D-8/3-2

シナリオ 8月3日(木曜日)・その2

 名前


※食堂


食堂には岸岡を含め、全員がすでに集まっていた。

真緒「みんな来てるな」

奏「アタシたちも食べよ」

せえら「ええ、行きますわよ」

真緒「ああ」

※二人退場


岸岡は今から食べるのか、座る席を探して歩いている。
ぼくが来た事に気がついているのか、そうでないのか……

和「やぁおはよう」

寮長「おはようございます」

真緒「おはよう、莉緒も」

莉緒「気安く名前を呼ばないで!!」

真緒「あ、朝から叫ぶなって」

そう挨拶を交わしながらも、意識や目は岸岡を追っているぼくがいる。

……あれ? 立ち止まってる?

岸岡の顔は見えない。
だから表情は分からないけど、あれはどこに座るか考えているというより、
背中でぼく等の話を聞いているような感じだ。

莉緒「ちょっと、なに黙ってんのよ」

和「まったく寺井さんは朝から元気だな」

寮長「ふふ」


真緒(……動き出した)

真緒(たぶん……聞いてたよな)

和「どうしたんだキミ?」

真緒「あ、いや、なんでもないぞ」

莉緒「………」

寮長「先生、岸岡さんですか?」

真緒「あ、え?」

莉緒「え? じゃないわよ。どうせそうだと思ったわ」

和「元気はないようだが、もう心配しなくても大丈夫だぜ」

真緒「それなら良いんだけど……」

寮長「ええ……」

莉緒「来たじゃない」

真緒「え、岸岡?」

芽衣子「………」

※め、り

真緒「岸岡」

芽衣子「………」

岸岡は黙ってぼくを見ている。
いったいなにを考えているんだろう。
好意的じゃない事だけはその冷めた顔から嫌でも分かるけど。

莉緒「なによ、なに黙ってんのよ」

芽衣子「………」

莉緒「なによ、なにジッと真緒くんを見てるのよ」

真緒「岸岡、あの」

芽衣子「………」

真緒「昨日の事をちゃんと話そうと思ってさ」

芽衣子「………」

真緒「今大丈夫か? ご飯は食べたのか?」

芽衣子「………」

真緒「岸岡、なんか言ってくれ」

芽衣子「………」

莉緒「なに? 魔王と騎士は喧嘩しちゃったわけ?」

真緒「お、おい莉緒」

莉緒「そうなんでしょ真緒くん? ふふ、チャンスだわ」

真緒「そうじゃないって。ていうか、そんな事言うな」

莉緒「どうやら正解のようね」

真緒「喧嘩とかじゃなくて、ちょっと行き違いというか」

莉緒「岸岡芽衣子、覚悟しなさい!」

真緒「莉緒、話を聞けって」

芽衣子「………」

寮長「岸岡さん、ご飯食べたんですか?」

芽衣子「……いや、食欲がないのだ」

寮長「そうですか。でも、少しでも食べておかないと」

芽衣子「心配はいらぬ」

真緒「岸岡、寮長の言うとおりだぞ」

芽衣子「………」

真緒「岸岡、あの」

芽衣子「………」

真緒(ぼくは無視……か)

真緒(いや、莉緒に対しても……)



※せ、め、か

せえら「なに集まってますの」

奏「なーにしてるの?」

真緒「ん、ちょっと話してただけだぞ」

芽衣子「………」

奏「メーコおはよ」

せえら「おはようですわ」

芽衣子「………」

真緒(……二人も?)

奏「メーコどしたの? 元気ないし」

せえら「ま、昨日の今日ですし」

真緒「あ、ああ、疲れてると思うよ」

芽衣子「………」

真緒「それより岸岡、今から話せないか? ここはあれだからぼくの部屋ででも」

芽衣子「………」

真緒(……はぁ)

奏「なになに? メーコとセンセどしたの?」

せえら「これで悩んでましたのね」

芽衣子「………」

奏「あ、メーコ」

せえら「行きましたわね」

真緒「だな」


寮長「先生、岸岡さんどうしたんですか?」

奏「センセを無視してたし」

せえら「あんなにベタベタしてましたのに」

真緒「昨日ちょっと喧嘩というか、そんな事があって。
それであんな風になってるんだと思う」

寮長「喧嘩、ですか」

奏「メーコをのけ者にしちゃったからなの?」

せえら「ならすぐに元に戻りますわよ」

真緒「そうだと良いけど」

真緒「ま、ちょっと岸岡の所へ行ってくるよ」


 Back    Next




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年09月12日 18:31
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。