B-7/24-3

シナリオ 北上ルート 7月24日(火曜日)・その3

 二人の温度差


部屋に戻るなりベッドに倒れる。

真緒「寮祭、バンド、ライブ……」

八十記の言うとおり、あの歌を聞いた時はたしかに嫌だったと思う。

しかしすでに出る事が決まっているのなら、
北上一人でステージにあがらせるわけにはいかなくて……

ぼくの生徒でもあるし、それにあの子はちゃんと見ていて
あげないといけないというか……

それにぼくが断ったら、あのやる気や頑張りを否定する事にもなりそうで出来ない。
そうこれは、夢にむかって頑張ってる生徒をバックアップ……になるのかな。


真緒「はい」

奏「センセ? アタシだよ」

真緒「ああ、あいてるよ」

奏「それじゃ入るね」


真緒「どうした? まだ話足りないのか?」

奏「ん、もう十分だし」

真緒「そうか、そうだよな、あれだけ話せばな」

奏「む」

奏「だいたいセンセが悪いんだよ! アタシに喧嘩売るようなこと言うから」

真緒「い、いや別に喧嘩だなんて」

奏「またそんなこと言う! だいたいセンセはね!」

真緒(これはまずい……また)

奏「アタシは未来の大スターなんだよ? 分かってるのセンセ?」

真緒「わ、分かった、分かった。謝るから……」

奏「……ん。分かればいいし」

真緒「で、今度は何の用なんだ?」

奏「ん……っと」

真緒「なんだ?」

奏「ま、でもセンセの意見もたしかにそっかなーとか思ったし」

真緒「うん?」

奏「ちょびっとだよ。ほんのちょびっとだけね」

真緒「あ、ああ……」

奏「だからさ、明日から練習しようと思うんだ」

真緒「練習か」

真緒(ライブに出るなら当然しなくちゃな)

真緒(特に……北上は)

真緒(今のままじゃ、寮祭が大惨事に)

奏「センセ?」

真緒「あ、うん、やろうか」

奏「えへへ、それじゃ明日の朝起こしに来るからね?」

真緒「ああ」

奏「それだけ、じゃね」


北上は嬉しそうに部屋を出ていった。
ライブ出来る事を喜んでいるんだろう。

でも……心配だな。
あの子の音痴を少しでもぼくが直してあげられれば良いけど……


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最終更新:2010年07月13日 22:00
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