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1/2 ◆devil5UFgA





家系ラーメン。


日本神奈川県横浜市磯子区・西区発祥とする、豚骨醤油ベースで太いストレート麺を特徴とするラーメンのことだ。
ラーメン店「吉村家」を源流とするが、定義は曖昧であり諸説がある。
横浜ラーメンと呼称されることも多いが、より以前から存在する横浜市中区ルーツのラーメンとは異なる。

「へい、お待ち!」

胸元にポエムを白字で描かれた黒のシャツに、白タオルを頭に巻いた店員はどんぶりを三人の前へと置く。
どんぶりから立つ暖かな湯気と鼻を包む香り、そして、茶褐色のスープに浮く脂身。
触覚・嗅覚・視覚で食欲をそそってくる。
『おぉ……!』と、感嘆の声を上げる三人組。

「単純に美味しそう」
「白シャツでラーメンを食べるのって中々のチャレンジャーだよね」
「オイラ達は作業服みたなもんでやんすからね」

上から順に、
白と黒のツートンカラーで衣装を固めた二十前後の少女と大人のモラトリアム満喫中、宇佐見蓮子
青を貴重とした服に茶色の帽子と赤いマフラー、帽子にゴーグルを掛けたまま夢を追い続ける大きな子供、伝説のモグラ乗り
伝説のモグラ乗りと揃いの衣装を纏い、ただ、マフラーのみ色の異なる緑色のそれを身につけた眼鏡の男、オチタ。
、である。

「割り箸なんだ」
「清潔感あるでやんすね」

その大量生産の箸を、パチリ、と軽快な音を立てて割ってみせる。
ライダーとオチタは、示し合わせたかのように箸をどんぶりの中へと潜り込ませ、ラーメンを啜った。
その二人を見て蓮子は、あっ、と音を漏らし、軽く目を開いて咎めるような言葉を続けた。

「あー、ダメダメ。こういうのはスープから飲むもんなんだって」
「自分が食べたいものを食べるのが一番だよ」
「形から入るタイプでやんすね」

レンゲで掬った自然的な茶褐色のスープを飲む蓮子に対して、二人は笑いながら応える。
蓮子は茶褐色の、極僅かに白く脂を浮くスープこそをトップバッターと捉えた。
湯気を見せながら、口に含んだ時に感じる熱と口内を染め上げるような濃厚の味付け。
対して、ライダーとオチタは一も二もなく、淡黄色の太麺を啜る。
啜り、啜り、啜り、載せられたチャーシューや小松菜を食す。
小松菜で広がった、今までの豚骨醤油味を塗り替える味付けを、レンゲで掬ったスープで流し落とす。
そして、思い出したように太麺を再び啜る、その繰り返しだ。

「あー、身体に悪いもの食べてる感じがサイコーッ……!
 『良薬口に苦し』、すなわち『毒薬口に甘し』ってところかぁ」
「今、毒素がオイラ達の腹の中を駆け巡ってるでやんすね」
「こういう味懐かしいなぁ……」

ライダーは目を細める。
生前・史実におけるのライダーは考古学者的な一面も持っている。
『超古代文明の遺産』そのものとも言える、世界各地に『突然現れる』理解不能の遺跡の探索を続けていたからだ。
門前の小僧ではないが、ライダーも学舎で学んだ経験こそないが、超古代文明の知識に秀でている。
それはとにかく経験から生まれるものだ。
その経験を産み出すために巡った世界各地で、あらゆる食を食い尽くしてきた。
もちろん、高価なものは口に出来なかったが、ドヤ街などの屋台などではよく舌鼓を打っていた。
このラーメンからは、そのドヤ街での屋台の味を思い出させるものがあった。


「いやぁ、最初は『ラメーン』って何かと思ったら、普通に『ラーメン』が出てきて助かったよ」
「えっ」
「えっ」
「えっ」

ライダーがそんな感慨を抱いて呟いた言葉に対して、蓮子とオチタが声を上げる。
二人の驚きの声と、非難めいた視線に対してライダーもまた声を上げる。
そして、恐る恐る、といった様子で言葉を続けた。

「……これ、『ラーメン』だろ?」
「違うでやんす、『ラメーン』でやんす」
「『ラーメン』と『ラメーン』の違いが分からないのは正直どうかと思うわ、ライダー」
「ええ……?」

目の前の物体と、蓮子とオチタの顔を何度も見比べる。
ライダーにとっては、蓮子の家で食べたカップラーメンやインスタントラーメンの上等なものという認識だった。
しかし、蓮子とオチタの言葉は違う。
そもそもとして、別物だと言う。
食べたらというか見ればわかるだろう、と言わんばかりの視線もつけて、だ。

