C-8/5-2

シナリオ 8月5日(日曜日)・その2

 ヤンキー教師


※玄関

メイド長「お話中のお呼び出し申し訳ありません」

真緒「あ、いえ」

メイド長「体の方、その……大丈夫ですか?」

真緒「あ、ああ、メイド長も知ってるんですか。
ええ、大丈夫ですよ」

メイド長「え?」

真緒「え? どうかしたんですか?」

メイド長「あの、覚えてないのですか?」

真緒「それが……まったく。
気がついたら屋上で寝てて」

メイド長「そうですか……」

真緒「昨日、八十記と話してた所まではぼんやり覚えてるんですけど」

真緒「そういえば、昨日はどうでした? 成功でしたか?」

メイド長「いえ、残念ながら……」

真緒「ですか、失敗か」

メイド長「呼び出したのはその事なんです」

真緒「というと、また?」

メイド長「はい、協力していただけますか?」

真緒「それはもちろんですけど」

メイド長「では、今回は先生にヤンキーを演じてもらいます」

真緒「ぼくがヤンキーに?」

メイド長「ええ、とんでもなく悪いヤンキーにです」

メイド長「人のふり見て我がふり直せ! という感じです」

真緒「反面教師ってわけですか」

メイド長「その通りです」

真緒「でも、昨日はそんなの嫌いだとか言ったんじゃ」

メイド長「ええ、それはヤンキーの素晴らしさが分かったと言えば大丈夫です」

真緒「でも、昨日の今日ですよ」

メイド長「先生、協力していただけないのですか?」

真緒「い、いや、そうじゃないですけど、そこまで慌てなくてもと」

メイド長「駄目です。では準備しましょう」

真緒「はぁ」

メイド長「まず、そのワイシャツのボタンを全部外して下さい」

真緒「え」

メイド長「早くして下さい」

真緒「はぁ……」

言われるまま、ボタンを外す。

メイド長「あ、下のシャツは脱いで下さい。
裸をさらけ出す感じでお願いします」

真緒「え? まじで?」

メイド長「はい、当然です。さ」

真緒「はぁ」

言われた通り、素肌にワイシャツを着る。
もちろん前は開けた状態だが……これはヤンキーというより、だらしないだけなんじゃないか。

メイド長「……いまいちですね」

真緒「ぼくにはこんなの似合いませんよ」

メイド長「そうですね、ですが頑張って下さい。
それでは、ズボンを腰まで下げて下さい」

メイド長「後、私が用意したサングラスとアクセを着けて下さい」

真緒「はぁ」

ズボンを下げ、手渡された物をつける。
果たして、それっぽく見えているんだろうか。

真緒「あの……」

メイド長「良いですね、なかなかです。
後は手をポケットに入れ、偉そうに喋れば大丈夫です」

真緒「これはちょっと……失敗する予感が」

メイド長「弱気になられては困ります。
お嬢様のためなんですから!」

真緒「しかし、これは演技するにも時間が」

メイド長「まったく……
それでは、少し練習をしましょうか」

真緒「練習?」

メイド長「はい、そのままで食堂へ向かいましょう。
寺井さん方でまずは練習して下さい」

真緒「え、それは無理というか」

メイド長「お嬢様のためです。
さ、こっちです」

真緒「ちょ、ちょっとメイド長」


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最終更新:2010年08月13日 20:30
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