11.【問題】
スポーツが苦手で弱気で、女の子みたいな弟と、
そんな弟が心配なあまり、余計なお世話まで焼いてしまう姉。
母親が買い物から帰ると
洗面所で死んでいる弟、その横で泣きじゃくる姉。
何があった?
【解説】
姉は、弟が泳げない事を心配していました。
弱気で運動音痴な弟はカナヅチどころではなく、水に顔を付けるのが恐いほど。
そこでついつい姉はいらぬ世話焼き根性を発揮し、弟を泳げるように特訓しようと思いつきます。
姉は自宅の洗面所で、顔を水に付ける練習から始めました。
嫌がる弟の頭を押さえ付け、水を張った洗面台に顔を付けさせたのです。
嫌でたまらない弟は妙案を思いつきます。
ぐったりと死んだふりをして窒息死したように見せかければ、姉はこの特訓を止めてくれるにちがいありません。
もともと弟に対して過保護な面がある姉。ぐったりした弟を見て、慌てて押さえていた手を放します。
しかし弟はまだ顔を上げません。演技である事がわかればすぐに特訓再開です。ここが踏ん張りどころ。
そんな弟を見てパニックになった姉は、水を抜こうと洗面台の栓を開けてしまいました。
これが悲劇を引き起こしました。
女の子と見間違うような弟の長い髪が、水と一緒に排水口に吸い込まれたのです。
排水口が髪で詰まって水は流れず、髪が引き込まれた弟はそこから顔を上げる事もできません。
弟は必死にもがきましたが、結局本当に窒息死してしまいました。
姉は、最愛の弟にとんでもない事をしてしまったと泣いていただけです。
12.【問題】
彼が見た最後の光景は、微笑む仲間たちの姿だった。
仲間の人数がもっと少なかったなら、彼は無事だったかもしれない。
状況説明をお願いします。
【解説】
登山愛好家仲間と登山中、絶景ポイントを見つけた彼は
持参のカメラで記念写真を撮ろうとした。
仲間たちを並べ、崖を背にカメラを構えた彼は、
フレームに仲間が入りきっていないことに気づき、
ファインダーを覗いたまま、数歩後ずさりしてしまったのだ。
その背後が深い深い崖であることを忘れて……
13.【問題】
ある男がある女に会いに行った。
しかし、男は女に会えず帰ることになった。
翌日その女を思いもよらぬ悲劇が襲った。
一体どういうこと?
【解説】
男は女の父親。
向かった先は女の職場。
しかし、女は今日は出勤していないという。
「私は父親だが娘に何かあったのか?」と尋ねると、
「娘さんはあなたの葬式に出ているそうですよ」と。
翌日女は上司にきつくお叱りを受けました。
ズル休みはいけません。
15.【問題】
看守から「ゲーム」の説明を受けた囚人はそのまま睡眠薬で眠らされ
目を覚ましたときには閉鎖された廃墟にいた。
手元にあったPDAに触れると「ゲーム」の詳細なルールが表示される。
ルールによると、男にはめられた首輪には発信機と爆弾が仕込まれているらしい。
首輪を外すには「ゲーム」をクリアするしかない。
メンバーは男の他に五人。全て囚人で「ゲーム」クリアすることができれば
罪状が消え、新たな戸籍で別の人間として生活する事が出来るのだ。
ルールは1~9まであり大雑把に言ってしまえば二日間の間に
各PDAにより指定された「条件」をクリアするというものだ。
PDAはチェスのコマを模しているらしい。
ポーン 全てのPDAと接続する。手段は問わない。
ルーク 二日間の生存。
ナイト 三名以上の殺害。
ビショップ 全チェックポイントを通過する。
クイーン 三個以上のPDAを破壊する。手段は問わない。
キング 自分以外の全プレイヤーの死亡。
男のPDAはルーク。四時間ごと増えていく禁止エリアのせいで
ずっと同じ場所に隠れ、ゲーム終了を待つ事はできない。
男は廃墟内を探索し、武器や、PDAにインストールするビーコンプログラム等を手に入れていった。
ゲーム終了まであと数時間となったときだった。男が襲撃されたのは。
相手は女。いきなり銃を撃ってきた。男は手にした銃で反撃し、女を殺してしまう。
PDAが電子音を立てた。画面には「生存者一名」の文字。もう狙われる心配もないと思った。
しかし、次の瞬間PDAに表示された文字に男は愕然とした。
「ルール10 ゲーム中に殺人を犯した者の首輪はゲーム終了時に爆発する」
男はふと、あることに気がつきこのゲームの目的を悟った。
男が気づいたこととは? また、ゲームの目的とは?
