俺、諸田真は世間でいうニートだ、大学を卒業してから就職できず現在に至る。
大学から延々と住み続けているアパートの一階の1部屋が俺の住処だ、生活費
諸々は親が送ってくれる。
ある
雨の日のこと、俺はやることもなく部屋の中をゴロゴロしていた、何も
やることがない、暇だ。
「コンビにでも行くか…」
玄関に転がっている使い古したサンダルを履き、安物のビニール傘を持って部屋を出た
「結構降ってるな…」
ボソリと呟きながら傘を差して雨の中へと繰り出した。
しばらく歩くと雨の中傘もささずじっとしている人影が見えた、一人の少女がいた、
怨むような目で俺を見つめる少女。
ボロボロの服を着て首には首輪が付けられている、かなり萌え…じゃない、酷い格好だ。
「コスプレか?」そんなことを考えつつ、その少女を横目で見ながら通り過ぎ
ようとした瞬間。
俺は地面に倒れた。
水溜りに顔面から突っ込み「バシャ」という派手な音を立て傘は宙を舞って飛ばされた
そして少しして気付いた、俺は「倒れた」のではない、「倒された」のだと。
少女に足を引っ掛けられ倒された、そしてその少女は俺の左手を掴んでいる
そして俺は引きずられた、この少女に。一瞬何が起こったのかサッパリ分からない。
少女の手を離そうにも離れない、何て力だ。振りほどこうと必死で力を入れる、
だが逆に強烈な力で握り返され手に激痛が走る。
振りほどくことはできない、逃げることもできない、そう感じた俺は別の手段
を思いついた。逃げるより接近した方が助かるのでは?俺は必死に起き上がり
少女に抱きつく。束縛されていない右腕で少女の体を抱きしめそのまま全体重
をかける、不意打ちで少女はバランスを崩し俺と共に勢いよく倒れた。
倒れたと同時に少女の体から力が抜けたのが分かった、俺は少女の掴んでいる
手を振りほどき立ち上がった、「何なんだ一体?」地面に倒れた少女を見る。
動かない、死んだ?いや、息はしてるようだから気絶しているのか。俺に襲い
掛かった少女を見る、まだ幼い顔立ち、小学2年くらいだろうか。ついさっき
俺を襲った少女と同一人物なのか疑わしいぐらいだ。
「このまま放って訳には行かないよな…」
このままにしておく訳にもいかない介抱するため、俺は少女を担いで自宅へと向かった。
自宅に着いてから自分がかなりヤバイ状況にあることに気付いた、正当防衛
とはいえ幼女を気絶させ自宅に連れ込んでいる。冷静に考えればあの場で救急
車と警察を呼べば良かった。その上更にヤバイ状況下にある、俺が連れ込んだ
幼女は今現在
服を着ていない、パンツも履いてない
- いや、一応バスタオルを体に巻いているので全裸ではない、だがこ
の少女を覆っているのは一枚の布のみ、あと外れなかった首輪…。
俺が押し倒した結果、雨で少女の服がかなり濡れてしまったので風邪を引くと
いけないと思って
俺の手で脱がしました
…
……
………
…………
「…やっちまったあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
どう考えても俺が犯罪者じゃねえか!幼女を気絶させて部屋に連れ込み全裸に
しましたって!明日の朝刊には「幼女誘拐犯を逮捕」無職諸田真容疑者(23歳)
と掲載されるのか?ワイドショーの取材で高校のときの同級生とかが出てきて
「いつかやると思ってました」とか言われるのか?塀の中で暮らさにゃならん
のか?よりによって未成年者略取で!。
部屋に連れ込んだのも服脱がせたのも全部この少女のことを思ってやったのに!
…いや、嘘だ、俺は嘘をついている。少女の服を脱がしている時、言い知れぬ
ドキドキ感があった。
この日俺は人として大事なものを失った。
自分がロリコンであることを認識し、かなりブルーになりつつも目の前の全裸の
幼女にドキドキして体の一部がファイト一発な自分に嫌気が指して一時間くらい
が経過した頃。
「う……」
少女が意識を取り戻した。
ああ、この後この子が悲鳴を上げて近所の人が俺の部屋に駆けつけて通報
逮捕なんだろなァ。フフ、俺の人生社会的にここで終わりだぁ。
そんな事を考えながら少女を見つめていると
意識がはっきりしていないであろう少女は上半身を起こし部屋の中を見渡している
自分の置かれた状況を確認しようとしているようだ。
「…貴方…誰?」
「諸田真です…、無職です…、ロリコンです…」
俺は正直に自供した。
「…そうなんだ」
反応が薄い、あまりに正直に答えたので引いているのか?
「…ロリコンさん」
事実だが流石にその呼び方はキツイ
「諸田です…」
「…ここどこ?」
「俺の部屋です、誘拐現場から歩いて3分ほどです」
「…私、捕まったの?」
「はい・・・、俺が捕まえて全裸にしました・・・・」もうすぐ俺も捕まります。
少女はおれの言葉で自分の姿に気付いたらしく、自らの体をまじまじと見つめている。
「…服は?」
「洗濯中です、変なことには使ってませんので・・・・。」
「…殺すの失敗しちゃったんだ」
俺も人生失敗しちゃった、あの時抵抗せずに殺されてりゃ…
「…私、どうなるの?」
ああ、この子は今から俺にあんな事やこんな事されると思ってるんだろうなぁ。
「大丈夫、警察でもどこでも行ってもいいよ…、。電話は玄関の横にあるから…」
「…お外出る」
そう言って少女は立ち上がると
「…これ嫌い」
と言ってバスタオルを取り払った、唖然とする俺。そして少女はその
まま玄関へ・・・・・って!
