心霊大全
不思議な兄弟 その6
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【2ch】
9 名前: 1 Mail: sage 投稿日: 05/11/27(日) 19:30:11 ID: 60THnBOz0
しかし、コウの家だけには、その後の話が残っていた。
実は、金銭補填に到る前、コウの家長は何回かその小屋を訪れていた。何としても手がかりを得たかったのだ。
そして、一家失踪の2ヵ月後に訪れた際、小屋には明かりが灯っていた。
そして、一家失踪の2ヵ月後に訪れた際、小屋には明かりが灯っていた。
そっと近づいてみると、なんと幼い兄弟だけ(姉と弟)が居る。
コウの家長は声を掛けた上で小屋に入った。
移住時に何回も会っているし菓子を与えたこともある兄弟だ。
コウの家長は声を掛けた上で小屋に入った。
移住時に何回も会っているし菓子を与えたこともある兄弟だ。
兄弟は驚くわけでもなく喜ぶわけでもなくコウの家長を迎え入れた。
勢い込んで根掘り葉掘り聞く訳にもいかないだろうと考え、丁度持っていた煎餅を与えつつおかあさんはどうした、じいさんばあさんはどうした、食事はしているのかなどと不安を感じさせないように柔らかく訊ねると、殆ど要領を得ない回答しかしないのだが、兎に角自分たちだけで何とかしているので放っておいてくれ、という趣旨の返答をしてきたらしい。
勢い込んで根掘り葉掘り聞く訳にもいかないだろうと考え、丁度持っていた煎餅を与えつつおかあさんはどうした、じいさんばあさんはどうした、食事はしているのかなどと不安を感じさせないように柔らかく訊ねると、殆ど要領を得ない回答しかしないのだが、兎に角自分たちだけで何とかしているので放っておいてくれ、という趣旨の返答をしてきたらしい。
兎に角日も暮れつつあったので家長は一旦村長の家へ寄ってみた。
何となく長には正直に言うのが憚られて、遠まわしに小屋のその後を訪ねてみたが、その後明かりが灯っていたことも無いし、人の出入りも無いとの答え。
何となく長には正直に言うのが憚られて、遠まわしに小屋のその後を訪ねてみたが、その後明かりが灯っていたことも無いし、人の出入りも無いとの答え。
翌朝村を離れる前にコウの家長が小屋によって見ると、兄弟は矢張り居た。府に落ちないまま帰ったのだが、その後も折を見て小屋を訪れると、矢張り兄弟は変わらず住んでいる。
しかし村の連中とは会っていないようだ。
しかし村の連中とは会っていないようだ。
村人や村の長が自分に嘘をつくわけもあるまいし…不思議に思いつつも、盗人の親父本人も嫁も居ない今、子供たちをどうこうしても始まるまい、と思い、コウの家長は子供達の存在を秘密のままにしていたそうな。