(細田守監督版のレジュメのなのに細田守監督版の解説がほとんどないのは未見の執筆者が見たくて開いた上映会だからである。申し訳ない。気が向いたら加筆します)
原作
原作は日本SF御三家の一人筒井康隆(他の二人は星新一、小松左京)の「中三コース」の1965年11月号から「高一コース」の1966年5月号に連載されたジュブナイル小説。原作の内容や作品が与えた影響などについて詳しくは当wikiの「時をかける少女」のページをご覧ください。一応補足すると、「筒井康隆の子供向け作品の多くには悪意が込められているが、今作には見つけられない」ということが書かれていますが、悪意とは言わないまでも、『時をかける少女』の皮肉な部分は後述する大林宣彦監督版を見るとわかるのではないかと思います。そしてそれが大林宣彦監督版の魅力であり、細田守監督版との違いなのです。
大林宣彦監督版
『時をかける少女』はこれまで何度も映像化されてきました(Wikipediaによると9回)。そのなかでも、当時は筒井康隆作品の中でもそこまで重要とされていなかった『時をかける少女』の地位を決定的にしたのが1983年の大林宣彦監督版です。大林宣彦監督版の特徴の一つは「時をかける少女」という物語を「過去の幻影に囚われた少女」の物語としたことです。それはある種の呪いであり、それこそがこの物語の切なさなのです。もう一つの特徴はこの映画は主演の原田知世に捧げるために作られたアイドル映画であるということです。この映画の成功により「ときかけ」はアイドル映画の定番とされるようになり、この伝統は細田守監督版にも受け継がれています。
細田守監督版
2006年公開。監督の細田守がフリーになって初めて手掛けた劇場長編作品。脚本奥寺佐渡子。主演仲里依紗。キャッチコピーは「待ってられない 未来がある。」。
原作の設定
時間跳躍(タイムリープ)+身体移動(テレポーテーション)
原作の主人公芳山和子が手に入れた超能力は正確に言うとタイムリープとテレポーテーションを組み合わせたものである。西暦2660年の未来では身体移動能力は刺激剤、時間移動はタイム・バリヤーによって可能になっており、原作における未来人はその2つの効能を盛り込んだ薬の作成に成功したのだ。タイム・バリヤーを使えば、「時間が前進するのと同じ速度で時間を後退する」ことで時を止めることも可能。
催眠術
未来では強力な催眠術が可能になっており、未来人は催眠術によって現代人の記憶を操作した。
未来の法律
未来人は過去の時代の人に未来のことを話してはならない。話した場合は記憶を消去しなければならない。
最終更新:2022年04月15日 03:40