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7/12-4

シナリオ 7月12日(木曜日)・その4

 アナーキー・イン・ザ・何点?


そして午後の授業も終わって放課後。[plc]
いよいよこれから……テストの採点だ。[plc]

ふと辺りを見ると他の先生も同じように採点作業中で、
職員室にはペンの音が響いていた。[plc]

真緒
「さて、ぼくもやるか」[plc]

椅子に座り、赤ペンを手に取る。[lr]
さて、みんなの出来はどうだろう……[plc]




真緒「……北尾絵里、五十二点っと」[plc]

アイウエオ順の採点。[plc]
わりと簡単に作ったつもりなんだけど、ここまでの子は点が悪かった。[plc]

真緒「お? 次は北上か」[plc]

真緒「ん」[plc]

真緒「あ、あいつ……」[plc]

『北上奏』[plc]
そう書かれているはずの名前欄には、[lr]
『北上・アナーキー・イン・ザ・奏』
と大きく書かれていた。[plc]

ペンを持つ手が止まり、呆然と用紙を見つめてしまう。[plc]

真緒「何考えてるんだ北上は……
中二病って言ったって、テスト用紙にまで……」[plc]

悪ふざけで書いたのか、本気で書いたのか分からない。[plc]
だがどちらにせよ、これは問題だ。[plc]

真緒「……まぁ、元気で良い字なんだけどな」[plc]

記入枠から大きくはみでた文字は、むしろ清々しさすら覚える。[plc]
北上が幼稚園児なら花丸の満点をつけてやる所だ。[plc]

真緒「いや、これは……
書道なんか向いてるんじゃないか?」[plc]

って、違う違う、そうじゃない。[plc]
北上は子どもじゃないし、それにこれは大事なテスト。
こんな馬鹿な事は止めさせなきゃ。[plc]

とりあえず名前の事は後にして採点しよう。[plc]

名前以外にもふざけた事を書いているんじゃないかと心配したが、
どうやらそれは無さそうだ。[plc]

真緒「お、この問題も解けたのか」[plc]

真緒「おお、ここも正解だ」[plc]



真緒「……驚いた、百点じゃないか」[plc]

真緒「しかし百点でもこの名前じゃ……」[plc]

双葉「要先生? 難しい顔してどうかしたんです?」[plc]

真緒「名前を書き直させれば……」[plc]

双葉「あ、あの、要先生?」[plc]

真緒「とにかく、一度北上と話をして止める様に……」[plc]

双葉「………」[plc]

真緒「そうと決まれば早い方がいいか」[plc]

双葉「お、おい、お前!! 
お、俺の声が聞こえないってのか!!」[plc]

真緒「わっ!? な、なんですか大声で!」[plc]

いつの間にか音河先生がいた。[lr]
驚かそうとでもしたのか?[plc]

双葉「さ、さっきから呼びかけてやってるのに、無視するんじゃねーぞこの野郎」[plc]

真緒「無視? ていうか」[plc]

暴言を吐く音河先生。[plc]
案の定……眼鏡をつけてない。[plc]
という事は今、影羅とかいう人格なわけね。[plc]

双葉「おぃこのやろー」[plc]

本人は怒鳴っているつもりなんだろうけど、棒読みなんだよな。[plc]
怖くない所か、むしろ可愛らしい。[plc]

真緒「ごめんなさい音河先生、ちょっと考え事をしていたので」[plc]

双葉「……わ、分かればいいんだよ」[plc]

真緒「あの音河先生、このテストなんですけど」[plc]

双葉「音河じゃない! お、俺は影羅だ」[plc]

真緒「……ですか。あの、音河先生と話したいんですが」[plc]

双葉「お、お前がそう言うなら仕方ないな、変わってやる」[plc]

真緒「はぁ」[plc]

双葉「な、なんだその返事は? 礼くらい言えねーのかよ!」[plc]

真緒「あ、ありがとうございます」[plc]

双葉「……影羅様は?」[plc]

真緒「……ありがとうございます影羅様」[plc]

満足したのか、音河先生が眼鏡をつけた。[plc]

音河「……ま、また影羅が出てきてたみたいですね。[l]
し、失礼な事言ってませんでした?」[plc]

真緒「いえ……」[plc]

双葉「………」[plc]

双葉「そ、それでどうしたんです? 何か悩んでたようですけど?」[plc]

真緒「それが、北上のテストなんですが……」[plc]

そこまで言って後は実際のテストを音河先生に手渡した。[plc]
すぐに名前の事に気がついたのか、クスクスと笑っている。[plc]

真緒「こういう場合、やはり点は無しに? 満点なのでどうかなって思いまして」[plc]

双葉「残念ですけど、点は無しになっちゃいますね」[plc]

真緒「やっぱりそうですか。
はぁ、名前さえちゃんとしとけば……」[plc]

双葉「でも、北上さんらしいですね」[plc]

真緒「まぁ、そうですね」[plc]

双葉「アタシはアナーキー・イン・ザ・奏だーって、
あの子いつも言ってますから」[plc]

真緒「普段口にするのは構わないんですけどね」[plc]

真緒「これ、他の教科もこんな名前にしてたら、全教科得点無しですよ」[plc]

双葉「そ、それは困りますね。一度北上さんに注意してみたらどうですか?」[plc]

真緒「そうですね。そうしようと思ってましたし、そうする事にします」[plc]

真緒「ありがとうございます音河先生」[plc]

音河「い、いえそんな……
あの、頑張って下さいね要先生」[plc]

真緒「はい」[plc]

音河先生と話終えて、また採点に戻る。[plc]

『北上・アナーキー・イン・ザ・奏』
の名前を少し見つめてから、横に0と書き込んだ……[plc]




全員の採点が終了。[plc]
五教科百点満点の内わけで、
クラスの平均点は三百二十点。[plc]

最初はどうなる事かと思ったが、悪くない平均点だ。[plc]

さて、気になる莉緒たちの点数は──[plc]

莉緒は百四十点。[lr]
理数系が全滅状態だった。[plc]

何とか点をとっていたのが文系科目。[lr]
莉緒はまぁ、文系と言えなくもないのかな。[plc]

次は北上。[lr]
合計点は──0![plc]
期待を裏切らず、全教科の名前にアナーキーと書いていたせいだ。[plc]
ちなみに、名前さえ書いていれば三百五十点。[plc]
ほんと、もったいない……[plc]

次に岸岡。[lr]
合計点は三百二十点のちょうど平均点。[plc]
調べた所、前回のテストの合計点は莉緒とどっこいどっこいの酷い点だった。[plc]
それを思えば、今回は上出来だ。[plc]

ついで阿部高。[lr]
合計点は三百七十点。[plc]
どの教科も一定以上の点をとっている。[lr]
特に苦手な教科は無いのかもしれないな。[plc]

次に八十記。[lr]
驚いた事に、なんと四百八十点だ。[plc]
普段ヤンキーだのと言っているせいか、
まさかこんな点を取るとは思っていなかった。[plc]
さすがはお嬢様……[plc]

最後に寮長。[lr]
驚きというか、さすがと言った方がいいかもしれない。[plc]
点数は満点の五百点。[plc]
何をやらしても完璧な子だ。[plc]
素晴らしい。[plc]


と言った点数だったが、中でも特に低い莉緒は補習決定。[plc]
それと、過去の点数を考えたら、岸岡も受けた方がいいのかもしれないな。[plc]

ま、後で話す事にして、今日はもう帰る事にしよう。[plc]


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最終更新:2010年07月19日 01:43
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