第三話 恋する乙女はDo my best!
教室のドアを開くと、
「貧弱貧弱ゥ!豆腐ゥ!!おっはよーう!朝っから最高に『ハイ』ってやつだァーハハハハハハ!!」
DIO様が大きな声であいさつしたおかげでクラスメイトたちがこちらを見てきました。
「おはようです」
私はみんなにあいさつをします。このクラスの人たちはみんな奇妙な人たちばかりです。例えばさっき挨拶してきたDIO様はその中でも特に変じn・・・ちょっと個性の強い人で、クラスの中でも一際目立っています。
黄金のように輝くその髪の毛から『肉の芽』を植え付け、この学園を支配しようと目論んでいる吸血鬼の女の子。邪悪さを漂わせるかわいらしい顔つきとその絶大なカリスマ(肉の芽)で、クラス一の人気者なのです。
常にハイテンションで、たまーに暴走もするけれど、根はいい人ですよね。・・・きっと。
時も止められるらしいですが、本当かどうかはわかりませんよね。止まった時を認識できませんから。
そんなDIO様が突然おかしなことを言い出しました。日常茶飯事ですけど。
「豆腐ーいきなりだけどお金貸してくれるかな!返すアテは無いけど!まさに外道!!」
「ええっ!それはだが断るですよね。」
「バ、バカな・・・このDIOが・・・このDIOがァァァァァァ────ッ!!」
一人で自爆しちゃってます。DIO様は面白いけど何考えてるのかわかりません。
あれ?そういえば、DIO様は吸血鬼のはずなのになんでシャイニングなサンの下で活動できるんでしょう・・・。
究極生物?
そしてなんでだろう思ってもわからないので―──そのうち私は考えるのをやめ、無視して自分の席に座ることにしました。
この学校に来てからというもの、おのずとスルースキルが鍛えられている気がします。必要に迫られて才能が開花するってのはこのことですよね、まさに。
「おはよう豆腐さん。今日はいつもより遅かったね。」
説明しますね。この人が神無月さん。エスプレッソが大好きな私の親友です。第一話で説明されていますよね。
「うん・・・・実は家でおとーさんとおかーさんが木綿か絹でもめちゃって・・・・・もえニラ先輩のおかげで何とか間に合いました。」
「もえニラ先輩!?あの人に会ったんですか!?すごいなぁ。」
「知っているんですか?」
「校長の味皇先生が『もえとニラ!!二つの材料が溶け合い混ざり合い!!小宇宙を作り出しておる!!美味ッ!!』って言ってました。あと成績優秀・スポーツ万能・すげぇ。とかいろんな噂が流れているんです。」
へー、そんなすごい人だったんだぁ。ついでにあの無愛想な女についても聞いてみよう。
「もえニラ先輩の近くにいるグンパツの女の人のこと知ってますか?名前は確かマライヤ・・・」
「そうですね・・・多分あのいすに座っている人じゃないですか?もえニラ先輩とは幼馴染らしいですね。ところで豆腐さん。もえニラ先輩のことが気になるんですか?」
「えっ?なんでそうなるんですか?」
「見ていたら分かります。豆腐さんもそんなお年頃なんですね。」
ふふふと笑っている神無月さん。あの時、もえニラ先輩を見てから胸につっかえているもの。チクチクするし、考えると頭がぼおっとする。
これが恋なのかなぁ?
そんな考えは始業のベルと同時に忘れておきました。