シナリオ 7月28日(土曜日)・その3
お嬢様攻略中
莉緒「ちょっと、なにしてるのよ」
芽衣子「て、寺井莉緒! 貴様いつの間に!」
莉緒「あんたたちの声がうるさいから来たのよ」
真緒「んー」
芽衣子「なんという女だ、さっそく嗅ぎつけたというわけか」
芽衣子「魔王様! この小娘は私が引き受けますゆえ!」
莉緒「いったいなに? なにをしようと……」
莉緒「はっ!? こ、ここはせえらの部屋の前じゃない??
ま、まさかあなたたち……」
真緒(開かない部屋……寝不足の自分)
芽衣子「勘が良いじゃないか寺井莉緒、だが──邪魔はさせんぞ」
莉緒「せえら! 助けてあげるわ!」
真緒「よし! 決めた!」
莉緒「え?」
芽衣子「魔王様」
真緒「お、莉緒いたのか」
莉緒「な、気がついてなかったわけ?」
真緒「いや、すまん。ちょっと考えてたんだ」
芽衣子「魔王様、なにか良い策が?」
真緒「ここで待つ事にするよ。廊下でさ」
芽衣子「持久戦というわけですか。魔王様らしくありませんが……承知致しました」
莉緒「なんなのよ? なんの話よ?」
真緒「ここで八十記を待つんだよ。
あ、莉緒でも岸岡でも良いんだけど、椅子と掛け布団持ってきてくれないか?」
莉緒「な、なにする気?」
真緒「いや、ぼくも寝てないからさ、ここで寝ながら待つ事にしようかなって」
芽衣子「分かりました。芽衣子がお持ちいたします」
真緒「ありがとう、助かるよ」
芽衣子「いえ、私は誰かとは違い真緒様を慕っておりますゆえ、当然のことです」
莉緒「ちょ、ちょっと!」
芽衣子「では」
莉緒「ま、待ちなさいよ! あたしは魔王が敵であって真緒くんは──」
言い争いながら二人が去っていった。
真緒「持久戦だな」
ここで待つよりも、もっと良い方法があるかもしれない。
でも眠いせいで頭が働かない。
まぁこれで、確実に八十記を……
捕まえられる……はず…………
最終更新:2010年07月19日 22:41