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シナリオ 8月2日(水曜日)・その7

 蘇る遠い過去


芽衣子「………」

寮長「岸岡さん?」

芽衣子「……同じだ」

寮長「どうしたんですか?」

芽衣子「寮長、私は寮を出る」

寮長「え?」

芽衣子「……さらばだ」

寮長「え? 岸岡さん?」





寮長「出て行ったけど……先生の所に行ったって事?」

寮長「でもあの顔……」

寮長「一度先生に連絡を」




真緒「ただいま」

莉緒「帰ったわよ」

せえら「ただいまですわ」

寮長「あ、先生」

真緒「ただいま、どうかした?」

寮長「あの、帰り道で岸岡さんを見なかったですか?」

真緒「いや」

寮長「………」

奏「なに? メーコがどうかしたの?」

和「なんだなんだ」

真緒「………」

寮長「たぶん迎えに……」

莉緒「でも来なくていいって言ってたじゃない」

せえら「ですわね」

真緒「そうだけど……あいつ」

真緒「とにかく、ちょっと駅の方まで行ってくるよ」

寮長「ついさっきの事ですから、おそらくまだ敷地内にいるはずです」

真緒「分かった。気をつけて探してみるよ」

莉緒「ほっとけばいいわよ、子どもじゃないんだし」

せえら「すぐに戻ってきますわよ」

真緒「そうかもしれないけど、万が一があるからな。
とにかく行ってくる」


※寮敷地門(夕方)


走りながら、でも辺りを見回しながらここまで来る。
でも岸岡の姿はなかった。

寮長の話じゃ、ついさっき出たらしいから追いついてもよさそうなのに。

真緒「………」

漠然とした不安が胸をよぎる。

岸岡と少し距離を離した方が今後のためだと思って、
電話でああ言った。
でも岸岡からすれば、冷たさを感じてしまったかもしれない。
だから寮を出た……
すなわち、家出。

ぼくの考えすぎかもしれないけど、嫌な予感がする。
あの電話の最後だって、切れたというより岸岡が途中で切ったんだと思う。

もう少し、徐々に離していくべきだっただろうか……

莉緒「真緒くん!」

真緒「莉緒、お前どうして」

せえら「みんないますわよ」

真緒「八十記」

寮長「はい、私たちも探しに」

和「だが、ここまではいないな」

奏「寮の周りもいなかったし」

真緒「そうか……」

和「敷地は広いからな、どこかにいるかもしれないぜ」

真緒「そうだな……」

せえら「どうしますの? 敷地内を探すならメイド長たちも呼びますわよ」

莉緒「そんな大げさにしなくてもいいわよ。どうせすぐ見つかるわ」

真緒「………」


寮長「そうだと良いんですけど」

奏「とにかく探そうよ。もう日も落ちちゃうし」

和「ああ、そうしようぜキミ」

真緒「分かった、広いから二組になって手分けして探そう。
一時間経って見つからなかったら、一旦寮に戻る事。いいな?」

奏「うん」

和「ああ、いい感じだ」

せえら「ふふ、なかなか頼もしいですわね」

莉緒「………」

寮長「それじゃ先生」

真緒「ああ、行こう」


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最終更新:2010年09月12日 18:22
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