『正義の旗の下に その名はブレイバーズ』-5
作者・ティアラロイド
831
イカロス基地・周辺宙域***
カチーナ「おいっ、残りの雑魚はこっちで引き受ける。
敵の指揮官機はそっちに任せたぜ!」
レイ「了解した」
カチーナ機とラッセル機のゲシュペンスト、それにルナマリアのインパルスが
六連たちを引き付けている間、シンのデスティニーとレイのレジェンドの2体は、
敵部隊の指揮官機と思しき真紅の人型兵器―夜天光に挑みかかる。
北辰「…フッ」
敵の指揮官・北辰の駆る夜天光はその肩部のノズルを生かした不規則な動き―傀儡舞を行って
シンたちを翻弄するが、シンのデスティニーも光の翼を展開し、残像を残しながら突撃。
大剣「アロンダイト」で攻撃するが、夜天光に白羽取りで受け止められてしまう。
シン「――チィッ!!」
ビームライフルとミサイルランチャーを打ち合う両機。
そこへレジェンドがデスティニーを援護し夜天光をすかさず攻撃。
しかし夜天光も反撃し、レジェンドに高速で接近し、錫杖による乱打を浴びせる。
レイ「くっ…!!」
シン「――レイ!?」
+
゚・*:.。. 。.゚:
:. ゚・ *.
゚ .。
゚・ *:.。. * ゚
+゚
。 .:゚* +
゚
゚ /ヾー、
r!: : `、ヽ
l:l::..: :.|i: 〉
ヾ;::::..:lシ′
`ー┘
レイのピンチにSEED能力が覚醒した状態のシンは、
驚くべき能力と瞬間判断力を発揮して、夜天光のミサイルを弾き返し、
錫杖も大剣で叩き折る。さらに左右の掌底部に内蔵された小型ビーム砲――
――パルマフィオキーナをお見舞いする!
大きなダメージを受ける夜天光。
北辰「……そろそろ潮時か」
シン「なにっ!?」
北辰「そのザフトの機体、覚えておこう。…者共、引け!」
北辰は撤退を指示し、六連の部隊は一斉に戦場から離れていく。
シン「待て! 逃げるのか!」
レイ「シン、深追いは禁物だ!」
シン「…くっ!!」
832
イカロス基地・内部***
デカグリーン「どうやら終わったようだね」
今の今まで北辰衆の暗殺部隊と戦闘を交えていた
デカグリーン&ピンク、戦闘モードに変身しているニャル子とクー子、
そして山乃檸檬らM.I.B.の面々は、急に北辰衆が撤退しだして
一斉に姿を消したことに呆気に取られていた。
ニャル子「結局奴らは何者だったんでしょう?」
檸檬「北辰衆、木連旧軍事政権の残党・火星の後継者に雇われている
殺し屋集団よ」
デカピンク「つまり
ジュピトリアンが黒幕ってこと?
なんでジュピトリアンが
星間評議会特使の妨害を…??」
檸檬「…さあ、それはこれからじっくり調べてみないことにはね」
デカグリーン「ともかく事後処理が大変そうだ。
ウメコ、今夜のデートはしばらくお預けだね」
レ・ガリテ艦隊 王座艦ヴァシュワック***
バラン「これはどういうことか、納得のいくご説明を願おうか!」
タシロ「誠に面目次第もなく」
星間評議会の特別使節団が到着した早々、テロリストが襲撃してきたことについて、
当然ながら怒り心頭の特使側から地球側が詰め寄られる事態となった。
Sメイカー「こちらの予定が漏れていたということですか!?
地球側の警備体制はいったいどうなっているのですか!」
Sヒーラー「そもそも僕らは、地球の政情が安定したからと聞いて
やって来たんだけど? あんなテロリストがまだウヨウヨしている
ようじゃ、こちらも安心して交渉などできませんね!」
火球皇女「およしなさい、二人とも!」
Sヒーラー「しかしプリンセス!」
火球皇女「私たちは話し合いに遥々地球まで参ったのです。
つまらぬ言い争いにきたのではありません!」
アルマナ「バランも、ここは矛を収めてください」
バラン「…ハッ、姫様がそう仰せられるのであれば」
アルマナと火球皇女の取り成しで、なんとかこの場は丸く収まる。
タシロ「この度の事態の全責任は小官にあります」
アルマナ「タツミ提督、どうかこれ以上はお気になされませぬよう。
この程度で事が拗れるのは、決して我々も本意ではありません」
火球皇女「しかしアルマナ様、こうなった以上、
一刻も早く地球に赴き、地球連邦政府との本格交渉を急がねばなりません」
アルマナ「…そうですね。ラフィンティ女王、
恐れ入りますが、このまま地球へ急行していただけますか?」
ラン「承知しました。直ちにレガリテ全艦隊は地球へと向かいます!」
833
某宙域 木星帝国旗艦サウザンスジュピター***
ジュピトリス級の発展型資源採取艦にして、
木星勢力ジュピトリアン宇宙艦隊の総本山とも言うべき
サウザンスジュピターである。
草壁「以上が、帰還した北辰衆よりの報告であります」
光のカリスト「ご苦労…」
草壁から報告を受けている、顔の肌の色が半分ずつ違うように見える
この不気味な外見の男の名は"光のカリスト"。
前の大戦ではクラックス・ドゥガチの後継者=新総統として
木星帝国軍を率いていた人物である。
こうして初代総統ドゥガチと共に現世に黄泉還った今は、
総統代行としてドゥガチと役割分担をしつつ、
