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シナリオ 7月29日(日曜日)・その7

 出逢った頃のように


※寮敷地内(せえら登場時の背景・夜)

ここが寮の敷地内だと言う事がいまだ信じられないまま、
八十記とテクテク歩いていたが……

真緒「ここってさ」

せえら「どうしましたの?」

真緒「八十記と初めて会った場所だよな」

せえら「あら? そうでしたっけ?」

そうだ、間違いなくここだ。
屋上から担がれてここに捨てられた場所だ。

今にして思えば、あの時ぼくを担いでいたのはメイド長だったんじゃないだろうか。

真緒「ああ、メイド長に放り投げられた思い出の場所だ」

せえら「あら? 気づいてましたの?」

真緒「ああ、あの鉢植えもメイド長だろ?」

せえら「まぁ、そうですけど……なんですのさっきから」

真緒「何が?」

せえら「メイド長メイド長と……」

真緒「えぇ?」

せえら「バイクでもコソコソと話をしてましたわよね。
まさかとは思いますけどメイド長に、ほ、惚れたりしてにゃーです?」

真緒「ぼくがメイド長に?」

うなずく八十記の顔は少し拗ねてるようで、
不覚にも可愛いと思ってしまった。

しかし、この様子……
まさかジェラシー?
って、んな訳ないか。

真緒「いや、恐れ多いよ」

せえら「じゃ、惚れたりしてませんわね?」

真緒「当然してないよ」

せえら「そう、なら良いですわ」

真緒「まぁ、別の意味で惚れそうかもしれないけど」

せえら「ど……どういうことですの?」

真緒「え? いや、かっこいいから」

せえら「あ、そういうことですの」

真緒「うん」

せえら「まぁ、念のため言っておきますけど、ワタクシたちの決まりとして
恋愛は禁止ですわよ」

真緒「へぇ、じゃあのメイドさんって恋愛禁止なの?」

せえら「なに言ってますの? センコーもですわよ!」

真緒「な、なんでぼくが」

せえら「わたくしの舎弟じゃありませんこと?」

真緒「あ、ああ、そういう事か」

せえら「ええ。ですから、この決まりは絶対に守りなさい」

真緒「まぁ、破ろうにも、ぼくはもてないし大丈夫だと思う……」

せえら「あら? 可愛そうですわね、ふふ」

真緒「それは良いんだけど、こんな夜遊びは今日で終わりにしよう」

せえら「嫌ですわ」

真緒「嫌じゃないだろ、駄目だって」

せえら「ふふ、わたくし気にいりましたの。
それに、こうして夜歩くのも悪くにゃーですしね」

真緒「………」

せえら「ふふ、なんだか気分が良いですわ」

楽しそうに笑う八十記だった。
少し前までの妙に尖がった態度は消えて、いつもらしさが戻ってる。

どうして元に戻ったのかは分からないけど、まぁ
これだけでも今日は来た甲斐があったかもしれないな。



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最終更新:2010年08月12日 00:36
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