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<Phase2b-01> 「早い話が欠片ほども期待されてないということだ。」 憮然とする6人を前にナタルが言い放った。初仕事、己の目的や贖罪、 そういったものが重なり気合を入れて 望んだ初仕事であったが、<Dominions>に与えられたのは、 第17遊撃隊に任命する、それだけであった。 後は何の情報も回ってこない、簡素・・・というよりは投げやりなものであった。 勝手に戦え、以上終わり。 平たく言えばそういうことだ。 猫の手も借りたいと一応集めてはみたが、やはり猫の手はいらない ということなのだろうか・・・。 だが、繰り返しになってしまうがハタからみると、わけの分からん素人を 得体の知れないMSに押し込んだだけと 見られても仕方ない 傭兵隊には無理なからぬことであった。 いかに彼等が、他の隊の輝かしい経歴を持つMS及びパイロット達を 一瞬にして屠ることができるメンバーであっても、である。 「しかし、ハッキリいって都合の良いことになったものだ。命令通りの動きをする、 などというのはお前等ができるとは思えないし、向いていない。」 戦闘時の自分を思い出して6人はちょっときまり悪げな顔をした。 「勝手に戦えというなら、勝手に戦って大いに戦果をあげてやろうではないか。  お前等にはその力があるのだからな。」 オルガ「勝手にやる方が気が楽でいいぜ。」 クロト「汚名・挽回!」 アウル「熟語じゃなくて、四文字熟語ってんじゃね、それ?」 スティング「いや、突っ込むところはそこじゃねえだろう。」 シャニ「なんでもいいよ。」 ステラ「・・マクマク・・・」 ナタル「ルーシェ。今アンパンを食べるのはよせ(ねだられても     やるのではなかったな。だがルーシェに頼まれると、ついな・・・。)     とにかく今の何も情報が回ってこない状態では流石に作戦も立てられん。     ではとりあえず」 オルガ「とりあえず?」 ナタル「兵法の基本だ。腹が減っては戦はできない。腹ごしらえに行くぞ。」 6馬鹿「サー、イエッサー。」 ナタル「・・・・。いつもそれぐらい息が合っていて、     命令に忠実だとやりやすいのだがな。 オークレー、ザブナック、     お前等は少し残れ。他は着替えて出口に集合だ。」 <Phase2b-02> 「まあ、まず座れ。」 そう二人にうながし、ナタルは少しためらった後、話し始める。 ナタル「我々はもう、独立機動軍という好き勝手ができていた立場ではない。     それは分かるな?」 オルガ「前置きがなげーよ。結局なんなんだ?」 ナタル「すまない。ハッキリ言おう。     軍の正規軍は大なり小なり傭兵を見下している。破壊、略奪、     もしくは強姦が目当ての社会不適合者の集まりだとな。」 スティング「そうか・・・。」 ナタル「実際問題、そういう奴がいることは確かだ。     話を戻そう。合わないのならそれにこしたことはないが、     正規軍と合った場合むこうがチョッカイをかけてくる可能性がある、     その時に絶対に揉めるな。逃げろ。揉めれば、仕事がやりにくくなるし、     最悪全員拘束されてしまう。」 オルガ「チィ・・・」 スティング「・・・やれやれ。面倒なこった。」 ナタル「お前等に話したのは、お前等が各チームのリーダー格だからだ。     私がいない時はお前等が抑えろ。いいな?」 オルガ「・・・何で俺が・・わーったよ。」 スティング「分かった。」 不承不承ではあるが承諾するオルガ、そしてしっかりと頷くスティングを見て ナタルは安堵の息をつく。 それに――特にスティングには教えておきたかった。 彼が選んだ職業に対する一つの見方と現実を。 スティングに限らず、これは6人全員に言えることではあるが、 彼等は途方もなく優秀な戦士である一方で 世間知らずな子供の面も 同時にもちあわせている。 それがナタルには少し危うく見えるのだ。 「すまない。では行くとしようか。ルーシェ達が待っているだろうからな。」
