シナリオ 7月30日(月曜日)・その2
魔王裁判
※食堂
秘密警察に捕らえられた宇宙人のように
周囲を固められたぼくは、食堂へと連れてこられた。
逃げやしないって言っても聞きやしない。
莉緒「さ、始めるわよ! 魔女──いいえ、魔王裁判!」
芽衣子「貴様……」
莉緒「ふふ、どんな言い逃れをしようと極刑よ!」
芽衣子「この私を罠にはめたというのか……」
莉緒「和、奏、その女を取り押さえなさい!」
奏「かったるいし」
和「無理強いは良い男のする事じゃないぜ寺井さん」
莉緒
「なっ!?」
芽衣子「ふふ……」
莉緒「な、なぜ魔王の味方をするの……?
まさか、あなたたち……」
芽衣子「さすがは魔王様……抜かりがあるはずもない」
莉緒「なんてことなの……」
真緒「………」
奏「ねぇ和、リオとメイコほっといてはじめよ」
和「だな。喧嘩始め出すと長いことだし、進めよう」
真緒「ああ、ちゃんと話すよ。昨日どこ行ってたかだろ?」
奏「そ」
和「ああ」
真緒「昨日は──」
せえら「ちょっとお待ちになってほしいですわ!」
言いかけた時だった。
八十記の登場と共に制止される。
奏「あ、せえらちゃん」
せえら「おはようですわ」
奏「眠そうだけど昨日もオールしてたの?」
せえら「ええ、遊んでましたわね。まぁ、オールではありませんでしたけど」
和「……まさかとは思うが、二人は一緒だったのか?」
奏「えぇ!?」
真緒「………」
せえら「さーぁ? どうでしたかしら?」
奏「ちょ、ちょっとせえらちゃん! ずるいよ!」
和「怪しいぜ……」
真緒「北上、昨日はだな」
せえら「センコーは黙ってろですわ」
真緒「いや、しかしだな」
せえら「それよりもセンコー。今日も抜け出して行きますわよ?」
真緒「えぇ? 今日も?」
せえら「ふふ、楽しいですわね」
北上たちに聞こえないように、そう耳打ちする八十記は
言葉通り楽しそうだった。
心配していた不機嫌さがないいのは良いけど、
また新たな問題が──
和「む? コソコソとなにを話しているんだ?」
奏「むー」
真緒「い、いや、それは」
莉緒「あ! せえら!」
芽衣子「もう始まっていたとは」
せえら「あらお二人さん。御機嫌よう」
莉緒「な、なに? なんか楽しそうじゃない?」
せえら「わたくし? ええ、楽しいですわ」
莉緒「………」
芽衣子「………」
和「昨日、二人が一緒にいたという疑惑が浮上してるんだ」
奏「………」
莉緒「なっ!?」
芽衣子「真か!」
せえら「さぁ? どうかしら?」
真緒(……いらん誤解を生みそうだから、ぼくは黙っておくのが良いかもしれない)
莉緒「徹底的に調べるわよ!」
芽衣子「魔王様……昨晩は冥界にお戻りになられていたんですよね? そうですよね?」
真緒「い、いや、どうだったかな……」
芽衣子「……ま、魔王様」
莉緒「怪しいわね」
何か……莉緒たち皆不機嫌だ。
八十記が元に戻った次は、まさか莉緒たち全員!?
──うぅ、勘弁してくれ。
せえら「センコー」
真緒「ん?」
せえら「抜け出しますわよ!」
真緒「え?」
最終更新:2010年08月12日 00:41