「ちょっと待てえい!んな格好でどこ行くつもりだ!?」
「…お外」
「服着ろ!服!その格好で警察まで行くつもりか!」
少女の無茶な行動で俺のさっきまでの意気消沈した気分が一気に吹き飛んだ
「…警察行かない」
「じゃあどこ行くつもりなんだ!?」
「…お家」
「どっちにしろ服着なさい」
「…早く帰らないと怒られる」
「いや、この状況なら怒られないから、普通に電話するなり服が乾くまで待ちなさい。」
「…けどお父さんもお母さんもお前は別に服なんか着なくても構わないって」
「んナッ!?」
どういうことだ?服着なくてもいい?どういう家なんだ?頭の中が混乱する
俺は頭の中を整理し少女がどんな生活をしているのか聞いてみた。
「普段どんな生活してるんだ?」
「…いつも地下室に閉じ込められてる、雨の日だけお外にでられる。」
はい、?地下室に幼女?一瞬この子が何を言ってるのか分からなかった。
何ちゅう親だ、今流行の監禁事件か?別の事件に首突っ込んでるのか、俺?
だが俺はふと「ある話」を思い出した。
子供の頃聞いたことがある、学校でいじめられ引きこもりになった少女がいた、
親は世間体を気にして娘を地下室閉じ込めたのだという。そしてそれ以来少女
は普段は地下室から出してもらえず雨の日だけ外に出る。外に出た少女は同年
代の子供を見つけては引きずり回して殺すのだ。その少女の名は「ひき子」さん。
この子がその魑魅魍魎なのか?まさか。だがあのハンパでない力、話の内容と符合する
この子の行動、まさか…?俺は少女に単刀直入に切り出した。
「…お前の名前はひき子か?」
少女は静かにうなずいた
「…ということは俺をひき殺そうとしたのか」
再びうなずく、やはりコイツは妖怪の類か、一気に警戒心が高まる。だが一つ
疑問がある、
ひき子さんが襲うのは同年代の小学生だ、20を超えた俺を何故
襲ったのか?俺は警戒しながら目の前の妖怪に質問した。
「何故俺を襲った?お前が襲うのは同い年の子供じゃないのか。」
俺は妖怪をギッと睨み付ける。何故だ、何の目的で俺を襲った。
「…子供みたいだったから」
「子供?」
「…主に頭が」
絶句・・・・・そりゃぁこんな生活してますが酷すぎです。そうですか、
「見た目は大人!頭脳は子供!」ですか。俺だって
生きているんだ友達なんだ。orz
「ん、ちょっと待て・・・、「主に」ってことは他にもあるのか・・・?」
俺は自ら地雷原に足を踏み入れた。聞きたいという衝動に負けた、分かってる、
止めとけばよかったのは。
「…力も子供みたいだった」
自爆。壮絶な自爆。
ロクに運動もしていない体だ、体力が無いのは自分でも知っている。だが「子
供みたい」はあんまりだ。
「ひでぇ・・・・」俺はボソリと呟いた。
俺は妖怪に勝って生きている。だが今、社会的に殺された。
そして俺の中で何かが変わった。
- そうだ、・・・・・・俺はアダルトチルドレンの虚弱体質なロリコンだ、
人間の尊厳だとか余計なものは何もかも捨てちまおう。
ところで魑魅魍魎の類とはいえ監禁されているのはあまりにも可哀想だ、
そして幼女に餓えている俺もあまりにも可哀想だ、俺はひき子に切り出した。
「家を出て俺の部屋に住まないか?」
「…?」
「地下室に閉じ込められて嫌じゃないのか?」
「…暗いし、怖い、…だから嫌。」
「少なくとも俺は地下室に閉じ込めたりはしない。」
「……………」
「今みたいな子供をひき殺すだけの人生でいいのか?」
「……………」
しばらく沈黙が続いた、聞こえるのは雨の音のみ、5分ぐらい、いやもっと長い
だろうかひき子は静かに首を縦に振った。
「…よし決まりだ、今日から俺と君は家族だ、よろしく。…それと、俺のこと
は
お兄ちゃんと呼んでくれ。」
「…え?」
「家族だからだ。」
「…けど何で「お兄ちゃん」?」
「俺も君の事をひき子と名前で呼ぼうじゃないか」
「…ならお互い名前で呼び合えばいいと思う」
「それじゃ駄目だ!幼い美少女が頬を赤くして上目使いで「お兄ちゃん」と
語りかけるのは家族の定め!人類の定め!宇宙の定めだッ!」
「……何だかよく分からないけど、それなら仕方ないかも。」
「その通り!さあ!語りかけてクレイ!妹よ!」
「……………………………………………………………………お兄ちゃん。」
「ううおっしゃあああああああああああああああああ!」
こうして博愛と融和、人類愛、世界平和を愛する俺はひき子を妹にした。
ボロボロの服で首輪監禁少女萌えなどといった決して邪な考えではない、あま
つさえ監禁されてたからスゴィ性技仕込まれたり人にはとても言えないような
調教受けてるだろうからなんて非人道的反社会的畜生な考えなど微塵も無い。
ただこの少女を救いたい、それだけだ。俺はロリコンだが幼女を襲いはしない。
ただ、ひき子が俺への感情が抑えられなくなって、「お兄ちゃんなら…いいよ…」
とかいったシチュエーションになったり、ひき子が悪さをした場合、「悪い子
にはお仕置きが必要だな」ってシチュエーションになったりするかもしれない、
その時は邪悪な気持ちは持たず愛を持って接しよう。そう、それだけなのだ。
こうして俺と妹の生活は始まった。
最終更新:2011年03月03日 21:10