D-8/6-1

シナリオ 8月6日(日曜日)・その1

 莉緒の誘い


※朝、真緒の部屋
※ノック(激しい音)

真緒「んぁ……?」

莉緒「ちょっと! 起きなさいよ!!」

……莉緒の声だ。
こんな朝っぱらからいったいなんだってんだ……

莉緒「入るわよ!」


※りお

真緒「……莉ぉ」

莉緒「莉緒じゃないわよ。いつまで寝てるつもり?」

真緒「今起きた」

莉緒「あたしが起こしてあげたんじゃない」

真緒「……うん」

莉緒「ちょっと、目を覚ましなさいよ」

真緒「ん、ああ。起きてるぞ」

莉緒「そう、それじゃ着替えて」

真緒「着替えるけど」

莉緒「着替えたら行くわよ」

真緒「行くって、どこに?」

莉緒「街よ」

真緒「誰と? 莉緒と?」

莉緒「そうよ」

真緒「なんで?」

莉緒「……いちいちうるさいわね。早く着替えなさいよ!」

真緒「………」

莉緒「分かったわね? 食堂で待ってるからすぐ来なさいよ?
五分でこなかったらまた来るからね?」

真緒「ご、五分はちょっと」

莉緒「じゃあね」

そして莉緒は出て行った。
まったくあいつはいつも強引というか……

街に行くっていっても、どうしていきなりなんだか。
予定はないけど、はっきりいってそんな気分じゃないしな……

真緒「ともかく着替えて食堂へ行くか。待たせるとうるさいしな」


手短に着替えを済ませ、ぼくは部屋を出た。




※食堂

莉緒「来たわね。でも遅刻よ」

真緒「無茶言うなって」

莉緒「それより用意はいいわけ?」

真緒「なぁ莉緒、どうして街に行くんだ? 
正直言ってぼくはそんな気分じゃないんだ」

莉緒「………」

真緒「誘ってくれて嬉しいけど、ごめん」

莉緒「……分かってるわよ。岸岡芽衣子でしょ」

真緒「ああ……」

莉緒「心配しなくても、あの女も来るわよ」

真緒「岸岡もか!?」

※恋に破れた莉緒(´;ω;`)

莉緒「………」

莉緒「……そうよ、だから来なさいよ。いいわね?」

真緒「そうか、それじゃこれも作戦みたいなものか。
そういう事なら行くぞ」

莉緒「まったく……」

真緒「でも、莉緒と岸岡もって事は他の皆もか?」

莉緒「いいえ違うわ、三人だけよ」

真緒「三人だけ?」

莉緒「ええ、せえらや奏たちに見つかる前に寮を出るわよ」

真緒(莉緒と岸岡と三人か……)

真緒(不安だな)

莉緒「なによ? 文句あるわけ?」

真緒「いや、別にないけど」

真緒「それより、岸岡は本当に来るのか? 昨日の今日だしさ」

莉緒「大丈夫よ、そろそろここへ来るはずだわ」

莉緒「って言ってたら来たわね」


※め、り

芽衣子「貴様、いったいどういう……」

ぼくの存在に気がついて、言葉を途切らせる岸岡。
一緒に行くって事を知らせてなかったみたいだ。

莉緒「来たわね、今日は魔王も行くわよ」

芽衣子「なんだと……」

莉緒「ううん、魔王じゃないわ。真緒くんよね? ね、真緒くんっ!」

真緒(な、なんだよその甘えた声は)

芽衣子「話が違うな。私は遠慮させてもらう」

莉緒「あら、逃げるわけ? ま、いいわよ。
それじゃ真緒くん、二人でデートしよ? いいよね?」

真緒「お、おい莉緒、どうしたんだよ」

莉緒「……あたしのこと、嫌い?」

真緒「き、嫌いじゃないけどさ、いきなりこんな」

莉緒「じゃあ行こ? 日が暮れるまで遊ぼうね!」

芽衣子「………」

莉緒「それじゃ岸岡芽衣子、魔王じゃなくて真緒くんは貰ったからね。
あなたは留守番しててよ」

芽衣子「貴様……決闘するという話ではなかったのか?」

莉緒「するわよ? でも、魔王の人格が出てくるのはたぶん夜だと思うから
それまでは真緒くんと遊ぶの」

芽衣子「夜…だと」

莉緒「ええ、そうよ」

莉緒「ふふ、もしかしたら今日は寮に帰ってこれないかもしれないけど、
そういうことだから寮長に言っといて」

真緒「お、おい莉緒、おまえ何言ってんだよ」

莉緒「真緒くんは黙ってて」

芽衣子「……貴様が偽魔王とどうこうするのは関係ない」

莉緒「そう? じゃ、留守番しててよ」

芽衣子「だが、この私はたばかったのが気に入らぬ。
いや、許せない」

莉緒「ならどうするわけ? 来ないんでしょ?」

芽衣子「撤回だ。私も行くぞ」

莉緒「あそ、まぁいいけど」

芽衣子「街へ行くのだな? 着いたらそこで決着をつけるぞ」

莉緒「嫌よ、夜まではやらないわ」

芽衣子「なんだと」

莉緒「こないだ魔王と戦ったせいで、力がまだ完全じゃないの。
あなたなら分かるでしょ? しばらく時間がいるってこと」

真緒(………)

芽衣子「……ううむ」

莉緒「完全に戻るのちょうど夜ね。それからなら望む所よ」

芽衣子「それまでは待たねばならぬのか」

莉緒「そういうことね」

真緒(なにがなんやら……)

莉緒「とにかく行くわよ、いいわね?」

芽衣子「……よかろう」

莉緒「真緒くん? それじゃいこうね? ね?」

真緒「あ、ああ」

芽衣子「………」



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最終更新:2010年09月12日 23:02
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