『シグフェル、新たなる戦いの始まり』-3
作者・ホウタイ怪人&ユガミ博士&凱聖クールギン
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その夜、国際平和部隊レッドマフラーの関東基地は、
国籍不明のモビルアーマーに襲われた。
地球連邦軍のニュータイプ機関・ムラサメ研究所が開発した、
強化人間専用モビルアーマー=サイコガンダム。型式番号MRX-009。
かつてティターンズが使用していた機体が
サラジアシークレットサービスに横流しされた物であり、
サラジア船籍のタンカーで密かに運ばれ
日本国内へと持ち込まれたのだ。
SSS8「………」
日本国内某所のサラジアの秘密工作拠点から発進した
サイコガンダムは、モビルアーマー(モビルフォートレス)形態から
モビルスーツ形態に変形し地表に降り立った。
操縦しているのはサラジアシークレットサービスの
SSS(スリーエス)ナンバーのコードネームを持つ
強化人間のエージェントSSS8だ。
剣持「対空砲用意!! 迎撃準備急げ!!」
不意の奇襲攻撃を受けたレッドマフラー隊側は対空砲で応戦するが、
三連装拡散メガ粒子砲やビーム砲内蔵型のマニュピレータなどを用いた
制圧射撃で押して来る。
三郎「ワンセブ~ン!! 来てくれ~!!」
空中を旋回するサブマシンの上から呼び掛ける南三郎少年の声に応え、
天空の彼方から飛行要塞型のワンセブンが飛来。二足歩行型の戦闘ワンセブンへと
変形してサイコガンダムと対峙する。
ワンセブン「………」
SSS8「……!!」
巨体同士の取っ組み合いが始まる。
サイコガンダムに白兵戦用の装備がない以上、
近接格闘戦ではワンセブンが有利だと思われた。
ワンセブン「グッ……!?」
三郎「どうしたんだワンセブン?」
ワンセブンの方が押されている。
実はこのサイコガンダムには、主にガンダムファイトで用いられる
モビルファイター特有のモビルトレースシステムを応用した
操縦装置が追加内蔵されていたのだ。
格闘技にも精通しているSSS8は、徐々にワンセブンを追いつめ、
両腕でワンセブンの首を締めあげようとする。
三郎「ワンセブンが危ない!?」
シグフェル「俺が行く!」
ワンセブンの窮地を察したシグフェルが空高く飛翔し、
サイコガンダムに向かって突進していく。
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シグフェル「食らえ!!」
シグフェルはフレイムアームで、サイコガンダムの巨大な右腕部を斬りつける。
その隙にワンセブンはサイコガンダムの腕を逃れ、体勢を立て直しにかかる。
SSS8「………」
サイコガンダムはシグフェルの姿を視認するや否や、
攻撃の矛先をそちらへと向けて来た!
シグフェル「こいつ…狙いは俺か!?」
サイコガンダムが伸ばして来る手を、
シグフェルは素早い身のこなしでかわしていくが、
業を煮やした敵はメガ粒子砲を辺り構わず撃ちまくる。
基地ごとシグフェルを葬るつもりだ。
シグフェル「マズイッ…このままじゃ!!」
敵の攻撃を回避すると、かえって味方に被害が増える。
思わず立ち止ったシグフェルに、今にも敵のビームが直撃せんとす!
