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シナリオ 阿部高ルート 8月2日(月曜日)・その2

 来訪者はだぁれ


真緒「え?」

莉緒「………」

振り返るとそこに──莉緒がいた。

真緒「り、りぉ?」

声が裏返ってしまう。
それは驚きと、莉緒から放たれている謎のオーラのせいだ。

莉緒「これはどういうことよ!! 説明してよね!!」

真緒「な、なにが?」

莉緒「とぼける気? 和といったいどこでなにをしてたのよ!!」

真緒「お、落ち着けってば」

莉緒「和も和よ! 電話もメールも返事がないじゃない!」

和「あ、ああ、すまない。色々考え込んでてな」

莉緒「まぁ……もういいわ」

芽衣子「よくない」

真緒「き、岸岡も?」

奏「アタシもいるし」

せえら「まったく……馬鹿センコーときましたら」

寮長「お、おはようございます」

莉緒の背後から続々と現われる。
そうだよな、莉緒が来てるんなら当然全員いるわけだ。

真緒「皆で来たのか」

和の母「ふふ、にぎやかになったわね。今お茶を入れてくるわ」

芽衣子「かたじけない」

莉緒「ええ、ありがとう」

奏「サンキュだし」

せえら「たまにはお茶も良いですわね」

真緒「お、お前ら……なんで偉そうなんだよ」

寮長「………」

和の母「いいのよ、みんなの事は和から聞いてるから」

真緒「そ、そうですか。どうもすいません」

和「ふふ」

突然の来客にもかかわらず、楽しそうに笑いながら
母親は部屋を出ていった。

莉緒「なに謝ってるのよ? 悪いことしてないじゃない」

奏「そだよ」

真緒「もうちょっとそのな、感謝の気持ちをだな」

せえら「感謝してますわよ」

芽衣子「………」

和「まぁ良いじゃないか。それより、どうしてここへ来たんだ?」

芽衣子「……どうして、だと?」

和「んむ。用事でもあるのかい? こんな遠い所へわざわざ」

芽衣子「魔王様を拉致しておきながらそのような台詞をぬけぬけと……」

奏「ナゴミだめだよ、センセはアタシのだかんね」

せえら「違いますわよ、ワタクシの所有物ですわ」

奏「アタシのだし!」

真緒(も、物じゃないっての……)

和「ふむ、つまりだ……先生を奪い返しに来たと?」

芽衣子「無論」

奏「そうだし」

せえら「う、奪い返すという表現は好ましくにゃーですわね。
そもそもセンコーはワタクシの……」

和「寺井さんと寮長は?」

寮長「私は先生を心配して」

莉緒「わ、わたしは和を心配してここへ来ただけよ。
ほんとそれだけなんだから」

和「そうか……だが安心したまえ。
俺と先生でここ何日か過ごしたが、なにも起こっていない」

真緒「………」

莉緒「ほ、ほんとね?」

芽衣子「……真か?」

せえら「まぁ、そうだと思いましたわ。
まったく寺井ときましたら、破廉恥な妄想ばかりして」

莉緒「なっ!? ちょっとせえら!!」

奏「せえらちゃん?」



和「ふふ、まるで寮に帰ったみたいだぜ」

真緒「そうだな」

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最終更新:2010年07月15日 19:44
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