「ライダー君は体育会系のガテン系の、しかも、食事は腹に溜め込めれば良いっていうがさつな男でやんすから。
 オイラや蓮子ちゃんみたいな美食家<グルメ>と違って、この繊細な味の違いが分からないんでやんす」
「可哀想なライダー。化学調味料と疲労で舌が馬鹿になってるのね。
 食は大事よ、この苦しい人生で食は数少ない生への活力なんだから」
「……そ、そう言われると、なんか、なんか」

二人の断言する言葉に押されて、うっすら汗を浮かべる。
恐る恐る、味を確かめるように咀嚼する。

「うん……うん、うん! ラメーン美味しい!ラーメン、美味しい!」

周囲の客に聞こえないように、自分自身に言い聞かせるように、ライダーは呟いた。
満足気に頷く蓮子とオチタ。
ライダーも嬉しそうに顔をほころばせて『ラーメン』、いや、『ラメーン』を啜っていく。

「……あぁ、美味しかったぁ」
「旨いものは人を幸せにするでやんすね」
「単純幸福最大理論ね」
「なにそれ、どんな理論」
「今私が名前だけ考えたから知らない」

そう言いながら三人は店を出て行く。
ありがとうございました、という意味を持っているであろう崩れた言葉を背中に受けた。

「バイトどうしよっかなぁ」
「俺達はマスターに任せるよ」

三人は店の前で談笑を始めた。
蓮子がバイトの件について、独り事のような口振りでライダーとオチタに対して語りかける。
バイト、秋葉原ビールフェアの破格のアルバイト代を掲げたものだ。
その言葉を受けて、ライダーは簡単に応えた。

「ライダーってそればっかり、そういうところあるとさ、モテないんじゃない?」
「そういうのやめろよ! そういう、そういうのは、本当、な! やめろよ!」
「えっ、本当? ライダーってそういうタイプなの?」
「普通でやんすよ、普通。ただ、ちょっと鈍い癖にそういうの気にするだけでやんす」

突然、慌てるように声を荒らげたライダーに、蓮子は怯えるというよりも僅かに引いた。
そして、蓮子は鞄の中からカメラを取り出した。
せっかくの東京巡り、蓮子は事あるごとにカメラで記録を取りたがる癖があった。

「んじゃ、オチタくんよろしくぅ」
「リョーカイでやんす」
「さ、ライダー、撮ろ撮ろっ」

蓮子はオチタくんに安っぽいカメラを渡してみせた。
オチタがカメラを構え、蓮子はライダーの肩をぐっと掴むと自身に引き寄せた。
ライダーも苦笑しながら、しかし、蓮子の肩を抱いてみせる。

「あれ、そういえばライダーとオチタくんって写真に写るの?」
「悪霊や邪神じゃないんだから、写真に収まるし鏡にだって写るよ」

ライダーはなんとなしに応えた。
オチタがカメラを構える。
すると、ふと店内で声が響いた。

「……あれ、おい。これ『ラーメン』じゃなくて『ラメーン』になってるぞ!
 直しとけよ、おい!恥ずかしいったらありゃしねえ!」

その声は店外にいて、シャッター音に重なったために三人には聞こえなかった。





所変わって、あるマンションの一室。
ゆったりとした服で身体のラインを隠す、少女から女性へと変わったばかりと言った風体のマエリベリー・ハーンが存在した。

「近くないかしら、あの二人」

マエリベリー・ハーン、メリーは目をつむり、不満気な声を漏らす。
メリーは『二人』と言ったが、この室内でその言葉が示すと思われる情報は存在しなかった。
本などは綺麗に書棚に片付けられているし、テレビやパソコン、ラジオと言ったものも起動されていない。
ただ、円を描くようにメリーと、書生風の少年と、小柄な黒猫が座っていた。
共通点が中々見つけられない組み合わせの中、共通点といえば、互いが目を瞑っているところだけだろうか。

「アレがサーヴァント? ひどく堂々としてるわね」
『マスター、『ラメーン』と『ラーメン』はそんなに違うのか?』
「あれ、単なるメニュー表のミスプリントよ……オフィシャルホームページだとちゃんと『ラーメン』になってるし」

送られてくる視覚情報を脳内で咀嚼しながら、メリーは黒猫・業斗童子の言葉に応える。
ラーメンを食べていたサーヴァント、蓮子や眼鏡の男は堂々と『ライダー』と呼称していた。