だがしかし――
ワンセブン「グゥゥゥッ…!!」
シグフェル「――ワンセブン!?」
ワンセブンが盾となってシグフェルを庇い、
腹部にメガ粒子砲の直撃を受けたのだ。
三郎「ワンセブン~!?」
ワンセブン「………」
シグフェル「許さん!!――フレアセイバァァーッ!!!!!!」
怒りの込み上げたシグフェルは、愛剣フレアセイバーを抜いて
戦闘力MAXの状態で真上からサイコガンダムを一刀両断にして斬り捨てた。
SSS8「――!?」
振り下ろされた高熱の刃が、鋭い殺気と共に
サイコガンダムの巨体を真っ二つにする。
凄まじい衝撃と轟音と共に、敵の機体は爆発した。
中の操縦者ごと……。
海野「やったぞおお~!!」
村中「さすがシグフェル!!」
地上で応戦していたレッドマフラー隊員たちから
たちまち歓声が沸き起こった。
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周囲が勝利の喜びに湧く中、シグフェルは茫然と立ち尽くしている。
シグフェル「………」
南三郎と剣持がシグフェルの側に駆け寄る。
三郎「やったじゃないか光平さん! さすがすごいよ♪」
シグフェル「………」
三郎「…どうしたんですか? 敵はみんなやっつけたじゃないですか!」
シグフェル「……敵のパイロットは…どうなったんだ…?」
三郎「えっ…?」
シグフェルの言葉に戸惑う三郎。シグフェル=光平は、
生まれて初めて"人を死に至らしめた"事実に恐怖と不安を覚えているのだ。
剣持「"人を殺す"のは初めてか?」
シグフェル「剣持隊長…」
剣持「慣れろとは言わん。それではただの人殺しだからな」
シグフェル「正直に言うと、俺は怖いんです…。
自分が自分でなくなってしまうみたいで…」
ワンセブン「ソレデイインダ…」
シグフェル「ワンセブン?」
大鉄人ワンセブンが頭上から、悩むシグフェルに語りかける。
ワンセブン「武器ヲ持ツ事ノ重サ、敵ヲ傷ツケル時ノ重サ、
ソレヲ忘レタ時、ドンナ戦イも戦イノタメノ戦イデシカ
ナクナッテシマウ…」
シグフェル「俺は決して忘れない。今日の戦いで感じた
武器を持つことの重さ、そして、戦いで流れる人の血の重さを…!」
剣持「その気持ちさえ忘れなければ大丈夫だ!」
決意を強くするシグフェルと、それを笑顔で優しく見守る
南三郎と剣持隊長と大鉄人ワンセブン。
シグフェル=牧村光平は、こうして今日もまた一つ
戦士として成長した。
◇ ◇ ◇
こうしてその後は特に何事もなく、さらに数日が経過した。
今まで暫定的にレッドマフラー隊預かりの身だった牧村光平は、
無事に
ブレイバーズ隊員としての新人研修を修了することになったのだが、
ある日、佐原博士と剣持隊長に呼び出された。
光平「え! 歓迎会…ですか?」
佐原「そうだ。新たな心強い仲間が増えた事を祝って、
ブレイバーズの有志一同が歓迎パーティーを開きたいそうだ」
光平「そんな…俺なんかのために」
剣持「遠慮しなくていい。これはブレイバーズのメンバー同士の
親睦を深める意味もある」
それを聞いた光平は、ほんの少し考え込むが…。
光平「それでは、俺から一つお願いがあるんですが…」
佐原「なんだね? 遠慮なく言ってみたまえ」
光平「実は――」
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千恵「ごめんなさいね。窮屈な思いをさせて…」
優香「いえ、気にしないでください。私たちは平気ですから」
慎哉「でもなんか緊張するよなぁ…」
佐原千恵が運転する車の後部座席には、
沢渡優香と朝倉慎哉が目隠しをさせられた状態で座っている。
突然光平から電話がかかって来て「パーティー向きの装いに着替えて、
家で迎えの車を待て」と言われ、言われた通りにして自宅で待機していたら、
佐原千恵の運転する車が迎えに現れた。
3人の乗る車が向かっているのは、ブレイバーズの秘密基地ブレイバーベースだ。
優香と慎哉が目隠しをしているのは、最重要機密でもあるブレイバーベースの位置を
知ってしまう事によって2人の身に危険が及んだりしないようにとの配慮である。
千恵「着いたわよ。目隠しを外していいわ」
千恵の指示に従い、目隠しを外して車から降りた慎哉と優香の目の前には
驚きの空間が広がっていた。
慎哉「す、すげー! ここが最先端科学の粋を集めたブレイバーズの秘密基地か…」
優香「驚いたわ…」
感嘆する慎哉と優香。そんな2人を立体映像のエルファが丁重に出迎える。
エルファ「朝倉慎哉さんに沢渡優香さんですね?
