シナリオ 8月4日(土曜日)・その2
鈍感
※食堂か廊下、屋上
メイド長「ここで話しましょう、ここなら誰も来ません」
真緒「はぁ、わざわざこんな所に」
メイド長「では内容をお話致します」
真緒「あ、はい」
メイド長「今回の作戦内容は──」
真緒「………」
メイド長「要先生が鍵です」
真緒「どういう事です?」
メイド長「お嬢様に言って欲しいのです」
真緒「何を?」
メイド長「不良は嫌いだ、と」
真緒「……それだけ?」
メイド長「きつく、です」
真緒「きつく」
メイド長「できますか?」
メイド長「はい、それと女の子は可愛い方が良いと言って下さい」
真緒「はぁ」
真緒「でも、昨日から避けられてるんで……」
メイド長「その点は大丈夫です。先生が強く出て下されば必ず応じてくれます」
真緒「だと良いんですけど」
メイド長「とにかく、ヤンキーを完全に否定して欲しいのです」
真緒「ぼくがですよね?」
メイド長「はい」
真緒「んー、それで効果あるんですかね?」
メイド長「………」
真緒「今までもずっと、不良は駄目だって言ってきてますしね」
メイド長「なるほど。ですが、可愛いと言ってきましたか?」
真緒「そ、そんな事言うはずないじゃないですか!」
メイド長「ですから今回言って下さい」
真緒「それは……作戦なら言いますけど、
ぼくが言った所で変わるとは思えないですよ」
メイド長「………」
真緒「好きな男の子から言われるならまだしも、
教師から言われてもただの注意にしか聞こえないと思いますよ」
メイド長「………」
真緒「め、メイドちょ?」
メイド長が怒ってらっしゃる。
何か、まずい事を言ってしまっただろうか……
真緒「あ、あのぉ」
メイド長「あ゛あ?」
真緒「あ、いえ、ごめんなさい……」
メイド長「ったく、テメーはよぉ」
真緒「あ、あの、いったい何を怒って?」
メイド長「とにかく、そういう事だかんな。分かったか?」
真緒「は、はい」
メイド長「話は終わりだ、じゃあな」
メイド長が去っていく。
なぜ怒っているんだろう?
そういえば、昨日の八十記のも分からずじまいだ。
……女性は、難しいな。
最終更新:2010年08月13日 18:43