D-8/6-2

シナリオ 8月6日(日曜日)・その2

 甘える莉緒、無口な岸岡


※街

そして街へ来た。
来たんだけど……

莉緒「ねぇ真緒くん、どこにいこっか?」

芽衣子「………」

対象的な二人がいた。
相変らずの岸岡と、なぜか異常に甘えてくる莉緒。

ま、まぁ莉緒のことだからこれも演技なんだろうけど、
普段があれなせいかいつもよりずっと……

莉緒「どうしたの? あたしになんかついてる?」

真緒「あ、いや」

芽衣子「………」

莉緒「ね? どこいく?」

真緒「そうだな……」

真緒(……思いつかない)

莉緒「ないの?」

真緒「すまん」

莉緒「謝る必要なんて全然ないわよ。それじゃあたしの行きたい所でいい?」

真緒「ぼくはいいけど……」

言いながら岸岡を見る。
嫌そうな顔というより、怒ってるな……

芽衣子「………」

莉緒「ちょっと真緒くん!」

真緒「なんだ」

莉緒「その女の顔色をうかがう必要なんてないわよ!」

芽衣子「………」

莉緒をにらむ岸岡。
まずいな……
こんな街中で喧嘩は迷惑だしさせちゃいけない。

真緒「莉緒、分かったから落ちつけ」

莉緒「そう、分かったならいいのよ。その女は黒子だと思えばいいわ」

芽衣子「貴様……」

真緒「だ、だからだな」

莉緒「ふん、やっと喋ったわね」

芽衣子「……うるさい」

真緒「あぁもう! 岸岡もそれでいいな?」

芽衣子「………」

真緒(うーん)

莉緒「黙ってるってことはおっけーってことよね。
真緒くん早くいこ」

真緒「あ、ああ、それじゃ行こうか」

芽衣子「………」


※デパート・莉緒ルートで使うやつ

莉緒に連れて来られた場所はデパートだった。
そしてその中の洋服店で足を止めた。

真緒「ここ?」

莉緒「そ」

芽衣子「………」

真緒「服でも買うのか?」

莉緒「そうよ。ねぇ真緒くん、あたしに似合う服選んでね」

真緒「え、ぼくが?」

莉緒「うん、いいよね?」

真緒「ま、まぁそれはいいけど……」

芽衣子「………」

莉緒が甘えてくるたび、岸岡の様子をつい見てしまう。
莉緒が何を考えてるのか分からないけど、
このままだと岸岡とますます……って気がする。

真緒「おい莉緒」

莉緒「なぁに?」

真緒「あ、いや、服を選ぶならぼくじゃなくて岸岡の方が適任じゃないのかなって」

莉緒「……どういう意味?」

真緒「ほら、やっぱり女の子のセンスは女の子同士がよく分かってるだろうしさ」

莉緒「はぁ……」

真緒「もちろんぼくも見てるけどさ、はは」

莉緒「ねぇ真緒くん、あたしは真緒くんに選んで欲しいの」

真緒「そう言われても……」

芽衣子「………」

莉緒「ねぇ真緒くん、あたしのことも見てよ……」

真緒「莉緒」

莉緒「………」

演技なのか本気なのか分からない莉緒の言葉と顔。
でもそうだな。
最近岸岡ばかりになって、莉緒や他の子と十分に話せてもいない。
教師という立場である以上、やっぱりそれじゃ駄目だ。

真緒「分かった、ぼくで良いなら選ぶよ」

莉緒「ほんと? それじゃいこ!」

真緒「ああ、岸岡も行こう」

芽衣子「………」


※同場所


莉緒の服選びが終わった。
楽しそうにはしゃぐ莉緒と、それに答えながら黙ったままの岸岡に気を配る。
なんというか、板ばさみみたいな状況で酷く疲れた……

莉緒「ありがと真緒くん!」

真緒「あ、いや、役にたてたならなにより」

芽衣子「………」

莉緒「ね? 次はどこいく?

真緒「どこって、どこだ?」

莉緒「そうね、どうしようかな」

芽衣子「貴様」

莉緒「あら? 久々ね、なに?」

芽衣子「……夜までこんな調子で過ごすつもりか?」

莉緒「そうよ、文句ある?」

真緒「おい莉緒、喧嘩腰になるなって」

莉緒「え? なってないわよ? でもごめんね真緒くん」

真緒「あ、いや、そう素直に来られると」

芽衣子「………」

莉緒「言い直すわ。ねぇ、あなたは嫌なの?」

芽衣子「………」

莉緒「黙られたら分からないわ」

真緒「………」

芽衣子「……次は私が決めさせてもらう」

真緒「岸岡?」

莉緒「あら、どこに行きたいわけ?」

芽衣子「……映画館だ」

莉緒「映画、ね。真緒くんはどう? あたしは別にいいわよ」

真緒「そうだな、ちょっと疲れたし座りたいかも」

莉緒「そ。なら行こっか」

真緒「ああ、行こうか」

芽衣子「………」



 Back    Next




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年09月12日 23:04
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。