シナリオ 8月7日(火曜日)・その3
生涯の伴侶は…
※寮敷地前
寮を出て走る。
おそらくまた暴走行為をしてるに違いない。
だが、なぜなんだろう。
メイド長とギクシャクしたからだと思ったけど、
あの写真の事が気にかかる。
ぼくの写真を財布に入れていた……
八十記はぼくの事を……
真緒「………」
そうだとしても、なぜ写真をあんな風に?
メイド長を許さずぼくを許したのに、実は怒っていた?
いやでも、そんな風には見えなかった。
いくら考えてみても分からない。
とにかく早く八十記の所へ行こう。
メイド長「要先生」
真緒「メイド長」
メイド長だ。
ぼくを待っていたんだろうか。
メイド長「お嬢様はおそらくあそこです。
私のメイドもいなくなっていますから、間違いありません」
真緒「それじゃやっぱり、あそこでメイドさんと」
メイド長「ええ、早く行きましょう」
真緒「分かりました」
※丘。集会場
例の場所に辿り着く──
無数のライトの明かりとバイクのエンジン音。
聞こえてくる女性の声。
間違いない、八十記とメイドさんだ。
真緒「メイド長」
メイド長「ええ、お嬢様です。行きましょう」
※せえらの元
真緒「八十記!」
メイド長「お嬢様!」
せえら「え?」
せえら「な、なんでお二人がここに!?」
バイクにまたがってヘルメットをかぶろうとしていた八十記。
今まさに出発しようとしていたようだった。
真緒「心配したんだぞ、またいなくなって」
せえら「……舎弟に心配される筋合いはにゃーです」
メイド長「お嬢様、このような事はお辞め下さい」
せえら「……嫌ですわ」
メイド長「私がいませんのに、こんな夜遅くにこんな所で……
もし何かあったらどうするんですか?」
せえら「心配いらにゃーです。ワタクシはヘッドですから」
真緒「八十記、メイド長もぼくも心配して来たんだぞ」
せえら「センコーはまだしも、メイド長はそうじゃにゃーですわ」
真緒「そんな事ない」
メイド長「お嬢様、私の事をどう思われようと構いませんが、
とにかくこのような事はお辞め下さい」
せえら「………」
メイド長「それがお嬢様のためであり、幸せです」
せえら「わたくしの、幸せ?」
メイド長「はい、お嬢様は八十記家の大事な一人娘です。
元より私や要先生とは済む世界が違うのです」
せえら「メイド長、なにが言いたいの?」
メイド長「……今は辛いかもしれませんが、いずれ訪れる事なら早い方が良いのです」
メイド長「今ならまだ、傷は浅いと思うのです。ですから、すぐに忘れると思います」
せえら「………」
真緒(……何の話だ?)
せえら「嫌……ですわ」
せえら「そんなの、幸せなんかじゃないですわ……」
せえら「わたくしは暴走族のヘッドなんですもの……」
せえら「世界が違うって……なんですの?」
せえら「わたくしは……わたくしは……」
真緒「八十記……?」
メイド長「さ、こんな事は止めて帰りましょう」
せえら「嫌ですわ! 何もかも嫌ですわ!!」
真緒「おい八十記、落ち着け」
メイド長「何もかも?」
せえら「それはメイド長は良いかもしれませんわね!
わたくしがそうなればセンコーと気兼ねなくお喋りできますものね!」
メイド長「………」
せえら「二人仲良く帰ればいいじゃにゃーですか!!」
※ビンタ音
暗闇の中を一つの音が駆け抜ける。
それは興奮しきった八十記の頬を、メイド長が叩いた音だった。
★8/7---スチル4
- 夜、メイド長がせえらをビンタ、私服
- 表情は哀、泣き顔
- 構図は~せえらが頬を押さえて突っ立ってる感じ、視線は下を向いてる
背景は夜の山(丘)で無いに等しいのかな。それじゃ寂しいのでバイクのライトが当たってるとか
○狙い・・シリアス展開なせえらでry
○時間・・夜
○場所・・丘(スチル前の背景は真っ黒背景)
○人物・・せえら
○服装・・私服
○表情・・上記に
○構図・・上記に
○
シナリオ実例・・以下
せえら「………」
メイド長「お嬢様、どうか落ち着いて下さい」
メイド長「私はお嬢様のお気持ちを知っています。そんな私が要先生を好きになるはずがありません」
真緒「………」
メイド長「それに、私が好きなのはお嬢様なんですから。
ですから、私も辛いのです……」
せえら「………」
メイド長「ですが、これはお嬢様のためだと私は……」
せえら「………」
八十記は泣いていた。
メイド長を見つめながら、ただ悲しそうに。
真緒「八十記……」
メイド長「お嬢様……」
せえら「好きな人と……結婚したい。
それはいけないこと? ねぇメイド長?」
メイド長「……いけない事じゃありません」
せえら「私は……私は……」
そこまで言った後は言葉にならず、八十記は嗚咽交じりの鳴き声をあげた。
何があったのかハッキリと分からないが、二人の会話から察するに、
八十記の縁談話でも持ち上がったんじゃないだろうか。。
そう考えれば、すべて意味が通る。
もしそうなら、八十記が泣くのも無理はない。
まだ結婚なんて考えられない年齢だろうに……
真緒「メイド長、八十記はお見合いか何かがあるんですか?」
メイド長「……はい」
真緒「やっぱり」
せえら「………」
真緒「………」
真緒「八十記、大丈夫か?」
せえら「………」
立ちつくしている八十記に手を差し伸べる。
真緒
「結婚は好きな人とすれば良いとぼくは思うよ。
だからさ、そんなに悩まずにさ」
せえら「………」
メイド長「………」
真緒「ね、だから今日は帰ろう」
差し出していた手を八十記が取る。
ぼくの言葉を聞いてくれたようだ。
しかし……八十記の好きな人がぼくかもしれないという事に驚きと戸惑いを覚えている。
ぼくも八十記が好きだ。
でもそれは生徒としてであり、女性として好きかと言えばハッキリとそうだと言えない。
だから、却って八十記を傷つける行動をとっているのかもしれない。
しれないけど、こんな八十記を目の前にして酷い男を演じるなんて無理だ。
せえら「………」
真緒「落ち着いたね」
せえら「……うん」
真緒「それじゃ帰ろうか」
真緒「メイド長も帰りましょう」
メイド長「ええ……」
最終更新:2010年11月07日 09:57