京染紙不正使用まとめ

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京染紙不正使用まとめ - (2022/03/25 (金) 18:37:39) の編集履歴(バックアップ)


 一方、連合国の消極的姿勢の理由はより深刻な物と言えた。フランス軍最高司令官モーリス・ガムラン大将は、その回想録で連合国は1941年以前においてはドイツに攻勢を取れるほど強力ではなかったと述べており、フランスの軍事戦略は基本的に自国領内に敵を一兵たりとも侵入させる事なく、ただただ防衛一辺倒の戦略に尽きるものであった。英国のBEF(イギリス大陸派遣軍=British Expeditionary Force )もその規模は未だ非常に小さなものでしかなく、連合国が他にできる事といえば、オランダ・ベルギーが侵略された場合、これを救援すると同時に共同で防衛線を維持する事ぐらいであった。さらにガムランは前大戦と同様の経済封鎖こそが、できるだけ血を流さずに勝利できる最良の戦略であるという認識に立っていた。
 しかし連合国の消極性姿勢の本当の理由が、ドイツ陸軍首脳部を悩ましていたのと同じく、前大戦の様な一大消耗戦の再現を恐れる余り一種の攻勢恐怖症に陥っていた事に起因する事は否めず、さらにフランスの場合、その前大戦の経験から間違った教訓を引き出していた事が今次大戦に大きな悲劇を招く結果となった。