『光平、決断の時!』-2
作者・ホウタイ怪人
1712
夕暮れ時の河川敷…。
学校から帰宅途中の光平は、一人で斜面の上に仰向けに寝転がり、
ただボーッと沈みゆく夕日を眺めていた。
光平「………」
そこをたまたま通り掛かったのが、車で洗濯物の配達途中だった
乾巧と園田真理の二人である。
真理「巧、あの子確か…」
巧「あいつは…」
『西洋洗濯舗 菊池』の常連客として光平の顔を覚えていた
巧と真理は、気になり車を停め、光平の側に近寄って言葉を掛ける。
巧「おい、どうした?」
光平「…? あなたは確か…愛想の悪いクリーニング屋さん?」
巧「"愛想の悪い"だけ余計だッ!!」
光平「す、すみません…(汗」
つい余計な一言を口から滑らせてしまった光平だったが、
巧と真理の二人は、親切に自分の落ち込んでいる事情を聴いてくれた…。
元々は亡き父のような外交官を目指して夢を抱いていた事、
そして最近いろいろな事が起こり過ぎて困惑しており、
どうしたらよいものか道に迷っている事などを
光平は巧たちにありのままの心境を吐露したのである。
真理「外交官を目指してるだなんてすごいしゃない♪」
光平「そんな大したことじゃありませんよ…」
巧「…なんだ? 自分の夢に自信が持てないのか?」
真理「コラ巧!!」
光平「いえ、その人の言うとおりですよ…」
巧「どういう事情があるのかは知らないけどな、
夢なんてそんな感じでいいんじゃねえのか?」
光平「えっ…」
巧は光平に、かつて自分は夢を持てなかった事、
そして今は「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに
皆が幸せになりますように」という夢を持つに至った
経緯などを語り、光平にアドバイスするのであった。
それに熱心に耳を傾ける光平。
巧「要するに、あんまり思い詰めるな!ってこった」
光平「ありがとうございます。おかげで気持ちが楽になりました。
ええっと……」
巧「乾巧だ」
真理「私は園田真理よ。改めましてヨロシクね」
光平「俺は牧村光平です」
巧「よく知ってるよ」
光平「え…?」
光平の事を以前から「よく知っている」と答えた乾巧。
その理由について、光平は"その時点"では
詳しく聞く事は出来なかった…。
1713
――深夜。
朝倉家・慎哉の寝室***
慎哉「………うう~ん…光平…俺はお前が
ブレイバーズに入るのは
反対だからなぁ……むにゃむにゃ…zzz」
光平「………」
ベットの上で寝言を言いながら熟睡している慎哉の寝姿を
そっと見守っている光平。一度は寝たと見せかけて、
すっかり寝静まった夜を見計らって密かにベットから起き、
外出着に着替えた彼は、慎哉に最後の別れを言いに来たのだ。
光平「慎哉、今までありがとう」
そっと慎哉との別れを済ませた光平は、
自分の部屋に飾ってある、今は亡き両親の写真を見つめる。
光平「父さん、母さん、それじゃ行ってくる…」
◇ ◇ ◇
玄関から外へと出る光平。しかし――
光平「優香!?」
優香「光平くん…」
光平の目の前には沢渡優香が立っていた。
ただならぬ光平の決意と覚悟を察したのか、
心配で見に来たのだろう。
光平は黙って通り過ぎようとするが、優香がそれを引き留める。
優香「どうしても行くの?」
光平「みんなを守るためにはこうするしかないんだ」
優香「もう少しみんなでを考えましょう!
今はフィリナさんだって日本に来ているんだし
知恵を出し合えば、きっと何かいい方法が!」
光平「ごめん…。優香、今まで楽しかったよ。ありがとう…!」
優香「――!? 待って!!」
光平は一目散に走り出した。
優香も慌ててそれを追いかけるが、駅の近くに来た辺りで
光平の姿を見失ってしまった。
優香「…ひどい…ひどいよ……光平くん」
その場でぐったりと泣き崩れてしまう優香。
しかしそんな彼女に優しく手を差し伸べる誰かの姿が…!
