シナリオ 7月8日(日曜日)・その1
セピア色の思い出
一夜明けて日曜日。[plc]
一人屋上へとやってきたのは、昨晩の片付けするためだ。[plc]
屋上中、お菓子の袋やら花火の後が巻き散らかっている。[plc]
散らかした本人たちはまだ寝てるだろうな。[plc]
まったくもって……羨ましい。[plc]
莉緒「なにしてんのよ!」[plc]
真緒「うわっ! 莉緒!」[plc]
莉緒「一人でコソコソとなにしてるのよ」[plc]
真緒「何って……片付けだけど」[plc]
莉緒「騙されないわよ! これはそうね……[lr]
片付けに見せかけた情報収集ってとこかしら?」[plc]
真緒「ゴミだらけなのに何を調べるってんだ」[plc]
莉緒「認めない所をみると、どうやら大当たりのようね」[plc]
真緒「はぁ……」[plc]
真緒「莉緒、邪魔するなら行ってくれ。[lr]
明日テストだろ? 部屋で勉強してこいよ」[plc]
莉緒「私を追い払おうっての?
ますます怪しいわね!」[plc]
真緒「追い払うとかじゃなくてさ」[plc]
莉緒「ほら、そのゴミ袋貸しなさいよ」[plc]
真緒「え? ああ」[plc]
ぼくからゴミ袋をひったくると、莉緒はゴミを拾い出した。[plc]
真緒「手伝ってくれるのか?」[plc]
莉緒「手伝う? 勘違いしないで。[lr]
これはあなたを見張っているのよ。[lr]
あなたが変なことをしないようにね」[plc]
真緒「そっか」[plc]
莉緒「ほら、喋ってないで拾いなさいよ」[plc]
真緒「あ、ああ」[plc]
莉緒「………」[plc]
真緒「………」[plc]
黙々とゴミを拾う。[lr]
何だかんだ言って、手伝ってくれてるんだよな?[plc]
莉緒「………」[plc]
真緒「………」[plc]
ずっと沈黙ってのも嫌だな。[plc]
せっかく二人でいるんだから、何か話しかけてみようか。[plc]
子どもの頃の話
昨日の事(省略
水泳大会について(省略
子ども
真緒「なぁ、莉緒」[plc]
莉緒「なによ」[plc]
真緒「何年ぶりだろうな」[plc]
莉緒「なにがよ?」[plc]
真緒「最後に会ってから、また会うまでの事だよ」[plc]
莉緒「……そうね、五年?
ううん、十年? もっとかしら?」[plc]
真緒「五年じゃないな、たぶん十年位だ。[lr]
そう思うとさ、結構経つんだな」[plc]
莉緒「……そうね」[plc]
真緒「莉緒なんて、まだほんと子どもだった気がするよ」[plc]
真緒「それが大きくなってさ、変わったよな」[plc]
莉緒「私はなにも変わってないわ。[lr]
変わったのはそっちじゃないの」[plc]
真緒「ぼく? ぼくは変わってないよ。[lr]
ただ年をとっただけさ」[plc]
莉緒「魔王に体を奪われるなんて……」[plc]
真緒「そっちか……」[plc]
莉緒「この十年間であなた、いったいなにをしたの?[l]
魔王に歯向かったの?」[plc]
真緒「歯向かうも何も……」[plc]
莉緒「あなたのような一般人が抵抗した所で勝ち目はないのに……」[plc]
莉緒「どうして! どうして私に相談してくれなかったのよ!!」[plc]
莉緒「こんなになる前に助けてあげられたのに……」[plc]
真緒「い、いや、だからだな……」[plc]
莉緒「それだけじゃないわ。
よりにもよって岸岡芽衣子と組んでるなんて……」[plc]
真緒「なぁ、莉緒、ぼくは魔王じゃないよ。[lr]
昔のまま何も変わってないって」[plc]
真緒「だからさ、前みたいに仲良くしようよ。[lr]
嫌われてるみたいでちょっと悲しいぞ」[plc]
莉緒「……べ、別に真緒くんは嫌ってなんかいないわよ」[plc]
真緒「そうなのか?」[plc]
莉緒「そうよ、あなたの中にいる魔王が許せないの」[plc]
真緒「だからそんなのはいないって」[plc]
莉緒「ダメよ。私には分かるんだから」[plc]
合流
真緒「莉緒、どうしてそんなになったんだ?」[plc]
莉緒「………」[plc]
莉緒「……ほら、もう終わったわよ」[plc]
真緒「あ、ああ」[plc]
莉緒「伝説の使い手としてあなたを助けてあげるわ。
必ず元に戻してあげるから安心しなさい」[plc]
真緒「………」[plc]
莉緒「じゃあね」[plc]
真緒「………」[plc]
……相変らずだな。[plc]
さてと、ぼくも戻ろう。[plc]
最終更新:2010年07月19日 01:34