シナリオ 阿部高ルート 7月29日(土曜日)・その4
襲われて
真緒「今の……悲鳴?」
うろ覚えの公園につくやいなや聞こえた悲鳴。
それも、聞き覚えのある声。
まさか、阿部高──
声は向こうからだ、行こう。
チンピラA「おぃ嬢ちゃん、あんまり叫ぶんじゃねぇよ。
こっちも手を出したくないしさ、言ってる意味分かるだろ?」
和「あ、あ……」
チンピラB「そう怖がるなって。俺らは取って喰おうってんじゃねぇよ、唯遊びたいだけなんだって」
和「い、いや……」
引っ張られ、人気の無い場所に連れてこられた。
助けを呼びたくても、恐怖で声が出ない。
チンピラA「そうそう、良い子だな」
和「………」
逃げなきゃ……
ここから逃げなきゃ──
男の視線が外れた一瞬の隙をみて──
和「お、俺は男なんだぜ? お前らゲイなのか?」
チンピラA「あぁ? 何言ってんだ?」
チンピラB「ゲイなわけねーだろ」
和「じゃ、じゃあ離してくれ。お、俺は男なんだから……」
チンピラB「ははは、なーに言ってんだボインちゃん」
チンピラA「嘘が苦しいねぇ、ま、諦めろって」
チンピラB「面白いお嬢ちゃんだぜ、へへ」
和(気が緩んだ? 今だ!)
チンピラB「おおっと、逃がさないぜ」
チンピラA「残念だったなお嬢ちゃん」
和「あ……」
逃げ出した瞬間、あっけなく捕まる。
男の手が、ぼくの腕をガッチリとつかみ、痛い。
振り払おうと抵抗しても、その力に勝てない。
怖い、怖い、怖いよ……
先生……助けて。
チンピラB「観念しなって、な?」
チンピラA「へ、それじゃ」
真緒「阿部高!!」
──え? 先生?
真緒「大丈夫か!」
和「……せ、先生、先生!」
チンピラA「なんだテメー」
チンピラB「邪魔すんじゃねー」
男の手が離れ、注意が先生の方へいった。
それを見てとった先生が、目で合図をぼくに送る。
チンピラA「てめぇ!」
一瞬の隙をついて、男の間をすりぬけ先生の元へ走る。
今度は──うまくいった!
そして先生に飛びつくと、勝手に涙が溢れてきた。
でも泣いちゃいけない……ぼくは男なんだから。
和「う、うぅ……」
真緒「よく頑張ったな、よし逃げるぞ!」
和「う、うん」
最終更新:2010年07月14日 23:30