ジュピトリアンの軍事勢力に君臨しているのだ。
光のカリスト「威力偵察としては成果は充分だ。
これで地球と太陽系外との間に合同組織を立ち上げよう
という企てにも楔を打ち込めるだろう」
ハザード「それには私共の協力があったからこそであると
いうことをお忘れなく」
光のカリストにゴマをするように言い寄る、
三白眼と角張った顔、狡そうな表情に低身長なこの醜男。
前の大戦では地球を攻撃してきたザ・ブーム軍のアネックス皇帝に内通し、
失脚した元火星総督であるハザード・パシャである。
光のカリスト「わかっている。貴公の背後にいる宇宙連合の急進派にも
よしなに伝えてもらおう」
シロッコ「しかし今回の北辰衆の人員のクローン量産、
火星の後継者の人型機動兵器の強化といい、単純に
宇宙連合だけからもたらされたものではあるまい?」
ハザード「なんのことですかな?」
シロッコ「この度の宇宙連合側からの我々ジュピトリアンに対する
技術供与、どうも与えられた技術体系には地球人の技術者の匂いがする」
ハザード「………」
シロッコ「聞けば宇宙連合には、風見という名の日本人科学者が
亡命して身を寄せているそうだな?」
ハザード「…フフッ、さすがはシロッコ大尉殿。お耳が早い(…チッ、余計なことを!)」
光のカリスト「まあ細かいことはよかろうシロッコ大尉。
まずは今後、地球の者たちがどう出るか、我らはお手並み拝見といこうではないか」
ポイントゼロ・無幻城 秘密警察長官執務室***
アポロガイスト「そうか、やはりジュピトリアンが動いたか」
GP隊員「ジーッ!」
額部分にGPと書かれたヘルメットを装着したGOD戦闘工作員=
秘密警察要員より
イカロス基地での事の顛末の報告を聞くアポロガイスト。
アポロガイスト「さて、では次は我々Gショッカーが、
遥々外宇宙の彼方よりいらした星間評議会の特使殿を
手荒く歓迎して差し上げる番かな」
シスタージル「その役目、アタシに任せてもらえないかしら?」
現れたのは豹のような目つきに、両手指の鋭い爪を研ぎ澄まし、
胸が豊満な魔性の美女――パンサークロー"豹の爪"最高幹部・
シスタージルだった。
アポロガイスト「これはこれは、
闇女王同盟の新総取締役殿が
わざわざ秘密警察の小汚いオフィスまでお出ましとはな」
シスタージル「何やらその星間評議会の使節団とやらは、
我ら闇女王同盟の存在をも嗅ぎ付け、それに対抗する
動きも見せている。闇の世継ぎを生み繋ぐ無幻城後宮を
束ねる者としては、見過ごすわけにはいかないのさ?」
アポロガイスト「十二邪将の了解は得たのか?」
シスタージル「闇女王同盟の後宮総取締役は、
十二邪将に匹敵する地位と権限が認められているはずよ。
いちいちあんなおバカな邪将どもの同意が必要なのかい?」
シスタージルはまるで今までの鬱憤を晴らすかのように
電磁ムチを振るう。
アポロガイスト「フフッ…よかろう。それでは
シスタージル殿の働き、しかと見届けさせてもらおう」
834
○シン・アスカ→SEED能力を発揮して、北辰を撤退に追い込む。
○セーラースターメイカー→地球側の警備不備を詰問する。
○セーラースターヒーラー→地球側の警備不備を詰問する。
○バラン・ドバン→地球側の警備不備を詰問する。
○アルマナ・ティクヴァー→地球へ急行する。
○火球皇女→地球へ急行する。
●草壁春樹→光のカリストに作戦結果を報告する。
●光のカリスト→草壁春樹から報告を受ける。
●パプティマス・シロッコ→宇宙連合から供与された技術体系に
地球人の科学者(=風見博士)が関与していることを見抜く。
●ハザード・パシャ→ジュピトリアンと宇宙連合タカ派の仲介をしている。
●アポロガイスト→部下からイカロス基地での顛末の報告を受ける。
●シスタージル→闇女王同盟の新任の後宮総取締役に就任。アポロガイストに自ら出撃を名乗り出る。
【今回の新規登場】
●光のカリスト(機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人)
前総統クラックス・ドゥガチの後継者として、木星帝国新総統となった青年。
地球圏に大災害を引き起こす神の雷計画を計画・実行しようとした。
姉であるエウロペや、双子の弟である影のカリストとは常時意識の共有がなされる
特殊能力を持つサイキッカーで、木星圏から二人の意識を介して地球圏の状況を見ることが可能。
●ハザード・パシャ(忍者戦士飛影)
地球連邦軍・火星開拓基地の長官。火星における事実上の独裁者で、防衛軍を自分の私兵とし、
それ以外の市民を強制労働させる等、かなり横暴。ザ・ブーム軍とエルシャンクの戦闘を機に、
自分を左遷した地球をザ・ブーム軍の力を利用して征服しようと考えて
ザ・ブーム軍と接触してその協力者となった小悪党。
●シスタージル(キューティーハニー)
空中元素固定装置を狙う悪の組織パンサークローの大幹部。
首領パンサーゾラを姉または母と慕う。自らも電磁ムチを武器として戦い、極めて戦闘能力は高い。
最終更新:2020年11月19日 07:36