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銀河ヒッチハイク・ガイド

 「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」でGoogle検索をすると、電卓の計算結果として42が表示されることで有名。
 1978年、イギリス・BBCのラジオ4が放送したラジオドラマからスタート。小説版(1979)、テレビ版(1981)、ゲーム版(1984)、DCコミックス版(1993-1996)、映画版(2005)が出された。略称はHHG、HHGG等。


著者紹介

 ダグラス・アダムス。イギリスの作家。1952年生まれ。無神論者。1978年、BBCラジオドラマ「銀河ヒッチハイク・ガイド」の脚本を担当。翌年出版された小説版がベストセラーとなりシリーズ化した。


銀河ヒッチハイク・ガイド シリーズ

  • 銀河ヒッチハイク・ガイド
 「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」で有名
  • 宇宙の果てのレストラン
  • 宇宙クリケット大作戦
  • さようなら、いままで魚をありがとう
  • ほとんど無害
  • 若きゼイフォードの安全第一
 短編


あらすじ

 銀河バイパス建設のため、地球が破壊される。唯一の生き残りであるアーサー・デントは宇宙人の友達フォード・プリーフェクトと、宇宙で一番イカしたガイドブック「銀河ヒッチハイク・ガイド」とともに銀河をヒッチハイクする。旅の先で、アーサーは地球の真実を知ることになる。


登場人物

主要人物

〇アーサー・デント
 ラジオ局で働いていた。バイパス建設のため、持ち家と地球が取り壊された。地球人唯一の生き残りとなる。

〇フォード・プリーフェクト
 ベテルギウス近くの小さな惑星出身。「銀河ヒッチハイク・ガイド」現地調査員。新版作成のため、15年ほど前に地球にやってきた。帰る手段を失い、15年間地球で暮らしていた。

〇ゼイフォード・ビーブルブロックス
 銀河帝国大統領。ベテルギウス星系第五惑星生まれ。二つの頭と三本の腕を持つ。<黄金の心>号のお披露目で、その宇宙船を盗み、逃走。フォードとは旧知の仲で、はとこでもある。神話に出てくる惑星マグラシアを探している。半年前に地球の仮装パーティーに押しかけ、デント、トリリアンとあっていた。

〇トリリアン(トリシア・マクミラン)
 数学と宇宙物理学で学位をとったが他にやることがなくなっていた。仮装パーティーで会ったゼイフォードに誘われ、宇宙をヒッチハイクした。ゼイフォードと共に<黄金の心>号に搭乗し、惑星マグラシアを探す。地球から二匹のハツカネズミを持っていった。

〇マーヴィン
うつ病のロボット。人間そっくりの人格を持つロボットのプロトタイプとして<シリウス・サイバネティクス>社により作られた。

脇役(一部)

〇スラーティバートファースト
 マグラシア人。海岸線の設計を担当している。地球のノルウェーを作り、賞をもらった経歴を持つ。フィヨルドを作るのに凝っている。

〇ディープ・ソート
 自称、宇宙の時空で二番目に優れたコンピュータ。ねずみにより作られた。「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」を七・五かける百万年の時間を経て導き出した。その後、究極の疑問を導きだすため、地球(ぱっとしない名前らしい)という宇宙の時空で最も優れたコンピュータを設計。

〇ベンジー・マウス
 トリリアンが地球から宇宙へ連れて行った二匹の白ねずみのうちの一匹。『究極の問い』を得るために地球を運営していた。

〇フランキー・マウス
 トリリアンが地球から宇宙へ連れて行った二匹の白ねずみのうちの一匹。『究極の問い』を得るために地球を運営していた。


用語まとめ(河出文庫、安原和見訳版からの引用あり)

  • 銀河ヒッチハイク・ガイド
 こぐま座にある大出版社からだされた電子的な辞典のようなもの。若干安いらしい。カバーには大きく読みやすい文字で、DON’T PANIC!(パニクるな!)とかかれている。