お待ちしておりました」
優香「あなたは…?」
エルファ「当ブレイバーベースのアシスタントナビゲーターを務めます
ビジョンロイドのエルファと申します。ようこそブレイバーベースへ♪」
慎哉「わぁぁ…恐れ入ったぜ。意思人格と質量を備えた立体ホログラフィが
もうここまで実用化されていたなんて!」
やがて2人は、エルファによってパーティー会場へと案内された。
慎哉「あそこにいるのって…まさか人気アイドルのANGELとTHE HEARTS、
それに最近再結成したばかりのスリーライツじゃないのか?」
優香「剣崎真琴ちゃんに早坂アコさん、大物女優で歌手の野乃七海さんまで
いるわよ! あ、向こうにいるのは民自党の若手ホープと呼ばれている
小早川議員じゃないかしら…」
慎哉「俺たち、もしかして来る場所間違えてないか…(汗」
政財界や芸能界の名だたる大物たちを目の前にして、
慎哉と優香は緊張で固まってしまう。…が、そこに
2人の緊張を解くほぐしてくれる者が現れた。
うさぎ「優香さ~ん! 慎哉く~ん!」
慎哉「あ、アンタ……」
優香「うさぎちゃん!」
月野うさぎたちが手を振って慎哉と優香の前に来てくれたのだ。
知り合いに会えた事でホッとした優香は、うさぎと仲良く抱き合う。
優香「うさぎちゃん、しばらくね♪」
うさぎ「さあ一緒に行こう!」
レイ「光平くんなら向こうの方にいるわよ」
微笑ましく談笑しながら光平のいるところへ向かう優香とうさぎたち。
そこへ慎哉が何か気まずさそうに呼びとめた。
慎哉「あの…月野さん」
うさぎ「え!…なぁに?」
慎哉「この間は…その……ひどい事言って悪かったよ。ごめん…」
うさぎ「ああなんだ、そんなこと」
まこと「誰も今更そんなこと気にしてないよ♪」
慎哉「許してくれるのか?」
亜美「許すも許さないもないわ。私たちはもう友達ですもの」
美奈子「さあ早く行きましょう! 光平くんが待ってるわ」
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光平「優香! 慎哉!」
優香「光平くん!」
光平「遅かったじゃないか。ずっと待ってたんだぞ」
慎哉「待たせてわりぃ。でも驚いたよな。
まるでセレブ界のVIPが集まるパーティーみたいだ。
それでいて誰一人としてお高くとまったような
人はいないんだから」
最初は緊張していた慎哉と優香だが、
他のブレイバーズメンバーたちの屈託のない親しげな態度に
徐々に緊張が解れていったのだった。
だが彼らにとって、もっと驚く事が待ち受けていた。
土橋「やあ光平君!」
光平「土橋さん!」
土橋竜三――現・内閣安全保障室長であり、
光平の亡き父・陽一郎とは昔からの付き合いがある
古株の高級官僚だ。
土橋「慎哉君に優香ちゃんも元気そうだな」
慎哉「ご無沙汰してます」
優香「土橋さんも久しぶりですけど、お元気そうで」
土橋「…まったく、君がシグフェルだと聞いた時は
腰が抜けそうになったぞ!」
光平「すみません…」
土橋の言葉に対して釈明の余地が見つからず、
ばつが悪い思いをする光平たち3人だったが…。
土橋「…ささ、総理、こちらです」
光平「総理…??」
光平たちの目の前に現れたのは、
大抵の日本人なら誰でもテレビのニュース番組や
新聞の一面や政治面などで必ずよく見かける顔だ。
慎哉「…そ、総理大臣!?」
光平「――!?」
桃太郎「牧村光平君というのは君か?」
現内閣総理大臣・剣桃太郎。
今度は慎哉たちが腰を抜かす番であった。
桃太郎「君のお父上には、生前に大変お世話になった」
光平「父をご存知なんですか!?」
桃太郎「私がまだ一年生議員だった頃、