【解説(勝手にまとめ)】
男が気づいたこと=実際は全員がルークで、誰も殺さなければ全員が生き残れた。
ゲームの目的=互いに不信感を抱かせるように仕向けられた状況で、疑心暗鬼になって他人を殺してしまうような人間を排除すること。
【解説】
「ルール10 ゲーム中に殺人を犯した者の首輪はゲーム終了時に爆発する」
男はPDAを見て愕然とした。女を殺してしまったという事は……
しかし、それではキングやナイトの「条件」と矛盾するではないか。
この「ゲーム」は始からクリア不可能ということなのだろうか。
いや、違う。それ以外のPDAならばクリア可能だ。これではあまりにも不平等すぎる。
与えられるPDAに全ての命運がかかっているなどということがあるだろうか?
そう男は考えた時、一つの可能性が頭をよぎった。女のPDAを手に取り起動する。
表示されたのはルークのマーク。まさか……
男は走り出していた。他のPDAも確かめなくてはならない。
結果、破壊されていないPDAは全てルークだった。おそらく壊れたものもルークだったのだろう。
つまり、何もしなければよかったのだ。そうすれば「条件」をクリアできた。
しかし、キングやナイトの存在を恐れ「殺られる前に殺る」者が出てくる。
他のプレイヤーに遭遇すると同時に攻撃を仕掛け殺してしまば
自分が攻撃される心配はなくなり安全になるからだ。
男はもう一度ルールを確かめ気がついた。プレイヤーが六人でPDAの種類も六。
しかし、どこにも各プレイヤーに別々のPDAが与えられるとは書いていない。
キングやナイトの存在によりプレイヤーは疑心暗鬼に陥る。
他のプレイヤーと遭遇した場合、自ら進んで己のPDAを明かすのは自殺行為だ。
もしも、相手がキングであればカモ以外の何物でもないのだから。
このゲームは、疑心暗鬼にさせ人を殺させる状況を作り出しているのだ。
つまり、これはテストだ。犯罪者に対し刑務所の数が少なく、キャパを超えようとして
いる今、犯罪者を次々死刑にするか釈放するしかない。
しかし、死刑に出来る人間など限られている。となると釈放だが、釈放するにも
何らかの基準が必要だ。再犯で再び刑務所に逆戻りとなるようでは意味がないのだから。
そこで、考え出されたのがこの「ゲーム」であったのだろう。
疑心暗鬼になり人を殺してしまうような人間は、きっかけさえあれば再び犯罪に手を染める。
もしかしたら政府の人間は、「ゲーム」で亡くなる人間もいるのだから
一石二鳥とすら考えていたのかもしれない。男は殺してしまった女に向かい手を合わせた。
16.【問題】
兄が用を足して戻ると
ゲロまみれで泣いている母、その横で歯が痛いと泣きじゃくる妹
何があった?
※問題文は伝説のバスクリンのパロディ。
【解説】(5行バージョン)
晩御飯は魚。兄は一番早くたいらげてトイレへ
食べるのが遅い妹がラスト一匹にかぶりついたら、中から父の指輪が出てきた
母は「父が海で亡くなったこと、自分の食べた魚も死体を食べた可能性があること」を
悟ってゲロ&号泣
妹は指輪をかじってしまって歯が欠けたので痛くて泣いていただけです
【解説】(長文バージョン)
俺たち三人を救命ボートに乗せた後、最後まで仕事をするために機関室に消えて
いった父さんがどうなったのか?
