D-8/1-5

シナリオ 8月1日(火曜日)・その5

 発端


※浜

莉緒「……遅い」

せえら「ですわね」

奏「むー」

和「たしかに遅いがまさか……」

寮長「え? どうしたんです?」

せえら「センコーは岸岡と二人でいるんじゃないか」

せえら「阿部高はこう仰りたくて?」

和「ああ、そういうことだな」

莉緒「………」

奏「またなの? 意味分かんないし」

寮長「でもすぐにここへ来ると思いますよ」

奏「ほんと?」

寮長「え、たぶんですけど」

和「甘いな寮長」

奏「ナゴミ?」

和「開放的になる夏、しかも海だぜ?
そんな時にあの二人を一緒にしたらなにが起こるやら」

寮長「そんな、先生に限って」

奏「そだよ!」

和「ああ、たしかにそうかもしれない。
だが今の岸岡さんは危険だ。女豹だ」

せえら「まぁ、どっちかというと岸岡がハンターですわよね」

奏「センセ食べられちゃうの?」

和「可能性は高いということだ」

奏「そんな……アタシが食べたいのに」

せえら「カナちゃん……意味分かってますの?」

奏「ええ?」

寮長「でも、いくら岸岡さんが積極的とはいえ先生がそんな事」

和「信じたい所だな」

せえら「それはそうと、寺井は静かですわね」

奏「いつもなら怒ってるのにね」

莉緒「……怒ってるわよ。凄くね」

和「ふ、静かな怒りってやつかい」

莉緒「そうよ、本気で怒ってるわよ」

莉緒「……今から探しにいくわよ。いいわね?」

寮長「寺井さん」

和「あ、ああ」

せえら「怖いですわね……」

奏「リオ……」

莉緒「でもその前にみんなに話すことがあるわ」

せえら「なんですの?」

莉緒「あの馬鹿に分からせなくちゃいけないと思うの」

和「馬鹿? 岸岡さんのことかい?」

莉緒「そうよ、真緒くんを自分の物だと思ってる大馬鹿のことよ」

莉緒「あの馬鹿に、そうじゃないってことを分からせるべきよ」

奏「アタシは賛成だよ」

せえら「そうですわね。ワタクシの舎弟を勝手に連れまわして欲しくにゃーですし」

和「まぁ俺もだが、どうやって分からせるんだ?」

莉緒「明日よ、明日真緒くんを拉致するわよ」

和「拉致…だと」

莉緒「そうよ、岸岡芽衣子から真緒くんを引き離すのよ」

寮長「………」

奏「その後はどうするの?」

莉緒「そうね……」

せえら「どうしますの?」

莉緒「ま、街でいいわね。うん、街へ行くわよ!」

和「ああ、街で遊ぶのかい。いいな」

莉緒「あ、遊ぶわけじゃないわよ! これはあの岸岡芽衣子の洗脳を解くためなんだから!」

せえら「ま、そんなことどうでもいいですわよ」

奏「うん」

莉緒「あ、あなたたちもまさか岸岡芽衣子の手に……」


和「寮長はどうするんだい?」

寮長「私は…賛成も反対もしません」

莉緒「なんでよ?」

寮長「明日、先生と寺井さんたちが街へ行くとしたら、
岸岡さんは一人になりますよね」

莉緒「そうよ、お留守番よ」

寮長「もし本当に寺井さんたちがそうするなら、
私も寮にいます」

莉緒「寮長もお留守番ってことでいいのね」

寮長「はい、こないだまであんなでしたから心配で」

せえら「まーたく寮長は真面目ですわね。
もう治ったですし、一日やそこら一人にしても大丈夫ですわよ」

奏「そだよ。寮長も来てよ」

寮長「いえ、私は行きません。一人にはさせたくないんです」

和「ふ、寮長らしいな。だが止めるもんだと思っていたぜ」

寮長「それは…寺井さんたちの気持ちも分かりますから」

莉緒「まぁいいわ。寮長はあの馬鹿の監視を頼むわよ」

莉緒「それじゃ明日の朝に真緒くんの部屋に行って、そのまま街まで行くわよ。
いいわね!!」

せえら「分かってますわよ」

奏「叫ばなくても聞こえてるし」

和「ふ、楽しみだぜ」

寮長「………」


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最終更新:2010年09月12日 18:05
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