当時の牧村参事官とは共に日本外交のあるべき道
について真剣に熱く語り合ったものだったよ」
光平「父と昔にそんなことが……」
優子「総理、残念ですがそろそろお時間です。
今からでないと予算委員会に間に合いません」
桃太郎「そうか、すまないな。光平君、
いずれ機会があればゆっくり話をしよう」
光平「はい、僕からも是非お願いします!」
土橋「では光平君、すまないが我々はここで失礼するよ」
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残念ながら国会でのスケジュールのため、
剣桃太郎はすぐにパーティーの席から中座したが、
光平は短いながらも貴重な在りし日の父の思い出話を
聞く事が出来て嬉しかった。
今の日本政府の上層部にも、父を認めてくれている人間がいたのだ。
慎哉「それにしても、ブレイバーズの人達って色々な人がいるなあ・・・・」
優香「本当ね」
先程、剣総理を始めとする大物政治家やANGELやTHE HEALTSといった
有名芸能人が、この場にいる事に驚いた2人だが、ブレイバーズにそういった
VIPがいるかと思えば、剣持達レッドマフラー隊の様な軍人やそういった人々とは
無縁そうな民間人も所属しており、実に驚かされる。
優香「ブレイバーズって、ここにいる人達だけなのかしら?」
????「全員、この歓迎会に参加している訳じゃないよ」
光平&慎哉&優香「―!」
光平達は後ろを振り向くと、地球連邦軍の軍服を着用した若い軍人が
立っていた。その軍人こそ、ロンド・ベル隊のエースパイロット、アムロ・レイ
だった。
光平「あなたは確か・・・・!」
慎哉「一年戦争の英雄、アムロ・レイ大尉!」
アムロ「よしてくれ、英雄なんて呼ばれる柄じゃないさ。所で君が
シグフェル・・・・・牧村光平君だね?噂は聞いているよ」
光平「あ・・・ありがとうございます!」
一年戦争を始めとする多くの戦争を戦ってきたアムロ・レイに声を
掛けられ、光平は少しばかり照れ臭くなる。アムロの乗るラー・カイラムは
ジオンの残党を追う任務についているが、その関係で地球に降り、
ブレイバーベースで補給の為、立ち寄った所、光平の歓迎会が行われると
聞いて、出席したのであった。
アムロ「・・・・・今回の件はすまなかった」
光平「えっ?」
アムロ「剣持隊長から聞いているかもしれないが、コルベット准将による
君を無理やりにでも捕獲しようとした事は、同じ連邦軍人として申し訳
ないと思っている。だからすまなかった・・・・」
コルベット准将がシグフェルを捕獲する為に行った事を、アムロは地球連邦の
軍人として謝罪し、頭を下げた。
光平「あ、頭を上げて下さい!今回の事は、もう気にしていません。それに
ブレイバーズに入って、佐原博士達から連邦政府の中には、そういった事を
するタカ派の勢力がいるという事を聞きました。だから、アムロ大尉は気にしないで
下さい」
アムロ「そうか、ありがとう。コルベット准将の様に連邦内部には、極端な地球至上主義を
掲げて、非ナチュラルを排斥しようと動いている勢力がいる。だが、平和を実現するのに
ナチュラルだとか、そうでないとかは関係ない。お互いが心を通じ合ってこそ、平和は実現する。
それを実現する為に、俺達は集まったんだ。これからの戦い、お互い頑張っていこう!」
光平「はい、がんばります!」
佐原博士達から、連邦内部に存在する極端な地球至上主義者達=
ロゴスの事を聞かされた
光平はアムロに頭を上げるように言う。そして、アムロはロゴスの様な勢力にも負けず、平和の
為に戦おうと光平に言うのであった。
アムロ「・・・と、少しばかり説教くさかったかな?