???「大丈夫! 光平くんのことなら任せて♪」
優香「あなたは……」
1714
東京港湾地帯・某廃工場跡地***
乾巧に悩みを打ち明けた事で、気持ちが吹っ切れた牧村光平は、
一人で某所にある廃工場跡に赴き、村上峡児たちを呼び出した。
天王路博史の他に地獄大使まで一緒に来ている。
光平「………」
村上「待っていましたよ。ついに決心をしてくれましたか」
天王路「では一緒に行こうか。偉大なる表裏六柱の至高邪神が
無幻城にて君をお待ちかねだ」
光平を迎え入れようとする村上と天王路だったが、
光平はその差し出された手を振り払った。
天王路「何の真似かね?」
光平「俺はGショッカーの仲間なんかにはならない!
今日はそれをハッキリ伝えたくてここに来た!」
村上「なにっ…!?」
先程までの緩やかな表情を一変させる村上。
村上「どういうつもりです?」
光平「聞こえなかったのか? 俺はお前たちの
仲間になんかならないって言ってるんだ!」
地獄大使「ぐははは!! こいつは傑作だ。
どうするつもりだ村上よ? この小僧は
我々Gショッカーに盾をつくと言ってきておるのだぞ!」
ハッキリとGショッカーへの参加拒絶の意思を表明した光平。
村上「ククククッ…ハハハハハ!!!」
光平「……?」
何を思ったか、静かに笑いだす村上。
村上「この私に恥を掻かせたからには…命はない!!」
次の瞬間、村上は激怒しローズオルフェノクに変身した。
それに呼応して地獄大使もガラガランダ、天王路もケルベロスⅡへと続けて変身。
3体の怪人が一斉に光平の息の根を止めるべく襲いかかって来た。
光平「――翔着(シグ・トランス)!!」
すぐにシグフェルに変身した光平だったが、迎え撃つ暇もなく
ローズオルフェノクに後方へと突き飛ばされた。
シグフェル「うわあああ!!!!!!!」
1715
なんとか体勢を立て直そうとするシグフェルだったが、
間髪入れずにガラガランダの鞭やケルベロスⅡの左腕の爪が
容赦なくシグフェルに傷つけ、まるで反撃の隙がない。
ガラガランダ「温いッ! 温いわァッ!
貴様はこのわしを誰だと思っておる!
かつては仮面ライダー1号2号と死闘を
繰り広げた地獄大使様だぞ!!」
ケルベロスⅡ「シグフェル、確かに君のパワーは凄まじい。
だがいかんせん君にはまだ経験不足が目立つのだよ」
シグフェル「くそぉ…!!」
赤子のように一方的に甚振られ続けるシグフェル。
やがてローズオルフェノクの頭部から噴射された
バラの花弁がシグフェルを襲う。
ローズオルフェノク「フンッ!!」
シグフェル「うわあああ!!!」
さすがの大ダメージに耐えきれず、
ついにシグフェルは変身解除に追い込まれて
元の光平の姿へと戻ってしまった。
光平「くっ…!!」
歴戦の猛者であるGショッカー最高幹部たちの猛攻の前に、
成す術もないまま一方的に弄られ続けてしまった光平。
ローズオルフェノクが倒れている光平の首を片腕で掴んで
じわじわと締め上げる。
光平「…ぐっ!?」
ローズオルフェノク@村上の影「さあ、もう終わりです」
光平「ぐあああああッッ!!!」
段々と意識が遠のいて行く光平。
間違いなく殺される…。
この時、光平は死を覚悟していた。
しかしその時――。
EXCEED CHARGE!!
電子音声と共に突然現れた円錐状の赤い光と共に
放たれた飛び蹴りが、光平の窮地を救ったのである。
ローズオルフェノク@村上の影「お前は…乾巧!」
ファイズ「うちのお得意さんに、これ以上ちょっかい出すのは
やめてもらおうか!」
1716
ローズオルフェノクたちを牽制しつつ、首絞めから解放されて
床に落ち咳き込んでいる光平にそっと肩を掛けて気遣うファイズ。
ファイズ「よっ、大丈夫か?」
光平「その声は…もしかして乾さん!?」
声の主にびっくりする光平。
だが驚きはそれだけでは終わらなかった。
大五郎「この坊主はうちの店にとっても大事なお得意様だ。
同じくちょっかいを出されちゃ困る!」
光平「…だ、大五郎さん!? どうしてこんなところに!
