シナリオ 7月31日(月曜日)・その4
彼女気取り
真緒「ただいまー」
寮長「あ、おかえりなさい」
奏「センセー!!」
せえら「あら、帰ってきましたの?」
真緒「ああ、無事に帰ってきたよ。寮の方は大丈夫だった?」
寮長「はい、特に何もありませんでしたよ。ただ」
真緒「ん?」
寮長「いえ、みんな元気がなくなって」
真緒「夏バテ?」
寮長「いえ、先生がいなくなったから寂しいってみんな」
せえら「りょ、寮長! へんなこと言うんじゃにゃーですわ!」
寮長「え、でも八十記さんも張り合いがないと」
せえら「それはあれですわ。舎弟と特訓しようとしてた計画が白紙になったからですわ」
真緒「はは、八十記らしいな」
せえら「ええ、へんな勘違いしやがったら許さにゃーです」
真緒「ああ、分かってるよ」
奏「アタシは寂しかったよセンセ!」
せえら「か、カナちゃん」
真緒「そっか、ぼくも寂しかったよ。たった数日なのにな」
寮長「先生、お帰りなさい」
奏「おかえりセンセ」
せえら「ま、まぁお帰りですわ」
寮長「あら、そういえば岸岡さんは?」
真緒「ああ、今玄関で莉緒と喧嘩してる」
せえら「あら、それじゃ」
奏「治ったの?」
真緒「ああ、おかげ様でな。皆ありがとう」
寮長「いえ、良かったです」
せえら「はぁ、またうるさくなりますわね」
奏「あ、メーコお帰り!」
※ め
芽衣子「うむ、久々だな」
※か め せ
せえら「あら、ほんとですわね」
真緒「ああ」
奏「でもいいなーアタシも行きたかったなぁ」
芽衣子
「ふ、真緒様と二人で旅行をしたいと?」
奏「うん」
芽衣子「残念だがそれは無理だな」
奏「どうしてー?」
真緒(嫌な予感……)
せえら「ま、しばらくは研修もにゃーでしょうし」
芽衣子「そういうことではないのだ八十記さん」
せえら「どういうことですの?」
芽衣子「今後真緒様が誰かを連れて旅立たれる場合、
その相手は私以外には有りえないという事だ」
奏「メーコだけ?」
せえら「ど、どうしてですの?」
芽衣子「此度の旅行で私と真緒様は……」
せえら「な、なんですの?」
奏「え? なに?」
真緒「お、おい岸岡」
芽衣子「ふふ……言わない約束でした。
芽衣子は内緒にしておきます。二人だけの秘密に、うふふ」
真緒「………」
奏「ちょっとセンセ! なにしたの!」
せえら「な、なんですのいったい、なにがありましたの」
芽衣子「それは言えないが、一つ」
せえら「なんですの?」
芽衣子「つまり、私は真緒様のものになり、真緒様は私のものだということだ」
せえら「なっ!?」
奏「意味分かんないし」
芽衣子「今日からみなにはそのことを十分理解してもうう。
そしてその上で真緒様に接してもらうぞ」
せえら「ちょっと岸岡、センコーはワタクシの舎弟ですわよ」
奏「メーコのものじゃないし。アタシのだし」
真緒(な、なに勝手にこいつらは……)
芽衣子「ふふ……」
せえら「な、なんですのその笑い方は」
奏「メーコぉ……」
真緒「………」
※りょ
寮長「すっかり治ったみたいですね」
真緒「あ、ああ。見ての通りね」
寮長「安心しました。明日せっかくの海ですし」
真緒「明日?」
寮長「はい、えっと」
※め りょ
芽衣子「寮長、先ほどの話は寮長も例外ではないのだぞ?」
寮長「え? あ、はい」
真緒「おい岸岡、変な事をだな」
芽衣子「真緒様、これからは寮のことで分からないことがあればこの芽衣子に。
寮長もそうしてもらうぞ」
寮長「は、はい」
真緒「………」
岸岡がまた……と思ってしまいそうになったが、
これはただ単に束縛してるというか、されてるだけか。
嬉しそうに話してるから、心配する事もないだろう。
でも、別の心配が……
奏「………」
せえら「………」
真緒(怒ってるなぁ)
芽衣子「寮長、今からちょうど夕食だな?」
寮長「は、はい」
芽衣子「みなが集まるこの時に説明しておくべき。真緒様、よろしいですね?」
真緒「な、なにを説明する気だ」
芽衣子「ふふ……ご心配なく」
真緒「………」
最終更新:2010年08月19日 21:35