安価『>>200』

>>197
ハッチバックだからよくねじれるとかぐらいかなあ
あと横から見ると必要以上に寸詰まりな感じでかわいい

>>182
正解だ。よく覚えてたなしかし



ポカポカ陽気の今日この頃。
女体化した兄貴と共に、私達は街へ買い物に出かけました。
兄貴が女体化してからちょうど一週間。
色々と母親や私から女の子のことについて教えてたりしていたので、兄貴用の服やバッグなど、そういったものを買い揃えるのを忘れていました。

休日のとある私鉄。急行電車は街へ向かう人々で混雑している。
私達はつり革につかまり、街に着いてからどこに行くかを話していた。

「ねぇお兄ちゃん、街に着いたらどこに行く?」
「しまむらとかでいいんじゃね?」
「・・・もうちょっといいところ行こうよ・・・」
「しまむらもそんなに悪くないんだぜ?」
今までファッションとかに一切興味のなかった兄貴。
しまむらとかユニクロとかそういうところで済ませそうで怖い。
それが男の時なら別に構わないのだが、今は女性だ。
もう少しお洒落な格好にさせようと、私はやや強引に別の店に連れて行くことにした。

「服買うトコ、ユニクロとかじゃないからね!」
「えぇ、別にユニクロでいいじゃん・・・」
枝毛がたくさんある髪をボリボリと掻く。ついでに大きく口を開け、あくびもする。
やはりまだ女性としての自覚が足りていないようだ。
私は面倒臭がる兄貴の足を思いっきり踏んづける。
「うっ」という声が車内に漏れる。他の人は気付いていないようだ。

「分かった、分かった・・・行けばいいんだろう・・・」
しぶしぶ納得。少し頬を膨らます。
私が、兄貴のを見るついでに自分のも見ておこうと思っていたのは、前日からであった。



「これ買って!あ、これも!」
「おいおい、俺のために来たんじゃねーのかよ・・・」
店に着いてからは終始妹のペース。
兄貴の分はその辺にあるやつを勝手に手に取り、さっさと会計を済ませる。
それが終わると、妹はそそくさと自分の服の品定めをした。
服も手に取り、試着。その繰り返し。服を持たされている兄は、少しむすくれ顔。
これが彼女とか友達とかだったら全然笑顔でいられるのだろうが、勝手気ままな妹ときたものだ。
中々買う服が決まらない妹に対して、次第にイライラが募っていく。

「まだ決まらねぇのかよ?」
「んー、まだかなぁ?」
首を捻りながら、辺りを見回す。どうやらこの店にはめぼしい服がなかったみたいだ。
兄貴は軽くため息をつく。

「やっぱないわ・・・次の店行こう!」

結局妹はかれこれ1時間近く品定めをしていた。
別段ファッションとかそういうことに興味のなかった兄貴にとって、その待ち時間は苦痛でしかなかった。
ぷらぷらと見ていても、妹が自分の姿を見せ欲しいと言って来るので、その度にどうでもいい妹の姿を見る。
「どう?」と言われても、ファッションセンスゼロの兄貴からしてみれば「いいんじゃない?」程度のことしか言えない。
興味無さそうにただ頷くだけ。最後のほうは頷くことすら億劫になっていた。

服を見るだけでこんなにぐったりするもんなんだ、と感じた兄貴。
街に来てから2時間も経っていないのだが、すでにぐったりとしている。
対して妹はルンルン気分。滅多に大きな街には出て来れないので、目一杯楽しんでいるようだ。
妹の買った服を持たされている兄貴。
ここにしよう、あそこにしようとぶん回され、昼前にはもう疲労困憊。
それでも妹はまだ買い足りないようで、次はここね!と大きな声で話す。
兄貴ははいはい、と頷くだけ。もうどうでもよくなってきている。
本来の目的は、兄貴の服を買いに来たはずなのだが、何だかおかしい。
しかも妹の服代を出しているのは兄貴だ。
ぽりぽりと頭を掻きながら、半ば強引に妹に連れまわされていた。



「・・・おっ、これは・・・」
「何々?珍しい車でもあったの?」
信号待ちをしていると、兄貴の目の前を一台の車が通った。
座っていた目も、この時ばかりは一気に開眼される。
「お兄ちゃん、車好きだよね。」
「うん、特に今通ったヤツが一番好きだね。ハッチバックだから、よくねじれるとかぐらいかな?
 あと横から見ると、必要以上に寸詰まりな感じで可愛いんだよ。」
「・・・ごめん、何言ってるのか分からないんダケド・・・」
「あ、あぁ、悪い悪い。」

車のことについて、ついつい熱く語ってしまった兄貴。
次々と出てくる単語に、妹はぽかーんと口を開けて聞いていることしかできなかった。
分かる人にとっては「あるあるwwww」とか言いながら話が続くのだろうが、語り相手は妹だ。
車と言うものを語る前に、男のアツイ趣味を語っても理解されないだろう。
ついそのことを忘れて、兄貴は熱く語ってしまった。

「ちなみに、さっきの車のナンバー『練馬○○○ を ・182』 でしょ?」
「お、正解だ。よく覚えてたなしかし。」
「覚えてる兄貴も兄貴だよwwwwwwww」
二人は顔を合わせて笑う。仏頂面だった兄貴も、一転して大笑いだ。

この微笑ましい姿。兄と妹ではなく、本当の姉と妹という姿が一瞬映った。







タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年08月02日 16:23
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。