ここは危ないですよ!!」
大五郎「よっ! まあ安心して見てなって!
――デンジスパークッ!!」
光平の通う高校のカフェテリアにも出入りしている
馴染みのパン屋・青梅大五郎。彼もデンジリングを指に嵌めた拳を
前方に突き出すと、電子戦隊デンジマンのデンジブルーへと変身した。
光平「…だ、大五郎さん」
デンジブルー「今まで黙っててすまなかったな」
ファイズ「まだやれるな?」
光平「勿論です!」
光平は再びシグフェルの姿に変身した。
するといきなり照明が照らされて周囲が一気に明るくなり、
なんといつの間にブレイバーズのヒーローたちが集結していて
逆にローズオルフェノクたちを完全に包囲していたのだった。
シグフェル「これは…!?」
ローズオルフェノク「……!?」
ガラガランダ「ぐぬぬぬッ…貴様らいつの間に!?」
チャック(BM)「光平、お前の意思と覚悟のほど、
しっかりと聞かせてもらった!」
シグフェル「チャックさん!?」
セーラームーン「シグフェルは…いいえ、光平くんはもう私たちの
大切な仲間よ! 邪悪なあなた達なんかに手出しはさせない!」
ボウケンレッド「シグフェル、これは本来君が持つべき物だ。
受け取ってほしい」
シグフェル「これは……」
ボウケンレッドから手渡された紅の刃の剣。
それはキングダークと戦った時にシグフェルが握ったプレシャスの剣――
――フレアセイバーだ。再び愛剣をその手にするシグフェル。
その瞬間にじわじわと自分に力が漲って来るのを感じた。
シグフェル「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
フレアセイバーと一体化したシグフェルのパワーは何十倍にも膨れ上がるのだ!
その衝撃に圧倒されてだじろぐローズオルフェノクたち。
シグフェル「まだやるか!? いつでも相手になってやる!」
ケルベロスⅡ「村上君、この場はひとまず…」
ローズオルフェノク「ぬぅぅっ……」
形勢不利を悟ったローズオルフェノクらGショッカー大幹部たちは、
無念ながらもこの場でのシグフェル抹殺を諦め、テレポートで撤退のであった。
1717
優香「光平くん!!」
シグフェル「優香っ!?」
驚いてシグフェルの姿から変身解除に光平の胸に、
優香が泣きじゃくりながら飛び込んで来た。
優香「…バカバカッ!! 光平くんのバカッ!!
もう知らないんだから!!」
涙の止まらない優香を、戸惑いながらも
自分の腕の中で懸命に宥める光平。
光平「ごめん…俺が悪かったよ。心配かけてすまなかった。
…だから泣かないで。でもどうしてここに?」
優香「うさぎちゃんに……セーラームーンに
ここまで連れて来てもらったの」
光平「セーラームーンが?」
光平がセーラームーンの方を見ると、
彼女は何も言わずにただにっこりとほほ笑んでいた。
まるで光平と優香の二人が無事にまた巡り合えた事を
我が事のように喜んでいるかの如く…。
セーラームーン「………」(⌒-⌒)ニコニコ...
咳払いして「お取り込み中、申し訳ないが…」と前置きしながら、
レッドマフラー隊の剣持隊長が一歩前に進み出る。
互いに抱きついていた光平と優香は、顔を真っ赤にして慌てて離れる。
剣持「決心はついたようだな?」
光平「はい。俺はブレイバーズに入ります!
