シナリオ 岸岡ルート 7月28日(木曜日)・その3
旅館到着
結局ぼくは眠れないまま、新幹線は駅についた。
寝過ごしたらいけないと思ったのが半分。
残りの半分は人の目が気になったというか何というか……
芽衣子「真緒様」
真緒「ん?」
芽衣子「す、すいません。本当にぐっすり寝てしまいました。
真緒様が起こしてくれなければずっとあのままでした」
真緒「謝らなくてもいいよ。でも、ほんと気持ち良さそうに寝てた」
芽衣子「はい……」
芽衣子「あれ? ということは、真緒様は寝ておられないのですか?」
真緒「あ、うん、寝れなくてね」
芽衣子「私だけが寝るなんて……なんて恐れ多いことを私は」
真緒「何も気にする事ないって。
それよりさ、綺麗な所で良かったね」
芽衣子「え、は、はい」
真緒「んー新鮮だ」
初めて訪れる土地は胸が躍る。
何もかもが新鮮に見えて楽しい。
これが仕事じゃなきゃもっと楽しいだろうな。
……いや、半分旅行みたいなものか。
真緒「それじゃ旅館に行こうか。
すぐにぼくは研修受けないといけないから、そこで夕方まで待ってて」
芽衣子「はい」
真緒「ここか」
辿り着いた旅館は、
こんな新米教師が泊まっても良いのだろうかと思う程りっぱな旅館だった。
芽衣子「真緒様?」
真緒「あ……いや、凄い旅館だよね」
芽衣子「はぁ、たしかに凄いですが」
真緒(あれ? ぼくだけ?)
真緒「ま、中に入ろう」
芽衣子「はい」
※部屋
※部屋の画像で部屋の情景描写書きマシ
※露天風呂つき部屋
※~~~~背景による
真緒「凄いな……風呂ついてる」
芽衣子「は、はい……」
真緒(こ、これは色々とまずい気が……)
芽衣子「今晩は……ここで二人」
真緒「………」
真緒「ま、まぁ、行ってくるよ」
芽衣子「はい」
真緒「何かあったら電話してきて。それじゃ」
芽衣子「いってらっしゃいまし」
芽衣子「……良い部屋」
芽衣子「でも」
楽しい気分も、真緒様が出て行くと色あせてしまう。
早く帰ってきてほしい。
研修何かより、私の側にいてほしい……
真緒様が出て行った扉を見る。
完全に締め切れていないほんのわずかなすき間が怖かった。
もし、もう帰ってこなかったら……
そんな暗い気持ちでいっぱいになる。
連れてきてくれて嬉しいしとても幸せ。
だから、それが壊れる事が怖い。
芽衣子「……寂しい」
真緒様は決してそんなことをしない。
ここに連れてきてくれたのは、私を特別に想ってくれているから。
だから、絶対に、真緒様だけは……
最終更新:2010年07月17日 00:33