毛皮を3、4枚着込んでいた」と語っている)
 陥落寸前のエル・ファシルでは、数少ない民間人の協力者として、ヤン中尉のお手伝いをしていた。(命の恩人!)
 ヤンが地球教徒により殺されてしまってからは、イゼルローン共和政府の首席となり、多分に癖のある面々をまとめ上げた。
 フレデリカはヤンからちゃんと名前で呼ばれていた。(公式の場では、上官/副官としてわきまえていたが)


ユリアン・ミンツ:

 12歳の時「トラバース法」により、ヤンの被保護者となる。
 ヤンからは戦略/戦術を、シェーンコップからは白兵戦技術を、ポプランから空戦技術を学び、それぞれの分野で卓越した才能を見せる。
 戦略/戦術では、ガイエスブルグ要塞の攻撃を看破/フェザーンから脱出した時は帝国の艦を奪取/ヤンの死後は、イゼルローン共和政府の軍事的指導者となる。
 白兵戦では、「ブリュンヒルトの白兵戦」を戦い抜いて、ラインハルトと会見している。(民主主義の芽を残すことに成功する)
 そして、ヤンに「必ず守ってさしあげます」と約束していたが、ラインハルトとの2度目の会見に向かう途中、地球教の襲撃を受けたヤンを助けられなかった。(ボリス・コーネフの情報で、いち早くヤンを追い駆けたが間に合わなかった)
 空戦技術では、初陣にてワルキューレを3機/巡洋艦を1艦完全破壊している。
 スポーツも万能で、ハイネセンで学校に通っていた時は、フライングボールの年間得点王となっている。(イゼルローンでも、催し物の時には引っ張りだこだったようだ)
 また、家事全般も優秀で、掃除/洗濯/料理と何でもこなす。(この点に関しては、上官であるヤンは頼りにならない)特に紅茶は、茶道楽であった父親から、葉の種類や淹れ方を伝授されており絶品である。(紅茶の好きなヤンには、たまらないものだろう)
 後にヤンと同じく歴史家を志すようになり、ヤンの生涯と思想、その時代の事象について克明な記録を後世に残す。(このユリアンを始めとして、アッテンボロー/メックリンガー等が書き残している本を読んでみたい)(こうやって、経歴をみると、ユリアンは、なんでもできる、スーパーマンだったのね。)
 シェーンコップの娘:カリンと恋愛中。(シャルロット・フィリスは?)(ユリアンの数年後の話を読んでみたいです。さぞかし、いいだんなさまになっていることでしょう)
 旗艦は「ユリシーズ」

<銀河帝国>

ウォルフガング・ミッターマイヤー:

 「獅子の泉の七元帥」の首席。
 最も早くからラインハルトに与し、無数の武勲を重ねる。
 迅速で理にかなった用兵は並ぶ者がなく、「疾風ウォフル(ウォルフ・デァ・シュトルム)」の異名をとる。
 また、ロイエンタールと共に「帝国軍の双璧」と謳われる。
 公明正大で柔軟性に富んだ性格で、同僚からも部下からも敬愛される。
 ロイエンタールとは、互いに唯一無二の親友であり、遺児:フェリックスと近侍であったランベルツを養子としている。
 ラインハルトとの間には、主従の枠を超えた信頼関係であり、ロイエンタールの叛乱の後も、その忠誠心には翳りがない。
 愛妻家としても有名で、妻:エヴァンゼリンをこよなく愛している。(「疾風ウォルフ」が、出会いからプロポーズまでに7年も要している)
 旗艦は「人狼(ベイオウルフ)」


ジークフリード・キルヒアイス:

 ラインハルトの分身ともいえる盟友。
 判断力/組織力/行動力などあらゆる面に優れており、ラインハルトの補佐役として、常に行動を共にする。
 幼少の頃にラインハルト/アンネローゼと出会い、その人生に多大な影響を受けている。
 アンネローゼへの思慕を抱き続け、彼女を奪った権力と不公平な社会への怒りをラインハルトと共有する。
 常に控え目で穏やかな性格は、誰からも愛され、ラインハルトの鋭すぎる面をよく補っていた。その控え目さで、ロイエンタールさえもキルヒアイスの才能を見抜けなかった。
 ラインハルトが元帥府を開いてからは、少将から始まりトントン拍子で上級大将まで昇進している。ラインハルトに次ぐNo.2であった。
 ラインハルトがキルヒアイスを特別視している、またNo.2である為、オーベルシュタインが嫉妬(No.2はいらない)し、リップシュタット戦勝記念式典にて初めて銃の所持を制限された。そのことが裏目に出て、暗殺を計っていたアンスバッハからラインハルトを庇い命を落とす。(銃を持っていれば、こんな事にはならなかったのに。キルヒアイスはオーベルシュタインに殺されたようなものだ)
 死後、帝国元帥と大公の称号を贈られ、キルヒアイスの名を記念した帝国勲章が制定される。また「三元帥の城」にも名を残す。墓碑にはラインハルトにより「わが友」とのみ刻まれている。
 ラインハルトの子供「アレク大公」の名前は、絶対にここから頂戴している。(初めて逢った時は「俗っぽい名前だな」と言っていたのに。)
 旗艦は「バルバロッサ」


ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ :

 マリーンドルフ家の一人娘。
 後に、ラインハルトと結婚し、ローエングラム初代皇后:ヒルデガルド・フォン・ローエングラムとなる。
 ラインハルトとの間に一人息子、アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラム(アレク大公)を儲ける。
 リップシュタット戦役に際し、ラインハルト陣営に与する。その際、聡明で優れた政治的センスを認められ、後に秘書官となりラインハルトを補佐する。
 ラインハルトもヒルダを相手に、政治うんぬんの話をしている時は結構楽しそうであった。
 バーミリオン星域会戦では、政略面でラインハルトを助けている。(ハイネセンを占拠し降伏するようにさせた、実行者はミッターマイヤーとロイエンタール)
 ラインハルトの美点/欠点の全てを受け入れる強さを持っている。
 ラインハルトを始めとする帝国の提督達には「フロイライン・マリーンドルフ」と呼ばれていた。結婚してラインハルトからは「カイザーリン」と呼ばれている。(誰も名前で呼んでくれない、名前で呼ぶのはマリーンドルフの家族/アンネローゼくらいである。ラインハルトは、名前に関しては、結構こだわっていたし。ジークより、キルヒアイスのほうがいいとか)


フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト :

 「獅子の泉の七元帥」のひとり。
 「黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)」を率いる猛将。「2時間と限って戦闘を行えば、ロイエンタールやミッターマイヤーでさえ一歩を譲るかも知れない」と評されている。
 一撃強襲を得意とするが、相手にかわされると後が続かない。(アムリッツァでもヤンにかわされた。が、この時は第8艦隊がいた為後は続いた。その後反転してヤン艦隊を攻撃しようとしたが、逆にヤンにやられている)
 短気で熱狂的、口も悪いが邪気がなく、部下からも慕われている。
 口の悪い例が、アムリッツァでの「進め進め、勝利の女神は、お前らに下着をちらつかせているぞ」である。そして彼の家の家訓が「他人を誉める時は大きな声で、悪口を言う時はより大きな声で」だもんな。
 ラインハルトに心酔しており、「ひとたび皇帝の前に出れば、猛虎が猫に変わる」と評されている。
 旗艦は「王虎(ケーニヒス・ティーゲル)」


ラインハルト・フォン・ローエングラム:

 ローエングラム王朝の初代皇帝。「獅子帝」「金髪の有翼獅子」「玉座の革命家」などと呼ばれる。
 門閥貴族からは、「スカートの中の大将」「金髪の孺子(こぞう)」と呼ばれていた。
 幼少の頃、姉アンネローゼをフリードリヒ四世の後宮に奪われたことがきっかけで、ゴールデンバウム王朝の打倒と、社会の変革を志す。権力を握ってからは、旧王朝時代の悪しき制度を一新している。
 軍人として「寵姫の弟」という立場を最大限に利用して、着実に武勲を重ね、わずか21歳で元帥となる。
 国内の大貴族勢力を一掃(リップシュタット戦役)した後、フェザーン自治領と自由惑星同盟をも制圧し、23歳で新銀河帝国ローエングラム王朝を開く。
 戦争の天才で、常勝の名将として、帝国軍兵士の畏敬と忠誠を一身に集める。常に陣頭で指揮を取っている。
 しかし、ラインハルトもヤンに対しては勝てなかった。(直接対戦した、アスターテ星域会戦/バーミリオン星域会戦/回廊の戦いのいずれも。そして直接ではないが、アムリッツァ星域会戦/ランテマリオ星域会戦では苦汁を飲まされている)
 だが、ヤンを高く評価しており、生涯一度きりの会見の時に、「私に仕えないか。帝国元帥の称号をもってしよう」と言っていた。(この時の会見は高度な内容であった・・・実際ヤンが仕えていたら、途中で呆れられちゃいそうだけど)
 旗艦は「ブリュンヒルト」


