シナリオ 8月5日(土曜日)・その3
憂鬱なデート
※敷地門
岸岡と寮を出て数分。
会話もないまま、敷地の外まで来てしまった。
幾度となく話しかけてもすべて空振り。
でも今からはきっとそうじゃなくなると信じよう。
真緒「良い天気だな」
芽衣子「………」
真緒「こうやって二人で出かけるなんて研修以来だな」
芽衣子「………」
真緒(………)
真緒「ま、とにかく行こうか」
芽衣子「………」
※街
そして街に到着。
やっぱりというかなんというか、ここまでも会話はなし。
岸岡の表情も相変らずで、ぼくを見ようとすらしなかった
真緒「岸岡、暑くないか?」
芽衣子「………」
……岸岡の笑顔を最後に見たのはいつだっただろう。
ついこないだの事だったはずなのに、もう何年も見ていないような気分だ。
真緒「それじゃ、用事を済ませようか」
芽衣子「………」
※中心部
淡々と買い付けを済ませていくぼくと岸岡だった。
道案内は指を差すだけの岸岡。
結局用事がすべて終わっても、ぼく等の間に会話らしい会話はなかった。
真緒「終わったな」
芽衣子「………」
真緒「岸岡のおかげで早く終わったし、今から遊びに行くか?」
芽衣子「………」
真緒「岸岡、どこか行きたい所はあるか?」
芽衣子「………」
何も答えない。
二人きりでいるというのに、何も……
真緒「岸岡、ぼくと喋ってくれないのか?」
芽衣子「………」
すがるように言ったぼくの言葉も、岸岡は避けた。
さすがに空しさに襲われる。
二人で外に出ればきっと話すだろうって、
たぶん阿部高も思っただろうし、ぼくだって思った。
でも、それだけじゃ駄目みたいだ。
もう少し一緒にいればそうじゃなくなるかもしれないけど、
今の岸岡を見る限りそんな望みは持てない。
真緒「どうしようか……」
芽衣子「………」
真緒「……帰るか?」
芽衣子「はい」
寮出て初めて口にした言葉だった。
それは嬉しいけど、帰ると聞いた事に対してだってのがまた……
真緒「分かった、帰ろうか……」
芽衣子「………」
ぼくは帰る事にした。
もうこれ以上二人でいても何も変わらない。
ぼく自身の気持ちも折れそうだし、今日はもう帰ろう……
※寮
真緒「ただいま」
芽衣子「………」
せえら「あら? ずいぶんとお早いお帰りですわね?」
奏「ええ? もう帰ってきたの?」
真緒「あ、ああ」
芽衣子「失礼する」
※めこきえ
せえら「……はぁ、だいたい検討つきますわ」
奏「……うん」
真緒「はは……」
※り、りょ、な
莉緒「なによ、もう帰ってきたわけ」
寮長「………」
和「うまくいかなかったのかい?」
真緒「ああ……残念ながら
寮長「でも先生、一緒に行ってくれたって事が大きいと思いますよ」
真緒「そうだな、それだけでも十分だって思わなきゃな」
莉緒「なによ、相変らず無視されてたわけ?」
真緒「まぁ、な」
莉緒「………」
和「で、どうする?」
真緒「どうするって」
和「こんなことだろうと思って色々考えてたさ」
せえら「ですわよ、感謝するですわ」
奏「次の作戦いこうよセンセ」
真緒「……ありがとう。でも、今日はもういいかな」
せえら「どうしてですの?」
真緒「ぼくもちょっと疲れたし、今日は部屋で過ごすよ」
奏「センセ! 元気だして!」
真緒「はは、大丈夫だって。外が暑かったからさ、それでちょっとな」
せえら「………」
和「……そうか」
真緒「うん、それじゃまた後でな」
※真緒退室して
※せ、な、か
せえら「やつれてましたわね」
奏「だし」
和「ああ、酷い顔だ」
寮長「………」
莉緒「まったく……」
莉緒「ほんっと馬鹿なんだから……」
最終更新:2010年09月12日 22:23