こんな俺ですけど皆さん、どうか宜しくお願いします!」
剣持「ようこそブレイバーズへ!」
周囲を明るい希望に満ちた拍手の音が埋め尽くす。
こうしてシグフェルこと牧村光平は、
正式にブレイバーズの仲間となったのだった。
1718
ソ連・ヘルマジスタン国境付近***
緊張関係の続くソ連(ロシア)とヘルマジスタン両国の間に跨る山岳地帯…。
ここはソ連側の国境警備隊基地――というのは表向きであり、
その実態はソ連科学アカデミーの所管する秘密研究施設である。
ソ連国内各地から集められてきた、数多くの再生者(リザレクター)。
そのほとんどは戦死・殉職した後に「黄泉がえり現象」によって
現世に生還したソ連軍兵士たちである。彼らを分析する事によって
「黄泉がえり現象」の原因を地球上でどの国よりもいち早く解明し、
医療分野への応用は勿論、不死兵士(アンデッドソルジャー)を開発して
軍事面においても世界のトップに躍り出ようとの、モスクワ・クレムリンの
意向が働いていた事は言うまでもない。
しかし、その秘密研究施設は今、炎に包まれていた。
キマイライーバ「グゴゴゴゴッ…!!!」
妖獣キマイライーバの周囲には、無残に食い千切られた
幾つもの兵士たちの死体が血まみれになって、無数に転がっていた。
他にもゴブリンイーバやリザードマンイーバの獰猛な群れが
敷地内のあちこちを我が物顔で闊歩し、周辺に無造作に横たわる死体を
踏みつけにしながら何かを漁っているような、おぞましい光景が蔓延っている。
スネイザ「これでこの基地に潜んでいた再生者(リザレクター)は
全て片づけたわ」
ガーミッド「女神の器の持ち主はこの中にもいなかったか…」
基地を見下ろす丘の上から、ソ連基地を襲撃した
イーバたちの指揮を執る2体の"堕落の烙印を押された神"。
その背後から一人のソ連軍兵士が奇声を上げつつ
機関銃を乱射して踊りかかった!
ソ連軍兵士「うおおおおおお!!!!!!!」
ガーミッド「…ん?」
スネイザ「フン…!」
兵士の放った銃弾は全く効かず、スネイザはまるで蠅でも振り払うかのように
巨大な尾で兵士を後方の壁面へと叩きつけた。
ソ連軍兵士「ぐはっ…!」
衝撃のダメージとショックで骨を砕かれ吐血した兵士だったが、
それでも屈することなく眼前の敵である異形の2体に立ち向かう。
ソ連軍兵士「…おのれ悪魔め! てりゃあああ!!!」
軍用ナイフを抜いて果敢に向かってきた兵士だったが、
その心臓は呆気なくガーミッドの背から生えている
蜘蛛の鋭い脚肢によって貫かれてしまった。
ソ連軍兵士「ギャアアッ―!!」
スネイザとガーミッドの目の前で、兵士はあえなく絶命した。
スネイザ「この男は再生者(リザレクター)ではなかったようね」
ガーミッド「フン…ゴミが」
1719
ガーミッド「もうここでの用は済んだ。引き揚げよう」
ガーミッドとスネイザが引き揚げようとしていたその時、
数十メートルクラスの巨大な岩が隕石のように
無数に彼らめがけて空から降り注いだ。
スネイザ「…?」
スネイザとガーミッドは自分たちの頭上に幾つも時空クレパスを開いて
盾代わりに使い、難なく全ての落石をかわした。
時空クレパスに吸い込まれた岩石は、全てそれぞれ別の場所に
転移して地面に落下した。
ガーミッド「何者だ…?」
京介「お前たちかい? 最近東側の軍事施設を荒らしまわり、
再生者(リザレクター)狩りをしているって連中は?」
スネイザとガーミッドの前には、
白髪でおかっぱ頭の少年が空中に浮かんでいた。
彼の名は兵部京介。ナチュラル(ノーマル)に反抗する
エスパー犯罪組織P.A.N.D.R.Aの首領である。
国際手配中の身ではあるが、ソ連のサルモネラ大統領との
密約によってロシア国籍と外交官特権を取得し、
今は率いる組織の人員共々ソ連政府の保護下にある男だ。
ガーミッド「お前も再生者(リザレクター)ではないようだな?」
スネイザ「なら用はないわ。怪我をしないうちに消えなさい」
京介「誰に向かって口を聞いている? それにそっちに用はなくても
こっちにはあるんだよ!」
京介は、問答無用で周囲にある瓦礫の全てを念動力で動かし、
