シナリオ 岸岡ルート 7月24日(火曜日)・その2
研修案内
真緒「えーっと、電話電話っと」
芽衣子「………」
真緒「お、これだな」
玄関入ってすぐの電話を手に取る。
そういえば、寮の電話を使うのは初めてだ。
真緒「はい、もしもし」
双葉「あ、要先生……」
真緒「あ、はい、ぼくですが」
双葉「あの、今日は学園に来られないんですよね?」
真緒「ええ」
双葉「あの、お伝えしたい事があるんですけど」
真緒「はい、何ですか?」
双葉「今月末に新卒の教員研修があるんです」
真緒「はぁ」
双葉「要先生が該当するかどうか分からないですねって話をしてたら、学園長がちょうど来まして」
真緒「まさか」
双葉「ええ、行くようにとの事です」
真緒「け、研修……」
双葉「ええ」
真緒「あの、日程と場所はどうなってるんですか?」
双葉「ええっと、今月の二十八日から三十一の午前までですね」
真緒「という事は……泊まりですよね」
芽衣子「………」
双葉「え、ええ」
真緒「こんな時に……」
双葉「あ、あの……岸岡さんの事ですか?」
真緒「あ、はい」
双葉「あの、先生がいない間は私や学園長も見てくれるって言ってますから」
真緒「しかし、ぼく以外だと……」
双葉「そうかもしれませんけど、研修も大事な仕事なんですから」
真緒「そうですよね……」
双葉「心配なさらずに行って来てください。
あ、研修の資料机に置いておきますから見ておいて下さいね」
真緒「はい、ありがとうございます」
双葉「それでは」
真緒「あ、音河先生!」
双葉「はい?」
真緒「あ、あの……こ、こういう時って不便じゃないですか??」
双葉「はぁ、不便?」
真緒「いや、あの連絡の手段といいますか」
双葉「はぁ」
真緒「だから、その、携帯の番号とメアドとか交換しません?」
双葉「………」
真緒「あ、いや、決してやましい気持ちはなくてですね……」
芽衣子「………」
双葉「ふふ……しょうがあり」
真緒「え、切れた」
突然切られたのは断られたから?
そう思ったけど、どうやら違うらしい。
ぼくの隣で話を聞いていた岸岡が、ボタンを押して切ったからだ。
真緒「岸岡、どうして切るんだ?」
芽衣子「………」
真緒(お、怒ってる??)
芽衣子「……だめ」
真緒「駄目って何が?」
芽衣子「………」
真緒「おい」
質問には答えず抱きついてくる。
なんで怒ったのか分からないが、それよりも研修だ……
三泊四日。
その間は当然、岸岡と一緒にいられない。
ぼくがいない間……退行が酷くならないか心配だ。
音河先生や皆が見てくれるとはいっても、
岸岡はぼく以外と口を聞こうとしないわけで……
研修に行かなくてもいいのならそれも有りかな。
でも、正式な教師になるためには受けておいた方がいいだろうし……
芽衣子「まおさまぁ」
真緒(困ったな……)
最終更新:2010年07月17日 00:05