  • ギャラクティカ大百科
 宇宙の大百科。作品内では何度もヒッチハイク・ガイドと比べられる。

  • タオル
 あなたがイメージする通りの普通のタオル。様々な使い道があり、清潔感を演出することもできる優れもの。

  • ジャンクス・スピリット
 けっこう強い酒。最高の酒の材料になる。

  • 汎銀河ガラガラドッカン
 クソ強い酒。銀河ヒッチハイク・ガイドによると、この世に存在するうえで最高の酒。(風見潤の訳では、「汎銀河うがい薬ばくだん」となっている)

  • ヴォゴン人
  原子の海から這い上がってすぐ、生物進化が止まった種族。手術により身体的欠損を矯正するなど、生物進化なしで発展してきた。いまでは、銀河帝国の官僚機構に関わっている。種族全体で詩の才能が絶望的。ヴォゴン人が詠む詩は拷問として機能する。

  • ヴォゴン土木建設船団
 ヴォゴン人による土木建設船団。

  • デントラシ人
 料理やカクテルづくりが得意。やくざな食通種族。ヴォゴン人が率いる船団に調理スタッフとして雇用され、時折、ヒッチハイカーを拾うという嫌がらせをヴォゴン人にする。

  • バベル魚
 耳に入れると、勝手に言語翻訳してくれる魚。

  • 銀河帝国
帝国といっても名前だけ。現在、政治権力がどこにあるのかは六人を除き誰も知らない。

  • 大統領(銀河帝国大統領)
権力をもたない。権力から目をそらさせることが目的であるため、計算ずくでちゃらんぽらんをやる人間が選出される。

  • <黄金の心>号
 全長百五十メートル。純白の宇宙船。中心部に隠された小さな黄金の箱には「黄金の心」と呼ばれる装置が入っている。

  • 有限不可能性生成器
 パーティー道具に使われている。

  • 無限不可能性ドライブ
 無限不可能性フィールドを生成する機械が事実上不可能だと発表されたのち、そんな機械が事実上不可能ならば、その不可能性は有限であるはずということで、有限不可能性生成器を用いてつくられた。<黄金の心>号に搭載されている。

  • <シリウス・サイバネティクス>社販売促進部
 革命が起きたら真っ先に銃殺される運命の脳たりんの集団

  • ロボット
 人間の代わりに仕事をさせるためにつくられた機械(ギャラクティカ大百科)。
 いっしょにいて楽しいプラスティックの友達(<シリウス・サイバネティクス>社販売促進部)。

  • マグラシア
 はるか昔、オーダーメイドの惑星建造産業を行っていた惑星。いまでは、存在自体怪しい伝説上の惑星とされている。

  • イルカ
 地球上で二番目に賢い生物。地球上で三番目に賢い生物である地球人と共存していた。地球の最後が迫っていることに気づき、地球がとりこわされる前に地球人と意思疎通を図ろうとしたが失敗。地球が取り壊される前に脱出した。地球人には伝わらなかったが、最後に次の言葉を残していった。さようなら、いままで魚をありがとう(安原和見訳)。(風見潤の訳では、「さようなら、魚をたくさんくれてありがとう」となっている)

  • ねずみ
 地球上で最も賢い生物。頭の切れる超知性汎次元生物。見かけのねずみの姿は、あくまで人間の次元での顕現にすぎない。ディープ・ソートを作成し究極の疑問の答えを得た。その後、究極の疑問とは何なのかを明らかにするため、地球をマグラシアに発注し、運営していた。地球人の研究材料としてふるまうことで、正体を隠していた。

  • 地球
 無害ほとんど無害。(銀河ヒッチハイク・ガイド)
銀河外縁部開発計画により、超空間高速道路の建造のためにヴォゴン土木建設船団により破壊される。その実態は、ねずみによりつくられた宇宙の時空で最も優れたコンピュータ。地球人は基盤をなしている。