それらを自在に操ってスネイザとガーミッドを攻撃する。
スネイザとガーミッドの側も京介の攻撃を物ともせず、
掌より光線の衝撃波を繰り出す。
京介「あのイーバとかいう化け物どもも
お前たちの手下か?」
スネイザ「イーバ…?」
ガーミッド「…そうか、お前たち人間は我ら堕神に仕える
使徒をそのように呼んでいるのか」
京介「堕神…?」
京介とスネイザ&ガーミッドの
激しい攻撃の応酬は続く…。
1720
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1721
数分後、戦闘は終息していた…。
辺り一面は爆発によるクレーターと更地だけが残り、
建造物の類は全て跡形もなく消滅していた事は、
つい数分前までここで行われていた戦いの激しさを物語っている。
真木「やりましたね少佐。敵の反応は完全に消えました」
一人残った京介に、側近の真木司郎が駆け寄る。
京介「仕留めた訳じゃない。敵の方から逃げてくれたのさ」
真木「は…?」
京介「…いや、僕に全く興味を示さずにさっさと撤退したと
言った方が正しいか。そうでなければ僕の方がヤバかったかも」
真木「少佐、今なんと…?」
京介「なんでもないよ。これでクレムリンへの義理も果たした。
僕らもこんな場所からはさっさと引き揚げよう」
堕神界の神殿***
宇宙創世の太古の時代、各次元世界の全知全能の創造主にして
魔族のみならず神族や人間を含む全ての母たる「混沌の海」は、
この世に生きとし生ける者全てに、善と悪、光と闇に分かれて
永遠に戦い続ける二元論の宿命を与えた。
それこそが自らが生み出した子供たちに、更なる成長と進化を
もたらすとの意思があったからである。
しかしその定めに対して公然と反旗を翻した神の一族があった。
安らかな安寧と怠惰のみを望んだその神々は、自分たちの肉体に
機械を埋め込むという禁忌まで犯し、「混沌の海」の逆鱗に触れた。
結果、「堕落」の烙印を押されたその神々の一族は、
表の時空世界から追放され、歴史の闇の中へと葬り去られたのである。
そしてここは「堕神界」と呼ばれる世界…。
我々のよく知る次元世界からは完全に隔絶された空間。
紫の空に雲海が無限に広がる中央に、宮殿のような建造物が立っている。
その中の一室では、天空にビジョンが示され、
世界各地で続くブレイバーズとGショッカーの戦い、
ETFやフリーザ軍などのエイリアン混成軍による各惑星への侵攻、
サイバトロン(オートボット)とデストロン(ディセプティコン)の
二つの勢力に別れたトランスフォーマー同士の衝突、
そして魔界同盟の差し向けた魔物の軍勢と人間の王国の軍隊による
熾烈な戦いが次々と映し出されている。
アークシセイザー「未だに我らの存在にも気付かず、争いを続ける愚かな者ども。
消滅の時をただ、静かに待っておればよいものを」
1722
堕神の大審官アークシセイザーは不気味に笑っていた。
そのアークシセイザーから離れた場所に高く掲げられた台座の上に、
壁面にめり込んだようにして目を閉じている少女の姿が確認できる。
リリス「…でも、シグフェルはやがて気付く」
アークシセイザー「我らと同じ堕神の因子を持つ者。そして我らに仇なす者」
目を閉じて口も開かず、一見壁にめり込んだまま
封印でもされているかように眠っているようにも見えるが、
その少女の意識がハッキリしていることは、
テレパシーによる意思の疎通でハッキリしていた。
リリス「早くシグフェルと遊びたいな」
アークシセイザー「シグフェルが覚醒したのも全ては貴女様のため。
もうしばらくお待ちください。リリス様…」
リリスと呼ばれた少女の前に傅くアークシセイザー。
くすくすと笑っているリリスの傍らには、彼女を守るように
巨大な十字槍を構え、全身を甲冑に身を固めた
堕神の大管令アーククルセイダーが仁王立ちのように立っている。
アーククルセイダー「………」
リリス「シグフェルを真っ赤な血で染めてあげる。
あの綺麗な翼をバラバラに引き裂いてあげる。
楽しみだな…」
ばっとローブを翻して立ち上がるアークシセイザー。
アークシセイザー「時は来た。我ら堕神の大いなる復讐の成就は近い!
