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シナリオ 8月9日(木曜日)・その3

 突入!


※バイクがホテル正面のドアに突っ込む。
※激しい衝撃音

真緒「え?」

……信じられない光景が目の前に広がっていた。
無人のバイクが正面のガラスドアに突っ込んでいったのだ。

激しい音、砕け散るガラスの破片。
叫び声をあげる従業員。
当のバイクはロビーの中で暴れまわった後、倒れたようだ。

真緒「………」

いったい……何が起こったんだ?
事故? それともテロ?

メイド長「要先生」

真緒「め、メイド長!?」

メイド長「さ、この騒ぎの間にお嬢様の元へ」

真緒「え? あ、あのバイク、ま、まさかメイド長が??」

メイド長「後で説明します、早く!」

真緒「い、いや、でもエスピーが」

メイド長「私がいますから、大丈夫です」

真緒「は、はい」




※大広間

;裏で表示
;せえら/私服/a/楽/c

せえら父「な、なんだ今の音は」[pcm]

西園寺「事故でも起きたのかね?」[pcm]

せえら母「私が見てまいりますわ」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「お母様、私も」[pcm]

せえら母「せえらは座ってなさいな」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「は、はい」[pcm]

せえら父「うむ、それではこっちは続けましょう」[pcm]

西園寺「申し訳ありませんな奥様」[pcm]

息子「せえらちゃんはぁはぁ……」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「………」[pcm]

息子「パパ……拙者ちょっとトイレに……」[pcm]

西園寺「ん、お腹でも痛いのか?」[pcm]

息子「そ、そうじゃないでござるよ……」[pcm]

西園寺「なら座ってなさい」[pcm]

息子「は、はひ」[pcm]

せえら父「せえら、黙ってないでお互い話でもしなさい」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「はぁ……」[pcm]

西園寺「はは、恥ずかしがっておられるようですな。
息子よ、ここはお前がリードしてあげるべきだ」[pcm]

息子「そうだねパパ、じゃあ趣味の話でもするでござるよ」[pcm]

息子「せえらちゃんはアニメとか好きでござるか?
拙者自慢じゃないでござるが、かなり詳しいでござるよ」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「……アニメは見ませんわ」[pcm]

息子「ええ!? もったいないでござるよ!! もったいないでござるよ!!」[pcm]

息子「財産……あいや、人生とも呼べる素晴らしいアニメがたくさんあるでござるよ!!」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「……はぁ」[pcm]

息子「デュフフ、そうでござるよ。[lr]
今放送中のアニメなどはなかなか人気でござるよ」[pcm]

息子「女の子がバンドする作品でござるが、これがなかなか萌えとロックを融合した……
オウフ!! 拙者オタクではござらんですよ!!」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「……そういえば、かなちゃんが見てましたわね。[lr]
ロックじゃないからすぐに見なくなったと言ってましたけど」[pcm]

息子「ロックじゃない!? オウフ、痛い所キタコレでござるな!?」[pcm]

息子「おっとっと、拙者『キタコレ』などとついネット用語が出たでござるよ、失敬」[pcm]

息子「まぁ拙者の場合いわゆる萌えアニメとしてでなく、
音楽作品として見ているちょっと変わり者ですので、
唯の信者と同じにされては困るでござるよ?」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら「はぁ……」[pcm]

息子「ドプフォ!? いや失敬失敬、また『信者』などどネットスラングが出てしまったでござカポフォ!?」[pcm]

;せえら/私服/a/楽/c
せえら(い、いや、こんな人と結婚なんて……)[pcm]


※廊下


騒ぎの隙を突いて再び大広間へ。
こうしてまたこれたのはいいけど、
いくら何でもバイク突っ込ませるのはどうなんだろう……


メイド長「何です?」

真緒「い、いえ、さすがというか」

メイド長「ホテル側には申し訳ない事をしました」

メイド長「後でお叱りを受けるのは覚悟の上ですが、お嬢様の痛みはこんなものの比じゃないはずです」

真緒「メイド長……」

メイド長「それにあんな事の一つや二つ、昔の私には当たり前でしたしね」

真緒(伝説のヘッド……)

メイド長「さ、大広間です」

真緒「あれ、エスピーがいない」


騒ぎに駆けつけたのだろうか。
二人の男の姿はなく、代わりに一人の女性がドアの前に立っていた。

メイド長「奥様」

真緒「奥様?」

せえら母「やっぱりメイド長だったのね」

メイド長「申し訳ありません奥様。ですが私は、どの様な罰も受ける覚悟で参りました」

真緒「………」

せえら母「罰ねぇ、じゃあ修理費の少しを負担してもらうだけ? かしら、ふふ」

メイド長「いえ、私はメイド長を辞する覚悟です」

せえら母「はいはい、もういいわ。メイド長にどうこう言うつもりはないわよ」

メイド長「奥様……」

真緒(八十記の……)

せえら母「要先生ね?」

八十記の母……だろう人がぼくに話しかけてくる。
八十記に似ているが、やはり大人の落ち着きがあり、そして上品だ。

真緒「あ、はい、お初にお目にかかります」

せえら母「メイド長から聞いてるわ、せえらの好きな人だって」

真緒「え……」

せえら母「ふふ、実はね私もお見合いには反対なの。
何だかね、お相手の息子さん気持ち悪いしね」

真緒「は、はぁ」

せえら母「それで先生は、せえらのお見合いを潰しに来てくれたんでしょ?」

真緒「は、はい!」

せえら母「という事は……」

せえら母「ふふ、ドラマチックね。さ、案内するわ」

どうやら八十記のお母さんはぼくたちの味方みたいだ。
エスピーがいないのも、もしかしたら追い払ってくれたのかもしれない。

メイド長「さ、先生!」

真緒「ああ!」



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最終更新:2011年03月22日 23:01
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