オスカー・フォン・ロイエンタール

「帝国の双璧」の1人。右目が黒、左目が青の金銀妖瞳[ヘテロクロミア] の貴公子。「ヤンは智に傾斜し、ラインハルトですら勇に偏る」とメックリンガーが評したが、彼はそのどちらにも入らないと言われるほどに智勇のバランスのとれた名将で、攻守いかなる作戦行動においても最高の手腕を見せた。もう一人の「双璧」:ウォルフガング・ミッターマイヤーとは親友同士であり、常に戦場と武勲を共にした。ハイドリッヒ・ラングとアドリアン・ルビンスキーの仕掛けた罠にはまってしまい、止むを得ずラインハルトに叛旗を翻したが「第2次ランテマリオ会戦」でミッターマイヤーらの攻勢に抗しきれずハイネセンへ退却する途上、アルフレット・グリルパルツァーの裏切りに遭い重傷を負う。新領土総督府の執務室でミッターマイヤーの到着を待たず死亡。作中では「有能な野心家」と言うべきキャラクターで、自らの才に相応しい地位を望むが至高の座についてはラインハルトの才幹が自らのそれを上回っていると認識していたようで、あきらめていた節がある。ラインハルトから壮大な野心と現体制に対する全否定を引くと彼になる、と言うとおかしな所が出てくるだろうが、結局のところ「オスカー・フォン・ロイエンタールは、雄材大略とも言うべき偉才であって、大軍の指揮官としても広大な領土の総督としても、宰相としても、その才幹に不足はなかった。ただ、この時代、たったひとつ、彼にふさわしくない地位があったように思われる。それは発足したばかりの新帝国の皇帝という地位である」と後年、ユリアン・ミンツが評したように彼は有能な経営者であって創始者ではなかったのだろう。又、彼は自らを乱世に棲息するものと考えていたようだが本当は守成の人だったのでは、という評もあり、その現実と理想のギャップが彼に凝縮されているとも言えるだろう。私生活における漁色家ぶりなどと合わせて、彼の生い立ちに原因があると考える事も出来る奥の深いキャラクターである。



ここら辺で勘弁して…

黎明編あらすじ

上巻

物語の導入部。アスターテ会戦にてヤンとラインハルトが初めて戦闘を行った。
3方から同盟軍に包囲された帝国軍が、逆に各個撃破を行い、2方までを破って劣勢を覆すも、ヤンの計略によりお互いの尾を飲み込もうとする蛇さながらの消耗線となり、両軍撤退する。

 戦争孤児を軍人が預かるという奇奇怪怪な制度により、ユリアンがヤンのもとにやって来る。

そしてイルゼローン攻略作戦。シェーンコップ率いる薔薇の騎士連隊の活躍により、イルゼローンを乗っ取る。

下巻

イルゼローン攻略に気をよくした同盟上層部が帝国への侵攻作戦を提案、実行する。
しかし、帝国量深くまで進行したところで補給を断たれ、手痛い反撃を受ける。この戦いで、4人のエースのうち、ヒューズ、シェイクリが死亡。ポプランとイワンは生き残る。やっぱりヒューズって名前じゃね…
 同盟軍はアムリッツァまで退き、そこで会戦となる。
ヤンVSラインハルト第2回戦。
ビッテンフェルトの黒色槍騎兵がやられ役としての片鱗を見せつつも、戦は同盟の撤退戦となる。
その後の同盟の人事異動で後のヤン艦隊の陣容がほぼ整う。
そして皇帝フリードリヒ4世急死。時代がラインハルトに向かって動き出す。




2019.02.24 Yahoo!ジオシティーズより移行
http://www.geocities.jp/tohoku_sf/dokushokai/ged1.html
なお、内容は執筆当時を反映し古い情報・元執筆者の偏見に基づいていることがあります by ちゃあしう
最終更新:2019年03月26日 00:20