シナリオ 北上ルート 8月10日(金曜日)・その1
プライベートビーチ
せえら「ここが八十家の──ビーチですわ!!」
真緒「お、おお! 凄い!」
澄み渡る青空。
照りつける太陽。
そして輝く──寮長の水着!
……あれ?
寮長「先生?」
真緒(か、可愛いな……)
寮長
「あ、あの……」
せえら「ちょっとセンコー? なんですのそのイヤラシイ目は?」
真緒「あ、いや、別に」
八十記家所有のプライベートビーチへ来た。
プライベートだけあってぼく等しかいない広い砂浜、貸切の海。
少しもったいない様な気もするけど、人だらけよりは全然良い。
惜しむのは綺麗なお姉さんたちを見れないという……
び、美女ウォッチング……
せえら「なんですの今日のセンコーは?」
寮長「どうしたんでしょう?」
真緒(しかし……目の前の寮長、そして八十記は十分美少女だ)
せえら「ちょ、ちょっとセンコー? なんですのそのギラギラした眼は」
寮長「せ、先生……」
真緒(文句を言えば罰が当たるな)
せえら「センコー!!」
真緒「え? あ、ああ、ごめんごめん、ちょっと考え事をさ」
せえら「ほんとですの?」
真緒「あ、ああ」
寮長「先生、あの、北上さんが」
せえら「ですわよ。カナちゃんはまだコテージですわ」
真緒「そっか、出てこないか」
寮長「ええ……」
せえら「嫌々連れてきましたから仕方ありませんわね。なんとかしろですわセンコー」
真緒「ああ、分かってるよ」
朝から、いや昨日からすでに乗り気じゃなかった。
それが嘘なのか本気なのかは措いといて、
現地へ来ればきっとはしゃぐだろうと思っていたけど、そう簡単にはいかないな。
でもせっかくここまで来たんだ。
このままコテージで一日を終わらせるわけにはいかない。
きっと北上も後で後悔すると思うだろうしさ。
だからなんとか海まで連れ出したい。
そして、ライブの事をゆっくり話したい。
ぼくの本意を聞いて欲しいと思ってる。
寮長「私、もう一度呼んできます」
真緒「いや、ぼくが行くよ。寮長と八十記は遊んでてくれ」
寮長「でも」
真緒「いや、ぼくが行かなきゃいけないと思うんだ」
寮長「………」
せえら「ですわね。頼みますわよ」
真緒「ああ」
せえら「それとセンコー」
真緒「なんだ?」
せえら「そろそろ寺井たちが来ますから、ついでに迎えも頼みますわよ」
真緒「ああ、分かった」
八十記に答えると、ぼくはコテージに向かった。
最終更新:2010年07月13日 23:07