シナリオ 8月1日(火曜日)・その1
八十記家別荘
そして翌日──
八十記家が所有する別荘へ着いた。
目の前にはいくつものコテージ。
これ全部、八十記家のものらしい。
凄いな……
せえら「なーにボケっとしてますの」
真緒「あ、いや、見とれてたんだ」
せえら「な、なににですの?」
真緒「いや、このコテージにだよ」
せえら「……そうですの」
寮長「凄いですよね」
真緒「ああ、凄い数だ」
せえら「そのコテージの部屋ですけど、
センコーだけ別ですわよ」
真緒「ああ、当然だな。でも八十記たちもなんだろ?」
奏「ううん、全員いっしょのコテージだよ」
莉緒「まったく……暑苦しいわね」
和「ふ、キミも来ていいんだぜ?」
真緒「いや、遠慮しておくよ」
芽衣子「真緒様、遠慮などなさらずに」
真緒「いやいや、邪魔しちゃ悪いよ」
せえら「ま、心配しなくても誰かがセンコーのところへ行きますわよ」
莉緒「誰よ?」
芽衣子「それだが八十記さん、今年は私は真緒様と過ごすゆえ、そのように頼む」
和「ん? どういうことだい?」
芽衣子「つまり、私と真緒様は同じコテージで夜を過ごすということだ」
真緒(………)
せえら「なに言ってますの。認めませんわ」
奏「そだよ」
和「ああ、抜け駆けはいけないぜ」
莉緒「そうよ、ちょっと調子に乗りすぎじゃないの?」
芽衣子「なんだと貴様……」
和「まぁ岸岡さん、みんなちょっと怒っているんだ。
ここは我慢した方がいいな」
芽衣子「怒っている? なにゆえだ?」
和「決まってるだろ。嫉妬だよ」
莉緒「ちょ、ちょっと和! あたしは別に妬いてなんか」
せえら「そ、そうですわよ! 破廉恥だから怒ってるだけで!」
奏「でもメーコ、ちょっとずるいよ」
芽衣子「北上さんもか」
真緒(なんか……空気が)
寮長「まぁまぁ、それよりも早く着替えましょう」
真緒「だな、そうしよう」
和「ああ、そうだな。みんな行こうぜ」
芽衣子「仰せのままに」
せえら「ま、そうですわね。ここで時間潰しても面白くにゃーです」
奏「うん、いこっ」
莉緒「………」
最終更新:2010年09月12日 18:00