『剣桃太郎暗殺⁉』
作者・赤戦闘員 影村
408
日本国内の太平洋側沿岸の某所***
人っ子一人いない沿岸を訪れた白河尚純とその一味。
白河「剣桃太郎――奴はこの週末を、近くの離島にある
自分の別荘で過ごすことになっている。自らの手で軽飛行機を
操縦し、今日にも羽田からこちらに向かって飛び立つはずだ」
南「はい」
白河「その飛行は一切の護衛もつかぬ約500キロの一人旅。
それが奴の唯一の息抜きなのだ。奴を殺るにはこのチャンスしかない!
内閣総理大臣・剣桃太郎は大空の藻屑となって消えるのだ!」
白河たちに同行してきたアズラエルが、無線でどこかへと連絡する。
アズラエル「あー、キミたち?」
オルガ<ああん?>
シャニ<なんだよ、アズラエルのおっさん>
アズラエル「いいですか? 手筈は解っていますね」
南「先ほど説明したとおりだ。ターゲットは
まもなくこの海上沖をセスナで通過する。
くれぐれもしくじるなよ」
シャニ<そのセスナ機を叩き落せばいいんだろ?>
クロト<かったりーなぁー!>
双眼鏡で海の向こう側を確認する南雅彦。
南「来ました。間違いなくあれは剣総理の乗ったセスナです」
アズラエル「ふふ…じゃあ始めちゃってください」
アズラエルの合図で、それまで近くのどこかに待機していた
3機のGは獲物――剣桃太郎の乗ったセスナに向かって
一気に襲い掛かった!
桃太郎「……!! あれは?」
レイダーが機関砲、フォビドゥンがエクツァーンを放ち、
カラミティは全ての砲を乱れ撃ちしてセスナを狙う。
もはやその攻撃から一介の軽飛行機が逃れる術は当然なかった。
一瞬にして木っ端微塵に爆発するセスナ機の様子を見ていた
白河尚純と南雅彦は勝利を確信してほくそ笑んだ。
南「やりました。剣桃太郎は死んだのです」
白河「私の時代だ。私の時代の幕が切って落とされたのだ!」
409
それから3日後……
東京・江田島平八邸***
セスナ墜落事故から三日!!
いまだ総理発見されず…
もはや絶望視される中で、深まる墜落原因の謎…
江田島「ぬううっ……!!」
このような見出しが一面に躍っている新聞を読みながら、
江田島平八は激しい怒りに打ち震えていた。
江田島「何をしとるのだ捜索隊は――っ!?
気合いをいれんか気合いを――っ!!」
富樫「全力を尽くしております」
江田島「死んではおらん。奴は必ずどこかで生きている。
死んではならん男なのだ! 剣桃太郎――奴こそは
この日本に必要な男なのだ!!」
富樫「三輪長官と白河代議士の一派の方はいかが致します?
今回の事故、
ロゴスの意を受けた奴らの仕業なのは明白です」
江田島「潰せ……!! 男塾OBの全戦闘力を
もってして叩き潰すのだ!!」
江田島は鬼のような形相をして怒声を放った。
富樫「そのお言葉をお待ちしていました」
そう言うと富樫は、懐から塾生時代の古びた学生帽を取り出して、
自らの頭に被って見せた。
富樫「男塾の斬り込み隊長――富樫源次。
久しぶりに大暴れして見せましょう!!」
410
白河尚純邸***
剣桃太郎暗殺成功!?の報を受けて、
大喜びの地球連邦軍極東支部長官・三輪防人。
三輪「ワッハハハ!! でかしたぞ白河先生!
これでティターンズは名実共にこの日本を掌握できる!
春じゃ――っ! わが世の春じゃぞ――っ!!」
白河「まだ浮かれるには早すぎます三輪長官。
これからが本当の戦いなのです」
三輪「……???」
南「剣総理の後ろ盾にはあの江田島という怪物が控えております。
自慢の教え子を殺された奴の怒りは凄まじいはず。
おそらく全戦闘力を結集し報復行動に出るでしょう」
白河「それに勝たねば我等の真の勝利とは言えません」
三輪「……な、なにっ!? ちょっと待て!
