ウミガメのスープ 過去問集 12スレ目
香霖堂での品物
【問題】
やあ、魔理沙、よく来てくれたね。
今日君を呼んだのは、他でもなくてね。
ちょっと、これを見て欲しいんだ。
うん、何か分からないだろう。僕も、目の能力が無ければ何か分からなかっただろうね。
ところで、これにはちょっと面白い事があってね。
それは――
この品物は、「#地球破壊爆弾」と言うらしい。
面白い事というのはね。
この道具、すさまじく物騒な響きがあるのに関わらず、その用途は「ネズミ退治」なんだよ。
名は体を表すと言うが、これはそういう意味では凄くちぐはぐだ。
地球を破壊するのには、この大きさでは到底不可能だろうし、かといってネズミ退治をするようには見えない。
まあ、おそらく爆弾であるというのは、本当なのだろう。
だから、これは「ネズミ退治をする爆弾」なのだろうな。
きっと、これに名前をつけた人間は、よっぽどネズミが嫌いだったに違いない。
地球を破壊できる威力なのだから、ネズミを退治するなど容易い事。そうアピールしたくて、こんな名前を付けたんだろうね。
え、さくっと持って行く?
ダメだよ。これは僕が使いたいのだから。
屋根裏にネズミがいるらしくて、チュウチュウ五月蝿くてかなわないんだ。
しかし、道具は手に入れたものの、使い方が分からない。
そう、そこで君の出番、というわけだ。
爆弾、というからには、近くで別の物が爆発すれば、誘爆するに違いない。
というわけで、君の魔法をこれにぶつけて欲しいんだよ。
え、タダじゃできない? ツケがまだ残っているだろう? ダメだと? このドけちめ。
わかったわかった。ちゃんとネズミが消えたら――そろそろ新作も発売される頃だし、その服を新調してやろう。
――よし、契約成立だ。
とりあえず、爆発に巻き込まれたらたまらないし、一旦外に出て、それから扉の中に魔法を打ち込むとしよう。
……準備はいいな。よし、頼むよ。
プリンセスゆかりんの神隠しローリングソバットチャーミング!!
おや、これは紫さんではないですが。
魔理沙を蹴り飛ばして登場とはまたずいぶん派手ですね。
え、あのネズミ退治が欲しい?
うーん。ちょっと、あれは自分で使いたいのですが――
あ、紫さんが退治してくださるのですか? それはありがたい。
では、僕にはあれは不必要ですので、対価として、どうぞ持っていってください。
え、もうネズミ退治は終わった?
流石は紫さんです。
このように、幻想郷には時として幻想郷はおろか地球をも滅亡させるほどの品物が流れ着くことがある。
それを回収・封印するのが、管理人の役目なのだ。
――本当、大変なのよ? そこを分かって欲しいわぁ
レミリア・スカーレットの屈辱
【問題】
はぁ、とレミリアはため息をつきました。
何故かと言えば……親友である巫女・博麗霊夢が、最近全然かまってくれないからです。
いつも、だるいだの面倒くさいだの言って、お茶を飲んでいるか寝ているかのどちらか。
(霊夢は、私のこと、嫌いになっちゃったのかしら……)
これではいけない、と思うお嬢様でしたが、しかし彼女にはどうすればいいかは分からない。
一度、力ずくでかまってもらおうとしたら、お札でしばかれたからです。アレは痛かった、とは彼女の談。
そこで、レミリアは考えたのでした。分からなかったら人に訊く!!
「咲夜! 咲夜はどこに!!」
「咲夜はここにございます」
呼ばれて飛び出て咲夜さん。
レミリアのかくかくしかじか、という説明を受け、咲夜は瀟洒な笑みを浮かべました。
「では、次の日曜の宴会の時に、目いっぱいおめかしをして、霊夢をどきどきさせてみましょう」
それはいい、とお嬢様は喜んだのでした。
そして、次の日曜。神社での宴会の日。
レミリアは、大笑いされたのでした。
「くすっ……くすくすくすくすっ……あーっはっはっはっはっはっ!!」
レミリアの姿を一目見て。大笑いをしたのは、八雲紫でした。
他の参加者達は、皆レミリアの姿は、悪くない、と思っていたのに……
「八雲紫……貴方、私を侮辱する気? いえ、今日のこの服装は、咲夜が選んでくれた物よ。それを侮辱するのは、なおの事許せないわ」
折りしも満月であったため、今にも弾幕を張りかねない程の怒気を出すレミリアに、境界の妖怪はからからと笑いました。
「ごめんなさい、ごめんなさい。ちょっと、おかしくなってしまったのよ。その理由を話すから、怒らないで頂戴」
そう言って謝ったため、とりあえずは爪を退けたレミリアに、紫は説明しました。
「その姿は、私から見ても凄く可愛いと思うわ。多分、ここにいる皆、そう思っているのは疑いないことね。
でもね。その服のメーカー名、見たかしら? 見て無いでしょうね。知ってたら選ばないでしょうし。
つまり、その服のメーカーは、『#ピンクハウス』と言うのよ。『紅魔館』の主が、そんな服を着るなんて、何の冗談か、って。
本当に、悪気は無いのよ。ごめんなさいね」
謝られたとはいえ、不機嫌は直らないレミリアお嬢様。
すわ、帰ると言い出した彼女を引き止めたのは、想い人である霊夢の一言でした。
「私も、悪くはないとおもうわ。可愛いわよ。レミリア」
お嬢様の機嫌は、一瞬にして-100%から100%に反転したのでした。
そして、その宴会中、レミリアは霊夢にべったりしていたのでした。
レミリアは上機嫌で、霊夢もまんざらではなさそうでした。
ちなみに。
皆の目の前でレミリアに恥をかかせた八雲紫は、レミリアの言うことを一つ聞く、という約束をさせられ、早速その宴会の中で、ドジョウ掬いを踊らされたのでした。
めでたしめでたし。
里への襲撃者
【問題】
里は妖怪の集団に襲撃された。
里は壊滅状態におちいったが、襲撃者達も無事では済まなかった。
襲撃者の正体と、その目的を明らかにしてください。
永遠亭の妖怪兎、因幡てゐは新しい商売を考え付いた。
てゐ「マヨヒガの物を持ってると幸せになれるって話ね。何であいつらこんないい噂が立ってるのに黙っているのかしら。あたしが有効活用してやらなきゃ」
幸せになると評判のマヨヒガの品物を幸運の兎である自分が売れば効果覿面、大評判間違いなし。
そう考えたてゐは「輝夜に褒められる」と永遠亭のイナバ達をそそのかしてマヨヒガになだれ込むと、大量の物品を奪って逃走した。マヨヒガは家財はもちろん、障子や扉、屋根瓦まで持ち去られ惨憺たる有様だった。
当然スキマ妖怪と式が黙っているはずも無く、てゐ達は帰り道でスキマに捕まり、藍の展開した式神に包囲されて奪ったものを取り返され、さらにスキマで閻魔の元へ送り込まれた。
映姫は突然現れた兎たちに少し驚いたが、彼女達が黒とみるや嬉々として説教を始めた…
余談だが、てゐ達を止めに行った鈴仙・優曇華院・イナバもスキマに巻き込まれ、
閻魔に監督不行き届きにより散々説教を受けた。