日本に来る事はあまりないが、もし宇宙に行く事が
あれば、また会おう」
光平「はい!」
アムロ「じゃ、俺はあっちに行っているよ。君達もパーティーを楽しんでくれ。
あっちには美味しい料理が出されているらしいから、そこへ行くといい」
慎哉「(・・・・・あの人が伝説のパイロット、アムロ・レイか)」
光平「よし!アムロ大尉の言うとおり、あっちで美味い料理を食べるとするか!
行こう、慎哉、優香」
優香「うん!」
慎哉「よ~し、腹いっぱい食べるとしますか!」
そしてアムロは光平達と別れる。その場から去るアムロの後姿を見ながら
慎哉は思う所はあったが、3人は料理を食べようと、その場から移動する。
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光平「アムロ大尉が言っていたのは、ここだな」
慎哉「うぉ~、すっげー美味そうだね!」
優香「どれから食べたらいいのか、迷っちゃいそうね」
歓迎会で出されている料理がある場所に移動した3人は、実に美味しそうな
料理の品々に、心が奪われそうになる。
鴻上「君がシグフェルこと牧村光平くんだね?」
光平「あなたは・・・・」
慎哉「確か、鴻上ファウンデーションの会長の方・・・・ですよね?」
鴻上「よく存じているね。朝倉慎哉くん。私もここのスポンサーの1人として
出席したんだが、君にはこれをプレゼントしよう!里中くん」
大会社の会長である鴻上の登場に、少しばかり緊張する光平達。鴻上は
控えていた秘書の里中エリカを呼びつけると、里中はラッピングされた箱を
光平に渡す。光平は箱を開けると、中にはケーキがあった。
鴻上「君と私の出会いにハッピーバースディ!!」
光平「あ・・・・ありがとうございます(汗」
鴻上「君の今後の活躍を期待させてもらうよ。では失礼する!」
光平は鴻上の独特のテンションに、少しばかり引いていた。
ケーキを光平に渡して鴻上も里中と共に、その場を後にした。
優香「変わった人ね・・・・」
慎哉「そういえば、うちの学校の校内に鴻上ファウンデーションの
自販機が置いてあるけど、ジュースとか出ないし、何の為にあるんだろう?」
慎哉は海防大付属高校の校内に、鴻上ファウンデーションで製造された
自販機が置いてある事をふと思い出すが、その自販機がバイクに変形できる
という事を彼らは知らない。その後も光平達は歓迎会を楽しむ。
そして光平は、優香と慎哉にも改めて感謝の気持ちを切りだす。
ブレイバーズの仲間入りを果たした今も、光平は決して2人の事を
忘れていた訳ではなかったのだ。
光平「優香、慎哉、今まで本当にありがとう。
俺がここまでやってこれたのも二人のおかげだ」
優香「どうしたの、急に改まって?」
光平「俺にはまだまだ至らない点ばかりだけど、
どうかこれからも俺を支えてほしい」
慎哉「当然だろ♪ たとえお前がイヤだって言っても、
俺の方からお前に地獄の果てまでついてってやるぜ!」
優香「私もよ、光平くん♪」
光平「ありがとう…本当にありがとうッ…!」
こうして牧村光平は、ブレイバーズの正式な一員として
気持ちを新たにするのであった
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サラジア共和国・アルハザード私邸***
秘書N「閣下、エージェントSSS8は、残念ながら…」
アルハザード「殺られたか」
秘書R「シグフェルの恐るべき戦闘能力の前に、
搭乗していたサイコガンダムごと粉砕されたとの事です」
アルハザード「………」
シグフェル抹殺作戦の失敗を聞いたアフマド・アルハザード副大統領は、
険しい表情のまま眉一つ動かそうとしない。
そのまま長い沈黙が流れ…
やがて顔を上げたアルハザードは、小さく嘆息してから二人の秘書に言った。
アルハザード「私は明日から、3日ほど公務を休む。
外部には急病とでも説明しておけ。
予定されていたロリシカ国大使との会談もキャンセルだ」
秘書N「承知いたしました」
アルハザード「しばらく地下室に籠もる。
絶対に誰も近付けるな。私が呼ぶまで、
お前達も決して部屋に入ってはならぬ」
秘書R「心得ましてございます」
アルハザード「…私を夜の闇に包め!」
秘書N・R「ははっ!」
魔道師バルゴグの姿となったアルハザードは、
私邸の秘密の地下室で祭壇に火を焚き、魔法杖をかざす。
杖の先端から放たれた一筋の光は小さな時空の穴を形成し、
バルゴグはそこに手を差し入れると、
時空の向こうの世界から不気味に光り輝く一個の宝石を取り出した。
バルゴグ「フフフ…。闇のルビーよ、
今こそ我に力を与えよ!」
〝闇のルビー″。バルゴグが異世界で手に入れたこのアイテムは、
かつては砂漠の城にある魔王像の両眼にはめ込まれていた物であり、
心悪しき者の力を増幅させる魔力があるという。
バルゴグ「シグフェル…。待っておれ!