簡単なまとめ

冒頭 :導入と『銀河ヒッチハイク・ガイド』の紹介
1~3 :アーサーの家と地球がとりこわされる
4 :ゼイフォード、<黄金の心>号を盗む
5~7 :ヴォゴン人の宇宙船に乗るが、宇宙へ放り出される
8 :銀河ヒッチハイク・ガイド
9 :<黄金の心>号搭乗、無限不可能性ドライブによるワープを体験
10 :無限不可能性ドライブの解説
11~18:<黄金の心>号にて
 11、12:耐不可能性コントロール室にて
  13 :主要人物集合
  14 :惑星マグラシア発見
  15 :「マグラシア」解説
  16 :あの星はマグラシアなのかどうか(フォードとゼイフォードの問答)
 17、18:VS惑星マグラシア
 18後半:はかなき命のマッコウクジラ
19 :マグラシアへ上陸
20~22:探索
23 :イルカ
24~28:地球の真実
29 :ゼイフォードは語る
30 :生き方について(アーサーとスラーティバートファーストの対話)
31冒頭:ヴラハーグ族とガガグヴァンド星人の歴史
31 :ねずみとの対話
32~34:脱出
35 :ダグラス・アダムス先生の次回作にご期待下さい(宇宙の果てのレストランへ)


ほんの少しの解説と感想

ふだんSFを読まない人にも向けて
 最初から最後までコメディ。<黄金の心>号に主人公が拾われたあたりから作品に引き込まれる。時折、ストーリーに一切関連の無い別の物語が出てくるのは、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を思わせる。固有名詞の多さや、無限不可能性ドライブ関連の話で挫折した人も多いかもしれないが、基本読み飛ばしても問題ない。意外とSFってそういうところがある。(SFが好きになると、こういった複雑な論理的説明チックな部分が楽しくなる。)無限不可能性ドライブによるワープは、とてつもなく短い時間にランダムなワープをものすごい回数繰り返すことで成功させるというもの。とてつもない回数の試行があれば、空から魚が降ってきたり(ファフロツキーズ現象)、無限の数のサルが「ハムレット」の台本を仕上げることだって(無限の猿定理)、たまたまワープした空間にいる絶体絶命のヒッチハイカーを乗せたら、みんな知り合いだったということもある。

以下ネタバレあり
 アーサーの家が取り壊される描写から、地球が取り壊される描写につながるのは良い皮肉であり、それが巡り巡ってアーサーが地球の真実を知ることになるという展開はとても秀逸。全体的に宇宙人たちの話であるので、主人公の地球人とうつ病のロボットが周囲から雑に扱われているのも面白い。
 小話の中でもマッコウクジラの話は、なんともいえない可愛さと、それゆえに強調される死の悲しさが良い。そして物語に一切関係ないというのも、やはり良い。



おまけ

  • ダグラス・アダムスの法則

 ダグラス・アダムスの法則は、人間とテクノロジーの関係性を年齢という軸で切り取った、以下の3つのルールから構成されている。
1. 自分が生まれたときに世の中に存在したものは、普通で当たり前のものと感じる。
2. 15歳から35歳までに発明されたものは、新しく刺激的で革命的に感じ、その分野でキャリアを積むこともできる。
3. 35歳以降に発明されたものは、物事の自然の摂理に反したものと感じる。
ニコニコ大百科より引用

 この法則を提唱したダグラス・アダムスは、若くして「銀河ヒッチハイク・ガイド」により大好評を受けた自身の経験を踏まえて編み出したのだろう。


  • タオルの日
 ダグラス・アダムスに関する記念日。毎年5月25日、アダムズのファンはタオルを持ち歩き、著者とその作品に感謝を表明する。2001年5月11日にアダムズが逝去した際、2週間にわたって行われたことから始まった。


  • ゲーム版「銀河ヒッチハイク・ガイド」
 1984年12月発売されたコンピュータ・ゲーム。テキスト・アドベンチャー。2004年に20周年記念としてリニューアル版がBBCのサイトにてオンライン公開。2014年には、30周年記念版が同サイトでオンライン公開されている。日本語版はなく、コマンド入力式。
最終更新:2026年04月14日 02:25