「でも、あの眼鏡の彼は何者? サーヴァントって一人だけでしょう?」
『使い魔と考えるのが妥当か』
「要注意っていう曖昧な判断しか出来ないわけね」

ふぅ、と息をつくとメリーは目をぱちりと開いた。
可愛らしい大きな目は薄紫の瞳が光に照らされ、開いたばかりの目を薄く細めた。
メリーが先ほどまで瞑っていた瞳で見ていたのは、メリーの存在する場所から遠く離れた光景。
メリーのサーヴァント、十四代目葛葉ライドウの使役する悪魔と視覚を共有しているのだ。
ライドウも簡易的な視覚共有の魔術をメリーに教えてみせ、メリーはいとも簡単にその魔術を身につけた。

『しかし、マスターの友人、蓮子だったな、彼女は何を考えてる……?』
「東京観光って想いも強いだろうけど、なんだかんだで本線はジョーカーのことかしらね。
 あの子のことだから、探して見つけ出してやろうと考えてもおかしくないわ」
『危険だな』
「蓮子に危険は付き物よ」

簡単に言い切ってみせるメリーに、ゴウトは目を閉じて小さく息を漏らした。
その瞬間、インターホンが鳴り、ライダーが無言で立ち上がる。

「頼むわ、ライダー」

メリーはライダーの背中に声をかけ、ライダーは小さく頷いた。
そして、ふぅ、と息をこぼして、疲労を取るように肩を動かした。

「しかし、本当に変な感じ……身体まで別の場所に居るみたいだったわ」
『こうも簡単に視覚共有の魔術が使えるということは、マスターは目が良いのだろう』
「普通よ、普通。最近測ってないけど、1.0ぐらいよ」
『そう言った意味ではない、霊視の問題だ。
 『祈願見鬼』……鬼、すなわち霊を見んことを祈り願う、というやつだな。
 会話する方面の術ではなく、知覚する方面の術となる』
「鬼はオーガ……怪物の類でしょう?幽霊とは趣が異なるんじゃないかしら?」
『マスターの言うとおり、この日本では『鬼』とは堕ちた化け物のことを指す。
 しかし、大陸の『鬼』とは姿なく言葉を交わせない、知覚できない『霊』を指すのだ』

そう言った才能を持つものは視覚に付随する魔術に対して高い適正を持つものだ。
ゴウトはそう続けた。
その講釈を続けてるうちに、ライドウが戻ってきた。
手には寿司桶を抱えていた。

「あら、早かったのね」
『少し遅れたが、食事と行くか』

注文していた出前寿司が届いたのだ。
ライダーは寿司桶をテーブルに置き、そのまま食器等を用意し始める。
メリーは待つことが仕事だと言わんばかりに、静かにゴウトと向かい合っている。

『生来のお嬢様気質か』
「人間、それぞれの役割というものがあるもの」

ゴウトもまた動かずに、ライドウもまた不満気な様子は見せない。
ライドウが用意した箸を持ち、また、ライドウが用意した茶を手元に置いて鮨へと箸を伸ばした。

「いい仕事してるわ、このお寿司」
『この寿司、少々小ぶりではないか……?』
「そうかしら? 私には、少しだけだけど、大振りに思えるけれど」

東京のベースは2010年代中期。
メリーの知る東京とも、ゴウトの知る東京とも異なる東京だ。
それは食文化にも現れる。
明治や昭和初期では、寿司は今のそれよりも大振りなものだった。
それから段々と寿司は小ぶりになっていく。
高等していく物価が故に一貫を小さくしたと考えてくれて構わない。

『……むっ。妙なカスゴだな、これは?』
「そう? 普通のカスゴでしょ?」
『カスゴの味とは少し違うぞ、どちらかと言うと……キダイを連想させる』
「そりゃあ、カスゴはキダイの稚魚のことだからでしょ?」
『カスゴはチダイだろう』
「キダイとマダイの稚魚もカスゴって呼ぶらしいわよ」

名称は変化する。
それは学説の変化や風説によるものであったり、単なる勘違いがそのまま知れ渡ってしまった場合であったり、様々だ。

「……それで、マスター」

一貫食べては言葉を交わすメリーとゴウトを眺めるばかりで、これまで口を開かなかったライダーが口を開いた。
メリーは箸を一旦止め、ライダーへと視線を合わせる。
相変わらず、静かな男だった。
浮き沈みの少ない、夜の湖面のような男。
瞳を覗きこめば吸い込まれるような、深さを持った男。

