シナリオ 阿部高ルート 7月26日(木曜日)・その3
公園~ゲイカップル
※街・公園
和「どうだい? なかなか広いだろう」
阿部高に連れてこられた場所は公園だった。
たしかに広く、緑溢れる静かな場所で雰囲気は良い。
ジョギングをしてる人や、ベンチでくつろいでいる人を横目で見ながら
ぼくと阿部高は並んで歩いた。
和「ふ、やはり公園は良い」
真緒「ああ、のんびりできるな。良い所だ」
和「キミも気に入ってくれて嬉しいぜ」
真緒「いやぁ」
和「ここのトイレもなかなかのものだぜ」
真緒「と、トイレって」
和「どうだい? いかないか?」
真緒「い、いや、別にいいよ」
和「そうかい? 残念だ」
真緒「………」
なんでそんなにトイレが好きなんだか……
にしても、人が多いな。
家族連れからカップル、はたまた観光客らしき団体まで。
和「どうしたんだい?」
真緒「あ、いや、人が多いなって」
和「ああ、ここは人が多いぜ。色んな人が集まってくる所だ」
真緒「ふぅん」
和「おほっ、来たぜ」
真緒「何が?」
あっちを見ろと阿部高が目で答える。
そこにいたのは──
真緒「ん? 男の人が歩いているだけだよ」
ぼくとさほど変わらない年の男性二人が歩いていた。
これがどうしたんだろう。
和「手を見てみろ」
真緒「手?」
真緒「……うわ」
あらためて見ると、その二人はガッチリと手をつないでいた。
友達同士ですることじゃないし、何より距離が近すぎるっていうかくっついてるよ。
まさか、これは……
和「ふふ、ここじゃよく見る光景だぜ」
真緒「そ、そうなの?」
和「ああ、しかし、彼らを見てると勇気が出てくるな」
真緒「な、なんでだよ?」
和「ん? 分からないのかい?」
真緒「わ、分からない」
和「やれやれ…キミときたら」
和「よし、オレたちも手をつなごうか」
真緒「だ、だめだよ!」
和「なぜだ? ここじゃ当たり前だぜ?」
真緒「だ、だめだってば」
和「照れてるのかい?」
真緒「そ、そうじゃなくて…とにかくだめなの」
和「なら…腕くらい組まないか?」
真緒「そ、それもだめ」
和「キミも強情だな。だが、それがいい」
真緒「な、なに言ってるんだ」
和「強引に行くぜ」
真緒「ちょ!」
※ 腕組んでるCGとかいいかも?
ぼくの横にぴったりとくっつくと、脇の間に手を入れてきた。
和「へへ、どうだい?」
真緒「ど、どうだいって」
む、胸が当たって……
阿部高って隠れ巨乳だよな。
ほんと、もったいな──違う違う!
和「なんだい? なに黙ってるんだ?」
真緒「い、いや」
和「へへ」
真緒「………」
振りほど……けない。
でも傍から見たら、ぼくらはどう映るんだろう。
兄弟みたいに見えるのかな。
まぁ…いいか。
誰に見られるってわけでもないしさ。
最終更新:2010年03月05日 21:39