シナリオ 8月3日(金曜日)・その4
バカセンコ!
※玄関とか適当に
食堂を出て、黙って前を歩く八十記についていく。
いったいどこに行くんだろう?
せえら「ここらでいいですわね」
ふと立ち止まり、八十記が言った。
真緒「ここ?」
せえら「まったく……どういうことですの?」
真緒「何が?」
せえら「はぁ……ほんっとにおバカですわね。
どうしてカナちゃんたちと一緒にお茶するなんて言いましたの?」
真緒「え、いや、だって」
せえら「大事な話は嘘だとしても、ワタクシに話があったのは事実じゃにゃーです?」
真緒「う、うん」
せえら「でしたら、あそこは断るのが当然ですわ」
八十記の言う事はもっともだけど……
一緒にお茶したら駄目なんだろうか?
まぁ、謝って機嫌を治してもらおう。
真緒「そうか、それで怒ってるのか。すまない」
せえら「……ま、まぁ分かれば良いんですのよ。
ワタクシも少し怒りすぎて申し訳にゃーのです」
真緒「そうか」
せえら「ええ、あんな事で怒るなんてヘッドらしくありませんでしたわね。
反省致しますわ」
真緒「あんな事? 北上とお茶するって事?」
せえら「ええ、そうですわね」
真緒「なんで怒るんだ? 仲良しだろ?」
せえら「そ、それは……ワタクシは二人で……」
真緒「んん?」
せえら「……う、うるさいですわよ!」
真緒「ん、まぁもう怒ってないなら戻ろうか?
お菓子美味しそうだったしさ。話はそれからでもさ」
せえら「なっ!?」
真緒「な、なんだ?」
せえら「こ、この……」
真緒「お、おい?」
せえら「バカセンコーーー!!」
八十記が大声で叫ぶ。
そしてそのまま駆け出して行った──
真緒「な、なんだ?」
怒ってる理由がよく分からない。
追いかけて捕まえても、何を話せば良いのか──
何で怒ってたと聞けば、ますます怒りそうだしな。
いやでも、部屋に戻られたらまずい。
真緒「あ、メイド長! 今、八十記が」
メイド長「ご心配なく、終わりましたから」
真緒「そうですか、良かった」
メイド長「それは良いのですが、なぜお嬢様は……」
真緒「あ、さっきのバカーですか」
メイド長「はい」
真緒「それは……」
※一呼吸
さっき起きた事をメイド長に話す。
ぼくには分からないが、メイド長なら分かるかもしれない。
真緒「という事なんですけど」
メイド長「なるほど」
真緒「どうして急に怒ったんですか?」
メイド長「………」
真緒「メイド長も分かりませんか?」
メイド長「いえ、分かります」
真緒「な、なら教えて下さい」
メイド長「いえ、お教えできません。自分で考えて下さい」
真緒「そんな」
メイド長「………」
真緒「……分かりました。自分で考えます」
メイド長「そうして下さい」
真緒(な、なんか冷たい……)
メイド長「………」
最終更新:2010年08月13日 18:38