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F-7/24-3

シナリオ 寮長ルート 7月24日(火曜日)・その3

 置手紙



ふらふらと寮をさまようその足は、
自然に寮長の部屋の前へと来ていた。[plc]

ここにはもういない。[lr]
そんな事は分かってるのに、どうしてだろう。[lr]
ドアを開けても寮長は──[plc]

真緒「開いてる」[plc]

寮長の部屋のドアが開いていた。[lr]
閉め忘れて出て行ったのだろうか。[plc]

でも、いつも几帳面な彼女が閉め忘れたとは思いにくい。[plc]
ぼくには中に入って欲しいと、そう願って故意に開けて出て行ったような気がした。[plc]

そしてぼくは、誘われる様に部屋に入っていく。[plc]





部屋の中は以前来た時と明らかに違っていた。[plc]

綺麗に整理された部屋は変わらない。[plc]
ただ……あまりにも綺麗に整いすぎているからなのか、
ドラマの部屋の様に生活観を感じなかった。[plc]

本棚には本や教科書がある。[lr]
壁には制服がかけられている。[lr]
なのにぼくは、不安になっていた。[plc]

この部屋の雰囲気……[lr]
長い間家を空ける時のあの感じにとても似ている。[plc]

帰省でしばらく部屋を空けるんだから、間違ってはいないだろうけど……[plc]

寮長はもう、この部屋に戻るつもりはないんじゃないか。[plc]
この部屋を見ているとなぜかそう思ってしまう。[plc]



もう一度部屋を見渡す。[lr]
窓際の机の上に一枚の便箋があった。[plc]

目に付くように、誰かに気づかれる様に置かれていたそれを手に取る。[plc]

一番上に『真緒先生へ』と書かれているそれは、寮長からぼくへの置手紙だった。[plc]



先生、今までありがとうございました。[plc]

先生が来てから、毎日が凄くにぎやかになりました。[plc]
私も楽しくって、つい色々忘れそうになってしまって…。[plc]
いえ、忘れるくらい楽しかったです。[plc]
でも私は元々みんなと一緒にいてはいけない人間です。[plc]
ここでの仕事も終わりましたから、私はここを去ろうと思います。[plc]
直接別れを言わず去ることを許して下さい。[plc]
もう逢うことも無いと思いますが、私はここでの日々を一生忘れません。[plc]

さよなら…先生。[plc]




真緒「……やっぱり」[plc]

疑惑が確信に変わる。[lr]
この手紙の内容……[lr]
嘘だと思いたかった。[plc]

だけど、文面から伝わる彼女の決意。[lr]
時折かすれた文字は涙を落としたからだろうか。[plc]
これをどんな気持ちで寮長は……[plc]

真緒「何が…何がありがとうだよ…勝手に出ていって……」[plc]

真緒「もう逢うことも無いなんて…どうしてそんな事……」[plc]


納得できるはずがない。[lr]
どんな事情があったにせよ、あんな別れ──[plc]

違う……もう二度と逢えないのが嫌だ。[lr]
そんな事実、受け止められない。[plc]

真緒「追いかけよう」[plc]

すぐにそう思ったが、彼女が出て行ってすでに三十分は経過してる。[plc]

探すにしてもあてが無い。[lr]
たしか書類上の住所はすべてこの寮になっていたはずだ……[plc]

寮長が帰省する。[lr]
その事をどうして疑問に思わなかったのかと悔やんでも、もう遅い。[plc]

手がかりが……ない。[plc]

でもきっとなんとか出来るはずだ……[lr]
その方法を考えるんだ……[plc]



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最終更新:2010年07月15日 23:11
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