「これから、どうする?」
「様子見ね」
「先ほどの爆発事件、聖杯戦争の動きと見て問題ない。それでも、か?」
「ライダー、様子見というのは何もしないことではないわ。
 何が起きてもすぐに行動できる状態のことを指すのよ」

メリーはライダーの言葉を寿司に舌鼓を打ちながら応える。
先ほどの爆発。
間違いなく、ことが動き出そうとしている。
思えば、ジョーカーの討伐令が始まりだった。
今日が聖杯戦争のある意味でのターニングポイントとなる可能性は高い。
ならば、同じ様子見でも内容は異なってくる。

「爆発がジョーカーの仕業であってもそうでなくとも、何かが起ころうとしている。
 その兆候が現れたのよ?
 今までの『様子見』とこれからの『様子見』では対応の仕方が違うわ」
「では、どうする」
「悪魔を多く放って、多少の負担は構わないわ。
 貴方もまた、すぐに動けるように――――戦える状態に備えておいて」

戦闘を行うつもりはない。
しかし、ここには親友が居る。
ならば、戦うこともあるだろう。
大事なものを守るためならば、それ以外は失くしてしまうこともある。
メリーは、蓮子と結んだ手を覚えている。
結んだ手と手は、交じり合うことはない。
己のものとは異なる温もり。
まるで境界線のような自身の手と蓮子の手の違いを感じながら、ただ、その温もりが心地良かった。
少なくとも、現在のメリーにとっての戦う理由は、それ以外になかった。



【A-1/池袋/1日目 昼・夕方】

【宇佐見蓮子@東方project】
[状態]健康、満腹
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]ガトリング(ライダーの宝具『愚か者の鉄土竜(バトルディッガー)』の武装)
[所持金]普通(学生として暮らせる程度)
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯について知りたい。
1.メリーの捜索を続ける。夜間の捜索は伝説のモグラ乗りに任せる。
2.昼になったら、安全な捜索のために必要な物を買う。煙幕(スモーク花火)が最優先。スクーターも欲しいが、お金がない。
3.明日(2日目)の割の良いバイト(秋葉原ビールフェア)に出るか、考え中。返答は1日目の18時までに必要。
4.ジョーカーについては保留。必要とあらば、図書館で調べる。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 情報の精度については、後続の書き手さんにお任せします。
※蓮子は東京大学に在学しています。
※現在、野球人形を5体完成させました。蓮子のアパートの押入れに保管中。
 それぞれの詳細は、後続の書き手さんにお任せします。

【ライダー:伝説のモグラ乗り@パワプロクンポケット10 バトルディッガー編】
[状態]健康、満腹
[装備]リボルバー拳銃
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:蓮子を支援し、浪漫を探す。
1.夜帯はオチタとともに市街を巡り、メリーを探す。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 情報の精度については、後続の書き手さんにお任せします。


【B-1/文京区・マンション(メリーの部屋)/1日目 昼・夕方】

【マエリベリー・ハーン@東方project】
[状態]健康、睡眠中
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]やや多め(親役NPCからの仕送りが多い)
[思考・状況]
基本行動方針:蓮子と再会して、脱出する。
1.蓮子に会いたい。けれど今は会うべきじゃない。
2.明日は大学に向かう。
3.殺し合いはしたくない(襲われたら応戦はするつもり)
4.ジョーカーについては関与しない。
[備考]
※夢により、ライダーの記憶を知りました。
※聖杯戦争に介入者がいる事を疑っています。しかし、今のところ手掛かりはありません。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。他の情報や精度については、後続の書き手さんにお任せします。

【ライダー(十四代目葛葉ライドウ)@葛葉ライドウシリーズ 】
[状態]健康
[装備]赤口葛葉、コルトライトニング
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:メリーが蓮子と再会できるように護る。
1.モー・ショボーに蓮子のサーヴァントを監視させる。
2.メリーは全力を持って護る。
[備考]
※聖杯戦争に介入者がいる事を疑っています。しかし、今のところ手掛かりはありません。
※蓮子のサーヴァントがキャスター以外である可能性を考えています。確信には更なる情報が必要です。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。他の情報や精度については、後続の書き手さんにお任せします。



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021:学校であった怖い話。 時系列順 023:Fate /occult survivor

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010:シナリオフック 宇佐見蓮子&ライダー(伝説のモグラ乗り 023:Fate /occult survivor
013:Dear your friend マエリベリー・ハーン&ライダー(十四代目葛葉ライドウ

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最終更新:2015年10月25日 00:48