遠からずこの私が直々に貴様を葬ってくれよう」
闇のルビーの光に照らされて、
バルゴグの邪悪なパワーがどんどん増大してゆく。
シグフェルとの決戦に備えて力を高めるバルゴグに、
果たしてシグフェルは勝てるのであろうか…?
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○ワンセブン→サイコガンダムの攻撃からシグフェルを守る。あくまで戦闘中での出来事で
相手が敵とはいえ、生まれて初めて人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○南三郎→ワンセブンと共にサイコガンダムに応戦。
○村中隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○海野隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○剣持保→あくまで戦闘中での出来事で相手が敵とはいえ、生まれて初めて
人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○佐原正光→牧村光平に歓迎会が開かれる事を伝える。
○佐原千恵→朝倉慎哉と沢渡優香をブレイバーベースまで車に乗せ案内する。
○月野うさぎ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○水野亜美→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○火野レイ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○木野まこと→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○愛野美奈子→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○土橋竜三→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○木場優子→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○剣桃太郎→牧村光平と初めて会い、光平の亡き父・陽一郎について思い出話を語る。
◯アムロ・レイ→牧村光平の歓迎パーティーに出席し、コルベット准将の所業について
同じ地球連邦軍人として光平に謝罪する。
◯鴻上光生→牧村光平の歓迎パーティーに参加して、光平にケーキをプレゼントする。
◯里中エリカ→鴻上からの指示で、ケーキの入った箱を光平に渡す。
○牧村光平/シグフェル→戦闘中に敵機を中の操縦者ごと破壊してしまい、人生で初めての殺人を経験するが、ワンセブンたちに諭され決意を新たにする。
その後、佐原博士に願い出て、自分の歓迎会に沢渡優香と朝倉慎哉も招待する。
パーティー会場で初めて内閣総理大臣・剣桃太郎と出会う。またアムロ・レイや鴻上光生と出会う。
○朝倉慎哉→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
月野うさぎたちに以前の非礼を謝罪する。
○沢渡優香→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
○エルファ→ブレイバーベースに到着した朝倉慎哉と沢渡優香を案内する。
●エージェントSSS8→シグフェルにサイコガンダムごと撃破され、死亡。
●アフマド・アルハザード→シグフェルとの決戦に備え、闇のルビーの力で自らを強化する。
●秘書N→エージェントSSS8のシグフェル抹殺失敗をアルハザードに報告。
●秘書R→エージェントSSS8のシグフェル抹殺失敗をアルハザードに報告。
【今回の新規登場】
◯里中エリカ(仮面ライダーOOO)
鴻上ファウンデーション会長秘書。自身は辛党だが、普段の仕事は鴻上会長が
作ったケーキの処理役で、よくケーキを食べさせられる。給料さえ出れば、どんな事も
仕事として請け負うが、残業はしない主義。しかし手当てされ出れば行う。後藤が
バースの装着者となった後は、バースのサポート役として後藤と伊達を補佐した。
最終更新:2020年12月03日 08:37