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シナリオ 8月4日(金曜日)・その3

 LIKE A BABY


真緒「……莉緒、もういいぞ」

莉緒「ん……」

※り

真緒「すまん、駄目みたいだ」

莉緒「そうね……」

和「失敗か」

せえら「なかなか面白かったですのに」

真緒「そうだな、莉緒の演技は迫真だったのにな」

莉緒「ちょ、ちょっと演技じゃないわよ!」

奏「でもさ、メーコ行っちゃったし」

寮長「………」

真緒「そうだな、上手くいくと思ったけど、簡単にはいかないな」

寮長「先生」

真緒「ん?」

寮長「さっきのが仮に上手くいっていたとしても、それじゃ駄目だと思うんです」

莉緒「なによ寮長、なにがだめなのよ」

真緒「どういう事?」

寮長「その……今までの先生と岸岡さんの関係のままじゃ駄目だと」

真緒「今までの」

莉緒「魔王と騎士がだめってことなの?」

真緒「え? そういう事なの?」

寮長「はい、主従の関係ですしね。例え先生がそう思っていなくても、
岸岡さんはそう思っていますから」

莉緒「ま、そうよね」

真緒「でもそれは中二病だからじゃ」

寮長「たしかにそうかもしれません。でも、本質的には同じなんです」


※寂しさから生まれた中二病
※それを埋めなければ岸岡と仲直りしても、結局はこういう事が起きると寮長は言ってる
※対等な関係

真緒「………」

寮長「先生、岸岡さんの心を埋めてあげて下さい。
私から言えるのはこれだけです」

真緒「寮長」

莉緒「なんのことだかサッパリだわ」

莉緒の言うとおり、ぼくも分からない。
寮長の言いたい事はつまりだ。
仲直りしても、岸岡が中二病のままじゃ駄目って事なのか。

でもそれは岸岡の個性みたいなもんだし、こうなった原因と関係ない気がする。
中二病が無くなったとしても、主従の関係というか教師と生徒って関係はそれに近い
ものがあるしな。

なんだろう、まったく分からない……

真緒「寮長、もうちょっと詳しく教えてくれないか」

寮長「それは……先生自身で気がついて欲しいんです」

真緒「ぼくが気がつかなきゃ駄目なのか?」

寮長「はい、でも私も出来る限り力にはなりますから」

真緒「……そうか、分かった。ありがとう寮長、そうするよ」

寮長「はい」

莉緒「まったく……なによこの雰囲気は」

真緒「ま、またお前は変な勘違いをだな」

莉緒「……どうだか」

せえら「ですわよ」

奏「だし」

和「キミぃ」

真緒「お前らもいい加減……」

真緒「ほら、寮長も困ってるだろ?」

寮長「……いえ、私は別に」

せえら「まぁ、寮長に限って馬鹿センコーを選ぶとは思えませんわ」

奏「だね!」

和「だといいがな」

莉緒「寮長! 気をつけなさいよ!」

寮長「………」

寮長「それじゃ私はこれで」

寮長が出て行く。
心なしか元気がなくなったような気がしないでもない。

莉緒「で、今からどうするのよ?」

真緒「どうするって、どうもしないよ」

莉緒「岸岡芽衣子の所へは行かないわけ?」

真緒「んー」

和「ま、今日は止めときたまえよ」

せえら「ですわ。余計悪くなりますわよ」

真緒「そうだな、今日はもう止めとくか」

和「ああ、明日からまた働きかければいいさ。
もちろん協力するぜ」

せえら「しょうがねーからワタクシも手伝ってやりますわよ?」

真緒「ああ、ありがとう」

真緒(今日はそうだな、余計悪くなりそうだしな)

真緒(気になるけど、ここは時間を置いてまた明日からだ)

真緒「うん、それじゃ部屋で仕事でもするよ。皆ありがとう」

莉緒「ふん」

真緒「莉緒、感謝してるぞ。明日からも頼むな」

莉緒「………」

真緒「それじゃ」



※廊下


みんなに手伝って貰ったけど、結局上手くいかなかった。
でも、こうやって皆の力があれば、案外早く解決するかもしれない。

それと……

寮長のあの言葉。
あれはいったいどういう意味なんだろう。
岸岡の心を埋めろとも言っていた気がする。

ぼくとしては、研修に行ったりして十分にそうしてきたつもりだ。
でもまだ、それじゃ足りないんだろうか。

だから岸岡が怒った?

うーん……

ま、今日は仕事をしよう。
手につくかどうか分からないけど……


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最終更新:2010年09月12日 22:18
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