<Phase2b-01> 「早い話が欠片ほども期待されてないということだ。」 憮然とする6人を前にナタルが言い放った。初仕事、己の目的や贖罪、 そういったものが重なり気合を入れて 望んだ初仕事であったが、<Dominions>に与えられたのは、 第17遊撃隊に任命する、それだけであった。 後は何の情報も回ってこない、簡素・・・というよりは投げやりなものであった。 勝手に戦え、以上終わり。 平たく言えばそういうことだ。 猫の手も借りたいと一応集めてはみたが、やはり猫の手はいらない ということなのだろうか・・・。 だが、繰り返しになってしまうがハタからみると、わけの分からん素人を 得体の知れないMSに押し込んだだけと 見られても仕方ない 傭兵隊には無理なからぬことであった。 いかに彼等が、他の隊の輝かしい経歴を持つMS及びパイロット達を 一瞬にして屠ることができるメンバーであっても、である。 「しかし、ハッキリいって都合の良いことになったものだ。命令通りの動きをする、 などというのはお前等ができるとは思えないし、向いていない。」 戦闘時の自分を思い出して6人はちょっときまり悪げな顔をした。 「勝手に戦えというなら、勝手に戦って大いに戦果をあげてやろうではないか。  お前等にはその力があるのだからな。」 オルガ「勝手にやる方が気が楽でいいぜ。」 クロト「汚名・挽回!」 アウル「熟語じゃなくて、四文字熟語ってんじゃね、それ?」 スティング「いや、突っ込むところはそこじゃねえだろう。」 シャニ「なんでもいいよ。」 ステラ「・・マクマク・・・」 ナタル「ルーシェ。今アンパンを食べるのはよせ(ねだられても     やるのではなかったな。だがルーシェに頼まれると、ついな・・・。)     とにかく今の何も情報が回ってこない状態では流石に作戦も立てられん。     ではとりあえず」 オルガ「とりあえず?」 ナタル「兵法の基本だ。腹が減っては戦はできない。腹ごしらえに行くぞ。」 6馬鹿「サー、イエッサー。」 ナタル「・・・・。いつもそれぐらい息が合っていて、     命令に忠実だとやりやすいのだがな。 オークレー、ザブナック、     お前等は少し残れ。他は着替えて出口に集合だ。」 <Phase2b-02> 「まあ、まず座れ。」 そう二人にうながし、ナタルは少しためらった後、話し始める。 ナタル「我々はもう、独立機動軍という好き勝手ができていた立場ではない。     それは分かるな?」 オルガ「前置きがなげーよ。結局なんなんだ?」 ナタル「すまない。ハッキリ言おう。     軍の正規軍は大なり小なり傭兵を見下している。破壊、略奪、     もしくは強姦が目当ての社会不適合者の集まりだとな。」 スティング「そうか・・・。」 ナタル「実際問題、そういう奴がいることは確かだ。     話を戻そう。合わないのならそれにこしたことはないが、     正規軍と合った場合むこうがチョッカイをかけてくる可能性がある、     その時に絶対に揉めるな。逃げろ。揉めれば、仕事がやりにくくなるし、     最悪全員拘束されてしまう。」 オルガ「チィ・・・」 スティング「・・・やれやれ。面倒なこった。」 ナタル「お前等に話したのは、お前等が各チームのリーダー格だからだ。     私がいない時はお前等が抑えろ。いいな?」 オルガ「・・・何で俺が・・わーったよ。」 スティング「分かった。」 不承不承ではあるが承諾するオルガ、そしてしっかりと頷くスティングを見て ナタルは安堵の息をつく。 それに――特にスティングには教えておきたかった。 彼が選んだ職業に対する一つの見方と現実を。 スティングに限らず、これは6人全員に言えることではあるが、 彼等は途方もなく優秀な戦士である一方で 世間知らずな子供の面も 同時にもちあわせている。 それがナタルには少し危うく見えるのだ。 「すまない。では行くとしようか。ルーシェ達が待っているだろうからな。」

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