俺たちはなんとか小さな島に流れ着いたけれど、他のボートに乗っていた人たちや
ボートに乗れなかった人たちはどうなったのか?
今まで釣りなんてしたことのなかった俺が、ほぼ毎日大きな魚を釣り上げられるのは
どうしてか?
魚の腹から父さんがしていた結婚指輪が出てきたと聞いて、それらの疑問が一気に
解消した。
俺たちのボートと同じように、潮に乗ってたくさんの死体がこの島の周りに流れ着いて
いる。そして、それ目当てで魚たちも集まり、豊富な餌で大きく育っている。
大騒ぎから一晩が経った。
あれだけ泣きわめいていた亀子は、今朝はけろりとした顔で砂浜を走り回っている。
歯はまだ痛むようだが、幸いなことに乳歯だったのでいずれ生え変わるだろう。
心配なのは母さんだ。昨日の今日で魚を食べるのは辛いだろうと思い、少し遅めの
朝食に森で採った果物を出したのだが、それも嘔吐してしまった。
でも、生きていくためにはなにか腹に入れないといけない。
「母さん、まだ気分悪い? 夜は果物食べれそうか?」
木陰で妹を見守る横顔に、おそるおそる尋ねてみる。
「魚がいいわ。海太郎、今日も釣ってきてくれる?」
「えっ!? でも……」
「大丈夫」
母さんがこちらを見た。顔色は青白いが、表情には島に辿り着いたときの気丈さが
戻っていた。
「今朝のはつわりよ。お腹の赤ちゃんのために、ちゃんと栄養とらないと」
父さん、天国の父さん、見ているか?
俺は、母さんと亀子と生まれてくる弟か妹を守るよ。守ってみせるよ。
※長文乙
※※赤ちゃんの名前は汁次郎か汁子
17.【問題】
戦争中のある町にひとりの郵便屋が赴任した。
彼の配達区域には毎週手紙を待って門の前に立つ女の子がいたが、
町の住人にも好かれている様子の彼女には何故か一通も手紙がこなかった。
それからしばらくして、彼女は自殺してしまう。
郵便屋もその町にいられなくなって勤務地を変えた。
それはどうしてか。
【解説】
電話のない時代で通信手段は手紙が一般的、
彼女は生まれつき目が見えず、住人も友人もそのことを心得ており
知らないのは赴任したばかりの郵便屋だけだった。
彼女には兵士の恋人がおり、もし戦死したらドッグタグ(か指輪)が彼女の家に
形見として送られることになっていた
郵便屋は彼女の事が好きだったが直接告白できなかったので、
手紙に指輪/ペンダントを添えてプレゼントした。
封筒の中に入っていた指輪/ペンダントをタグと勘違いした彼女は
恋人が死んだものと勘違いして自殺してしまった。
住人と帰ってきた恋人に勘違いさせたことを詰られた郵便屋は
半ば追い出されるようにして町を出ることになってしまった
18.【問題】
男が夜の山道を走っていると、少女が車道に踊り出て車を停めた。
ヒッチハイクと言えば、ヒッチハイクだが
旅行目的などではなく心底困っているようだ。
「最寄の町まで乗せて下さい。」
少女に泣きながら頼まれ、男は少女を車に乗せる。
男は恐る恐る事情を聞くが、なかなか少女は答えようとしない。
町に着くまでの間に、男は当たり障りのない質問・会話と、
立ち入った質問・会話を適度に繰り返した。
少女はとうとう折れて、男に事情を話す。
男はその事情を聞いて、少女を殺してしまった。
何があった?
