シナリオ 寮長ルート 7月8日(日曜日)・その3
闇の中の寮長
騒ぐ莉緒たちを振り切り学園玄関へ。[lr]
どんよりとした雰囲気はさっきと同じだ。[plc]
いや、さっきよりもさらに重苦しい気がする。[plc]
一人だから怖がってるのかもしれないけど、どこか違う気がしないでもない。[plc]
真緒「ともかく中に入ろう」[plc]
学園の中に入ると、よりいっそう怖さが増してくる。[plc]
少しだけ開いた教室のドア。[lr]
掲示板のポスターに描かれている人物。[lr]
廊下に置かれた何かの荷物。[plc]
日中では何でもない些細な事がやたら目につく。[plc]
もし、あのドアから誰かが出てきたら……[lr]
あのポスターの人の目が動いたら……[lr]
荷物から何かが出てきたら……[plc]
そんな良からぬ想像が恐怖を膨れ上がらせた。[plc]
そして思うように足が前に進まない、進めない。[plc]
……引き返すか、それともこのまま行くか。[plc]
そう、もしかしたらもう寮長は帰っていて入れ違いかもしれない。[plc]
それに学園長の事も唯の思い過ごしかもしれない。[plc]
弱気な事を考えながらも、ぼくは一歩一歩廊下を進んでいく。[plc]
真緒「………」[plc]
カツカツと響く自分の足音。[lr]
闇の中、聞こえてくるのはこの音だけだ。[plc]
人のいる気配も無い。[lr]
やはり寮長はもう帰ったんだろうか……[plc]
真緒「ん?」[plc]
引き返そうと思った矢先だった。[lr]
すぐ先の角を曲がった所から何かが聞こえる。[plc]
人の声? ぼく以外の足音?[plc]
分からない……ともかく行ってみよう。[plc]
角まで来ると、そこからこっそり覗き見る。[plc]
もし音を出してるのが寮長じゃ無かったらと思うと、飛び出す事は出来なかった。[plc]
まずは確認をして、それからだ。[plc]
真緒(……暗くてよく見えないけど)[plc]
真緒(あれは、寮長だよな?)[plc]
真緒(誰かと話してるけど……)[plc]
寮長「……は……いる……す」[plc]
声がよく聞き取れない。[lr]
何を言っているのか分からないが、諭すようなそんな感じの声だ。[plc]
その相手は学園長だろうか?[lr]
ここからだと寮長だと思われる人の背中だけしか見えない。[plc]
背中で隠れてる人はおそらく学園長だろうけど……[plc]
寮長が学園長を説教? こんな夜中に?[plc]
寮長「……け……い」[plc]
声の主が寮長だと言う事は間違いない。[lr]
あの背を向けた人がそうだろう。[lr]
なのに……出れない。[lr]
誰と何を話してるのか直接聞けばいいのに、ぼくの体は動かなかった。[plc]
寮長「……うが…ですね」[plc]
突然、寮長の体が輝き始めた。[plc]
ぼんやりとしか見えなかったその後ろ姿がハッキリと見えてくる。[plc]
こ、これはいったい……[plc]
寮長「あなたはあなたの在るべき場所に帰りなさい」[plc]
寮長の力強い声が聞こえた。[plc]
そして──[plc]
まばゆい光──[plc]
この光はいったい?[lr]
寮長が? 懐中電灯?[plc]
分からない、いったい何なんだ?[plc]
恐ろしい程の呻き声が聞こえた。[plc]
苦しみもがいてる様な、男とも女とも分からない声。[plc]
そしてその声が消えていくと、あの光も収まっていった。[plc]
寮長「ふぅ……嫌な相手」[plc]
漆黒の闇の中、寮長がつぶやいていた。[plc]
誰かと話してる訳ではないようだが……[plc]
寮長「……さぁ、帰ろう」[plc]
寮長が踵を返す。[plc]
今まで背中しか見えなかったが、やはり寮長だ。[plc]
真緒(こっちへ来る)[plc]
ぼくは飛び出した。[plc]
最終更新:2010年07月15日 22:00