光も闇も全ては我らの前にひれ伏す事になるのだ」
アークシセイザーの笑い声が木霊する。
実はこの男こそが、何を隠そう一連の戦乱を陰で操る首謀者なのだが、
ブレイバーズもGショッカーも、
まだ誰一人としてこの男の存在すら知らない…。
1723
○乾巧/仮面ライダーファイズ→悩む牧村光平にアドバイスして励ます。
ローズオルフェノクに殺されかけた光平を間一髪で救う。
○園田真理→悩む牧村光平にアドバイスして励ます。
○青梅大五郎/デンジブルー →牧村光平の目の前で変身して正体を明かす。
○チャック・スェーガー →牧村光平の危機に駆けつける。
○セーラームーン→牧村光平とはぐれた沢渡優香を現場まで案内する。光平の危機に駆けつける。
○ボウケンレッド →牧村光平の危機に駆けつける。シグフェルにフレアセイバーを返還。
○剣持保→正式に牧村光平をブレイバーズの仲間として迎え入れる。
●村上峡児/ローズオルフェノク→Gショッカー入りを拒否した牧村光平を抹殺しようとするが、ブレイバーズに阻止される。
●天王路博史/ケルベロスⅡ→Gショッカー入りを拒否した牧村光平を抹殺しようとするが、ブレイバーズに阻止される。
●地獄大使/ガラガランダ→Gショッカー入りを拒否した牧村光平を抹殺しようとするが、ブレイバーズに阻止される。
△兵部京介→ソ連政府からの要請を受け、ソ連とヘルマジスタンの国境付近でスネイザ、ガーミッドと交戦。
△真木司郎→戦闘を終えた兵部京介を出迎えに現れる。
○牧村光平/シグフェル→Gショッカー入りを拒否し、ついにブレイバーズの仲間になる決断をする。
○朝倉慎哉→牧村光平の外出に気づかず、家で熟睡。
○沢渡優香→牧村光平のブレイバーズ加入の決断を側で見届ける。
●ラミアクィーンイーバ・スネイザ→ソ連の秘密研究施設を襲撃して、兵士たちを皆殺しにする。兵部京介と交戦。
●タランチュラロードイーバ・ガーミッド→ソ連の秘密研究施設を襲撃して、兵士たちを皆殺しにする。兵部京介と交戦。
●キマイライーバ→ソ連の秘密研究施設を襲撃。
●アークシセイザー →堕神界の神殿奥部から一連の戦乱を陰で操る。
●アーククルセイダー →堕神界の神殿で堕神王リリスを守っている。
●堕神王リリス→アークシセイザーに一連の戦乱を引き起こす陰謀・工作を一任している。
【今回の新規登場】
△兵部京介少佐(絶対可憐チルドレン/THE UNLIMITED 兵部京介)
エスパー解放を掲げる犯罪組織P.A.N.D.R.Aの首領で、多数の能力を持つ強力なエスパー。
実年齢80歳だが、超能力でテロメアをコントロールし若い肉体を保っている。
第二次大戦中は陸軍特務超能部隊に少年兵として所属していた。
普段は飄々・策士然としているが、その実、大人気なく身勝手な性格。
△真木司郎(絶対可憐チルドレン/THE UNLIMITED 兵部京介)
兵部京介の片腕である合成能力者。犯罪組織P.A.N.D.R.Aの中間管理職的存在。
ボサボサの髪型が特徴。合成能力で体内の炭素を操る。
●堕神王リリス(闘争の系統オリジナル)
堕神の支配者。見た目は少女だが、その正体は不明…。
●アーククルセイダー(闘争の系統オリジナル)
常に堕神王リリスの傍らに控え守護する親衛隊にして、堕神の大管令。
アークシセイザーと同格か、やや上位の地位にあると思われる。
その実力は未だ未知数…。
最終更新:2020年12月03日 08:33