【解説】
男は“オモチャ”が欲しくて、少女を誘拐し、監禁した。
性的暴行をはじめとして、少女の精神と肉体を貪り続けた。
2~3ヶ月が過ぎ、男が少女に飽きたころ、
殺して遺棄するか、解放するかを悩み始める。
少女には24時間、目隠しとヘッドフォンをしていた。会話も一切していない。
「うまく解放することができれば、殺人は犯さなくてすむかもしれない。」
男はできれば殺人を犯したくはなかった。
だが、少女が自分にとって不利益な情報、あるいは証拠を持っている可能性を恐れた。
男は少女のヘッドフォンにテキストスピーチで作った声を流す。
「今からお前を解放する。ただし、誰にもここのことは何も言うな。
住所と氏名は分かってる。誰かに何かを喋れば、殺す。」
男は少女を車で運び、車通りの極端に少ない山道に捨てた。
そしてしばらくして、少女が歩いているであろう道へと引き返した。
19.【問題】
太郎と花子は高校生のカップル。
付き合い始めて三年がたちすっかり倦怠期に入っていた。
そのためか、花子が太郎にメールをしてもほとんど返ってこない。
また、電話にしても太郎が出るのは五回に一回といったところで
二人がデートをするのは久しぶりのことだった。
待ち合わせの場所に二人がそろった時太郎の携帯が鳴った。
花子は「デートの時くらいは切っておいて」といい太郎の携帯を取り上げる。
そして、太郎の携帯を見た花子は怒り出した。
いったい何故花子は怒り出したのだろうか?
中学校の頃に付き合い始めた二人は、別々の高校に進学した。
新しい友達を作って高校生活を楽しんでいた花子に対し
太郎の高校生活はひどいものだった。いじめの標的にされたのだ。
暴力や悪質な嫌がらせに悩ませるも、太郎は心配さえたくないと花子には隠していた。
しかし、サブアドから送られてくる大量の嫌がらせメールと
ひっきりなしにかかってくる無言電話のせいで花子との連絡もままならなくなる。
そんな時だった久しぶりのデートをしたのは。
花子から連絡が入るかもしれないので
待ち合わせ場所についても太郎は携帯の電源を切らなかった。
花子が着いたらすぐに切るつもりでいたのだ。
だが、間の悪いことに花子が到着した丁度その時に着信。
花子に携帯を取り上げられてしまう。
太郎の携帯に表示される
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね……」の文字。
花子は恐る恐る受信フォルダを開いた。そこは罵詈雑言で埋め尽くされていた。
太郎の置かれている状況を理解した花子は怒った。
「なんで相談してくれなかったのよッ!」と。
20.【問題】
世間を騒がせた連続婦女暴行殺人事件の容疑をかけられた男がいた。
男は、そのうちの数件に関して起訴され、有罪判決がくだり死刑囚となった。
男には恋人がいた。
彼女は男の無罪を信じている数少ない人間の一人だ。
公判中からずっと、世間のバッシングにもめげずに男を支え続けていた。
ある日、そんな彼女の元に手紙が届いた。
数日後、彼女は無惨な姿で発見された。
何故だろう?
とある男が、このところのメディアの好き勝手な報道に腹を立てていた。
自分の創意工夫をこらした神聖な行為が、いつの間にか間抜け野郎の犯行ということで終わろうとしている。
英雄視されるべきなのは自分なのに、このまま終わるのは手柄を横取りされたようで許せなかった。
何とかして、世間とこの間抜け野郎に思い知らせてやらねばならるまい、そう考えていた。
そんなおり、その間抜け野郎の婚約者とかいうのが、TVで情報提供を呼びかけているのを見かけた。
有罪判決が出た今も、いまだに婚約者の無実を信じて疑わないのだという。
しかし、一度判決が下った後となってしまっては、真犯人を見つけ出す以外に確実に判決を差し戻す手などないのだろう。
そのため彼女は、独自の調査で真犯人を探しだし、恋人の命を救うつもりのようだった。
なんとも健気なことではないか、そう思うと男の顔からは笑みがこぼれてきた。
そして、彼女の被害者の会のバッシングにめげない気丈な語り口と美しい容姿は、次第に彼の食指を刺激していった。
「そうだ…こりゃ調度いいや、6人目は君にしようか」
そう呟くとすぐに手紙を書き始めた。
『……TVで貴女を拝見致しました。
私も貴女の恋人の無罪を信じています。実は私は犯行現場の近くにいたのです。
今まで事件に関わるのが恐くて黙っていましたが、もしかしたら貴女の力になれるかもしれません。
お話をする機会を頂けるのなら……』