Ｃ-７／２９-6

シナリオ　７月２９日（日曜日）・その６

　よる空

---

大きくひらけた場所でバイクが止まる。
どこか、見覚えがあるのは気のせいだろうか。

メイド長がバイクを降り、続いてぼくも降りた。

せえら「センコー！」

真緒「八十記」

せえら「どうでしたの？　なかなか良かったんじゃにゃーです？」

真緒「あ、ああ…言ったらいけないんだろうけど、良かったよ」

せえら「ふふ、それでこそワタクシの舎弟ですわ」

真緒「ずっと今日みたいな事をしてたんだな」

せえら「ええ、そうですわね」

真緒「それで、今日も朝まで走るつもりなのか？」

せえら「それなんですけど……」

真緒「ん？」

せえら「メイド長！」

メイド長「はいお嬢様」

せえら「申し訳ありませんけど、今日はこの位にしておきますわ」

メイド長「ほ、本当で御座いますか？」

せえら「ええ、もっと走りたかったかしら？」

メイド長「いえ！　お嬢様の言葉に従います」

せえら「……そう。ま、今日はセンコーもいますからこの位で解散ですわね」

真緒「そうか、終わりか」

せえら「あら？　センコーが良いならもっと行きますわよ？」

真緒「い、いや、ぼくもメイド長と同じだ」

せえら「………」

メイド長「………」

真緒「それじゃ帰ろうよ」

せえら「……そうですわね。それでは、帰ることにするです」

せえら「メイド長、みなを解散させて欲しいですわ。ワタクシとセンコーは歩いて帰りますから」

メイド長「承知致しました。それでは、ワタクシは失礼致します」

そう言ってすぐ、メイド長は離れて行った。
ここで終わりなのは良いんだけど、歩いて帰るってどういう事？

真緒「お、おい八十記、歩いて帰るって？」

せえら「ええ、どうかしまして？」

真緒「こ、ここどこだよ？」

せえら「なーに言ってますの？　寮の敷地内じゃにゃーですか」

真緒「………」

なんか見覚えがあると思ったら……

真緒「……まじで？」

せえら「ええ」

真緒「……超やべぇじゃん」

せえら「な、なんですのその変な言葉！　止めて下さいまし！」

真緒「あ、ごめん。なんか知らないけど口に出てたな」

せえら「まったく、どうせドラマか何かの影響ですわね。
そんなものに影響などされにゃーで欲しいのですわ」

真緒（くそ……突っ込みたい）

せえら「それでは帰りますわよ。メイド長たちも行ったみたいですし」

真緒「ああ、帰ろう。眠いしな」

せえら「寮まで歩いて二十分程ですから」

真緒「……うへ」

せえら「ふふ、行きますわよ！」

　Back　　↑　　Next