E-7/26-1

シナリオ 阿部高ルート 7月26日(木曜日)・その1

 異国の朝


目覚めの悪い朝だった。
いや、ぼくはほとんど眠れてないんじゃないだろうか。

真横でスヤスヤ眠る阿部高を見ながら、ぼくは目をこすった。
残念ながら昨日一日の事は夢じゃない。

何も無かったとはいえ、生徒と一晩、それも同じベッドで……


※ 昨夜の回想

真緒「ぼくはソファで寝るから」

「なんだと!」

真緒「な、なんで怒るんだよ」

「だめだ、同じベッドで寝るんだ」

真緒「それは出来ない」

「どうしてもか?」

真緒「どうしてもだ」

「ならオレもソファで寝る」

真緒「じゃあ、ぼくはベッドで寝る」

「……じゃ、オレもベッドで」

真緒「ぼくはソファで」

「………」

真緒「………」

「キミという男は……」

真緒「こ、こればっかりはだめだからな!」

「別にとって喰おうって訳じゃないんだぜ?」

真緒「わ、分かってるよ」

「なら、いいだろ。親睦を深めるためにもだ、寝よう」

真緒「だ、だから」

「どうしてもだめだというなら仕方ないな」

真緒「なんだ?」

「寺井さんと岸岡さんに報告するとしよう」

真緒「や、止めろ!」

「だが、キミが素直になるというなら、もちろんオレは言わないさ」

真緒「………」

「なに、キミが心配するようなことは起きないさ。さあ、どうする?」

真緒(なんてことだ……)

真緒「……分かった。これも秘密だぞ」

「ああ、男に二言は無いぜ」

真緒「………」

和「しかし……
ふふ、オレからは起こさないというだけだがな」

真緒(……理性よ、ぼくを助けてくれ!)

※ 回想終わり


結局、何も無く朝を迎えたわけだけど……

やたらとくっついて来て、胸を押し当てる。
耳元で囁きながら話してくる。
そんな誘惑じみた事に耐えながら、なんとか夜を越えたというのが本当の所だった。

しかし、阿部高も疲れていたのか、わりとすぐに眠りについたな。
小さな寝息を立てて眠る彼女は、ごく普通の女の子だ。

真緒「普通にしてれば阿部高も十分美少女なのにな……もったいない」

真緒「………」

真緒「よく寝てる……今のうちに──」


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最終更新:2010年03月05日 21:39
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