シナリオ 8月6日(月曜日)・その3
冷風
真緒「八十記?」
せえら
「あ」
真緒「ああ、電話してたのか」
せえら「え、ええ……」
真緒(元気ないな)
せえら「……今は聞きたくありません」
真緒「いや、心配なんだよ」
せえら「……心配?」
真緒「ああ」
せえら「私が? それともメイド長が?」
真緒(私? さっきから言葉が……)
真緒「二人ともだよ、仲直りして欲しいんだ」
せえら「そう……」
真緒「一度さ、三人で話をしようよ」
せえら「………」
真緒「あ、夕食終わったら話さないか?」
せえら「……申し訳ないのですけど、私は部屋で休みますわ」
真緒「え?」
せえら「夕食もいらないと伝えておいて下さい。
少し、体調が悪いんです」
真緒「なら仕方ないけど、大丈夫か?」
せえら「ええ、では」
※廊下
※せえら視点、
なにも考えたくない。
早く部屋に戻って寝てしまいたい。
そして朝になって、これは夢だったって。
なにもかも嘘だったって。
メイド長「……お嬢様」
せえら「………」
メイド長「旦那様からお電話があったようですが」
せえら「どうせのぞいてたんでしょ?」
メイド長「いえ、違……わないです」
せえら「知ってたのよね?」
メイド長「はい……」
せえら「どうして言ってくれなかったの?」
メイド長「言おうと思いました。けれど、言えなかったのです」
せえら「……やっと分かったわ。
お見合いがあるから、あんなことしたんですのね」
メイド長「……はい」
せえら「メイド長は私を結婚させたいのかしら?」
メイド長「それは……」
せえら「そうですわよね?
だって、私が結婚したら邪魔者がいなくなりますものね」
メイド長「お嬢様? 何を言ってるのですか?」
せえら「これでコソコソせずにセンコーとお話できるじゃにゃーですか」
メイド長「お、お嬢様! お嬢様は大きな誤解をしてます!」
メイド長「私は要先生を何とも思っていません。
私が好きなのはお嬢様なんですから!」
せえら「なら、今朝もコソコソと二人でなにを話してましたの?」
メイド長「それは……昨日の事は心配いらないと伝えただけです」
せえら「……信用できませんわ」
メイド長「お嬢様、私はお嬢様に後ろめたい事は何ひとつしておりません」
せえら「もういいですわ。疲れましたので、もう寝ます」
メイド長「………」
せえら「お休みメイド長」
メイド長「お嬢様……」
最終更新:2010年08月13日 20:49