奴らの力を侮ってはいかん!」
急に顔面蒼白になる三輪防人。
白河「どうかしましたか三輪長官」
南「まさかこの期に及んで怖気づいたとでも?」
三輪「あの江田島が男塾を創設したとき、奴はここの卒業生たちが
将来日本の舵を取るだろうと抜かしおった。その時はケンカに明け暮れる
不良どもに何が日本の舵だと笑ったものだ」
白河「………」
三輪「しかし奴の言葉は現実となった…!
今やあの剣桃太郎を筆頭に、男塾出身の者たちは
この日本のありとあらゆる分野でリーダーシップをとる
存在となっておる!」
南「だから何だと言うのです?」
三輪「奴らをこれ以上怒らせることはあまりにも危険だと言っておるのだ!
奴らがその力を一つにした時、それは日本という国そのものを
敵に回すことになるのだぞ!!」
白河「フハハハハ……三輪長官、貴方らしくもありませんね。
ご安心なさい。奴らは既に前世紀の遺物です。
時代は常に前へと動いているのですよ。まあご覧になっていなさい」
411
ほぼ同時刻――。
米国・ワシントンD.C. ホワイトハウス***
アメリカ合衆国大統領官邸の執務室に一人の日本人らしき男が
通された。胸にはFBI捜査官のバッチが光っている。
滝「………」
男の名は滝和也。かつて対ショッカー専門の腕利き捜査官として
日本を始め海外で活動していたが、その後世界の裏側を知り過ぎたため、
ちょうどFBIの本国以外での捜査権限縮小の時期とも重なり
しばらく閑職へと追いやられていた。
その自分が今頃になって、なぜ大統領直々にお呼びがかかったのだろうか…?
滝は訝しげに思っていた。
マイケル「お待たせしたね、滝捜査官。
どうぞ掛けて楽にしてくれたまえ」
マイケル・ウィルソン――
アメリカ合衆国第47代大統領である。
大統領に言われるままに応接用のソファーに腰を掛ける滝。
滝「大統領閣下ともあろう御方が、FBIの窓際にいったい何の御用で?」
マイケル「君には至急日本へ向かってもらいたい。
Masked Ridersと連絡を取ってもらう必要がある」
滝「――!!」
412
●オルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラス→
アズラエルに命じられ、MSを駆って剣桃太郎を襲撃。
●ムルタ・アズラエル→ブーステッドマン3人組に
剣桃太郎襲撃を命令し実行させる。
●白河尚純、南雅彦→アズラエルから生体CPUを借り、
剣桃太郎を襲撃する。
●三輪防人→剣桃太郎暗殺成功?の報を聞いて大喜び。
○剣桃太郎→自家用のセスナ機で別荘へと向かっていたところを、
刺客に襲撃され、自分が乗り込み操縦していたセスナが大破し、
自らも行方不明の状態に……。
○江田島平八→烈火の如く怒り、白河一派を叩き潰すべく
富樫源次に命じて男塾OBに総動員をかける。
○マイケル・ウィルソン→滝和也に日本行きを命じる。
○滝和也→大統領から日本行きを命じられる。
【今回の新規登場】
●オルガ・サブナック少尉(機動戦士ガンダムSEED)
GAT-X131カラミティガンダムのパイロット。ブーステッドマンであり
強化の度合いはStage2。普段はジュブナイル小説など読書を嗜む
物静かな青年だが、戦闘では敵味方の区別なく快楽的に破壊を行う。
●クロト・ブエル少尉(機動戦士ガンダムSEED)
GAT-X370レイダーガンダムのパイロット。強化の度合いはStage3。
口数が多く喧嘩っ早い。戦闘になると凶暴さを発揮し、
「滅殺!」、「撃滅!」等の物騒な単語を叫びながら
破砕球「ミョルニル」を振り回す戦い方が目立つ。
●シャニ・アンドラス少尉(機動戦士ガンダムSEED)
GAT-X252フォビドゥンガンダムのパイロット。強化の度合いはStage4。
精神の破綻振りは3人の中でも際立っており、最も嗜虐的な戦いを好む。
趣味は音楽鑑賞で特にデスメタルなどネガティブなものを好む。
アイマスクをして音楽を聴きながら寝ていることも多い。
○滝和也(仮面ライダー)
FBI特命捜査官。ショッカーの行動を専門に追い、
ショッカー組織の壊滅が主な任務。オートレーサーとしても
活躍しており、本郷猛とは良きライバル関係でもある。
少年仮面ライダー隊を立ち上げた際には、初代隊長に就任した。
最終更新:2020年11月08日 15:59